表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2025年04月
122/310

人生で一番暗かった夜(12)


10月18日(土)の深夜に私の不注意で風呂の水を溢れさせてしまい、台所の床を水浸しにしてしまったことが発端となった水漏れ事故。




そのため床の張替えが必要となり、私は急遽、マンション内の別の部屋に引っ越さなければならなくなった。




引越し予定日は10月26日(日)。


つまり、平日の一週間の中で私は引越し準備を開始し、そして完了させる必要に突然迫られたのだ。




私は日中は会社での長時間労働でくたくたになりながらも、夜、家に帰ってから、深夜までかかって荷物の梱包を進めた。








そして引越し予定日の10月26日。


引越し業者が家に来るのは午後3時の予定だった。




午前中、インターネット業者が家に訪れ、もともと住んでいた部屋の工事と、新しく引っ越す部屋の工事を行う。


その傍らで、私は荷物の梱包を進めていた。そして午後3時までになんとかすべての荷物の梱包を終えることが出来た。








午後3時に、引越し業者がやって来た。


引っ越しと言っても、同じマンション内の別の部屋に移るだけだ。途中階段を使って荷物を運ぶ必要があるが、全く別の家に引っ越すのと比べたら、引越し業者としての手間はそれほど多いわけではない。その荷物の運搬作業自体は一時間くらいで終わったと思う。




引越し業者が帰っていき、私は新しい部屋で、段ボール箱にすべて荷物が梱包された状態で取り残された。




引越し業者の作業はそれほどかからないとしても、荷物の梱包作業、荷物の開梱作業は通常の引っ越しと変わらなかった。すべての荷物をダンボール箱に詰め、そして新しい部屋で今度は逆にすべての段ボール箱から荷物をすべて元に戻さなければならない。




私はとりあえず、当座の生活で必要なものだけを始めに出していった。


それほど急がないものは、あとから時間をかけて段ボール箱から取り出し、元に戻そうと思った。もう身体も心もくたくたに疲れ切っていた。








この一週間は本当に苦しかった。今、思い出しても、苦しくなる。


そしてその一週間の始まりとなる10月19日の夜は、それ以上に苦しかった。私の未来が本当に暗闇に包まれたような気がした。


その夜のことは、今でも忘れない。








その水漏れ事故から数ヶ月が経って、保険会社から一通の通知が送られてきた。




水漏れ事故によって床の張替えが発生し、その費用として約100万円が掛かったこと。そしてその費用はすべて保険から下りたことが書かれていた。




この点に関しては、保険に本当に助けられた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ