表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2025年03月
103/311

前歯が折れた(2)


会社員時代、朝、更衣室で作業着に着替え、居室に向かう途中で自動販売機に寄ってコーヒーを買うのが日課だった。




そしてパソコンを起動させ、コーヒーを飲みながら、昨日から新しく来ているメールを確認する。








仕事の中では多大なストレスに晒されていた。




私は別にタバコを吸うわけでもなかったので、そのストレスに対する対処法は甘いコーヒーを飲むくらいだった。甘いコーヒーを飲むという精神的にプラスの行為と、仕事というマイナスの行為。その二つを組み合わせることによって、精神を保ちながら、日々、なんとか仕事を前に進めていた。




コーヒーを飲み終えると、私はまた自動販売機に寄り再びコーヒーを買う。本当に精神的に疲弊しているときなどは、より直接的な効果を得たいという思いに駆られ、いわゆる「ジュース」と呼ばれる甘い飲料を買うこともあった。




どう考えても体に良くなかった。


何よりも、歯の健康にとって良くなかったのだと思う。








一応は一日二回はしっかり歯を磨くようにはしていたのだけど、その磨き方もあまりよくなかったのだろう。よく虫歯ができていた。




しかも、歯医者に行くことも私にとっては大きなストレスだったので、その虫歯もひどくなって、どうにも痛みに我慢できなくなってから歯医者に行くという始末だった。


ひどくなってからの虫歯治療だったので、歯も大きく削ることになってしまったし、また、長期にわたって歯医者に通い続けることも珍しくはなかった。本当に悪循環だった。








FIRE生活に移行して、会社という多大なストレス源が無くなった。


それもあり、日常的に加糖コーヒーを飲む必要もなくなったし、甘い「ジュース」を飲む必要もなくなった。




それによって虫歯になることも少なくなったのだけど、私の歯にはそれ以前の「つけ」のようなものが溜まってしまっているのだろう。




今回の「前歯が折れた」というのも、そのつけの一つだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ