コメにかけられている関税(1)
今日の日経新聞に、次のような記事が載っていた。
「コメ無関税枠『ミニマムアクセス』、米国向け設定 輸入拡大へ7万トン案、政府検討 農相は反発『食料安保懸念』
日米関税交渉で政府が米国産のコメ輸入拡大を検討している。日本が無関税で輸入する『ミニマムアクセス(MA)』の枠内に米国産の特別枠として7万トン前後を新設する案がある。トランプ米大統領がコメなど農産品に日本が高い輸入障壁を設けていると主張していることに対応する。」
世界中を大混乱に陥れているトランプ関税。
日本にも24%という非常に高い関税が課されることになっている。
そのアメリカとの交渉材料として「コメ」が上がっているという記事だ。
トランプ大統領も「日本はコメに700%の関税をかけている」と述べるくらいコメには関心があるようだ。
記事の中では、日本がコメにかけている現状の関税についても書かれている。
まずミニマムアクセス(MA)という無関税で輸入する枠があり、それ以外の枠は関税がかかることになる。無関税の輸入枠は、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意に基づき、1995年に導入されたらしい。
ただし、ミニマムアクセスというくらいだから、その枠には制限がある。現状のMAの輸入量は約77万トン。そしてMA以外の枠では約1500トンしか輸入されていない。現状の輸入はMA枠のみと言ってもいいくらい、MA以外の枠での輸入量は少量にとどまっている。
なぜそれほど少ないのか。
それはやはり、高率の関税がかかっているからだ。
MA枠は無関税であるのに対し、それ以外の枠では1キロあたり341円の関税がかかっている。5キロにすると約1700円。
この関税は200%から400%前後という関税率になるらしい。
トランプ大統領の言う700%は間違っているとしても、ただし非常に高率の関税がかけられていることは間違いない。