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或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2025年03月
111/308

人生で一番暗かった夜(1)


2014年10月19日のことである。




今から約10年前。


その日、私の身に一つの出来事が起きた。


「事件」と言ってもいいかもしれない。




その日のことを今でも思い出す。そしてその後に続いた、本当に苦しい日々は忘れようにも忘れることは出来なかった。








その当時、私は厚木に住んでいた。


新卒で入社した企業Aで相変わらず働いており、その事業所が海老名にあったのだ。もともとは実家のある横浜から通勤していたのだが、2010年に一人暮らしを開始し、その際に事業所が近い厚木の賃貸マンションを借りて暮らしていた。




私の仕事は製品開発だった。


社交性が欠落して、協調性のない私がどうしてそのような仕事を選んだのか。ただ単に、何か新しい製品を世の中に作り出すのも面白いかもしれない。そう思ったからだ。そのような、吹けば消えてしまうような希薄な動機しかなかった。だけど、他に何もなかった私は、そのような希薄な動機にすがるしかなかった。




思ったとおり、私にとってその仕事は本当に苦しいものだった。


入社した当初から会社を辞めたいと思っていた。そのための方法を必死に考えていた。そのような自分に合った道を見つけ出さないと、今進んでいる道の先で絶対に自分は行き詰まると思った。絶対に自分は破滅すると思った。同じ破滅するなら、自分の望む道の先で破滅したいと思った。








しかも、2014年のその時期、私の担当機種が急遽変わることになった。




その機種は、企業Aが主力で売り出していた機種の後継機種となっていて、私の所属する部署もその製品の、あるユニットの設計を担っていた。




その担当となっていたS氏が別の機種に移ることになり、その代わりに私がS氏の後を引き継ぐことになったのだ。




その機種は、非常に仕事のボリュームが多い機種だった。


その機種となった担当者は、毎日のように午後10時まで残業を繰り返しているような始末だった。


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