表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/83

第69話 六日、

(滞在地) 川尻


(原文)

六日、澪標みをつくしもとより出でて、難波に着きて、河尻に入る。

みな人々、女、翁、額に手をあてて喜ぶこと二つなし。

かの船酔の淡路の島の大御おほいご、「都近くなりぬ」といふを喜びて、船底より頭をもたげて、かくぞいへる、

「いつしかと いぶせかりつる 難波潟 蘆漕ぎ(そ)けて 御船来にけり」

いと思ひの外なる人のいへれば、人々怪しがる。

これが中に心地悩む船君、いたく愛でて、

「船酔したうべりし御顏には似ずもあるかな」といひける。


(舞夢訳)

六日になりました。

(船は難波の入り江から)澪標に沿って、難波の海に入りました。

様々な島が点在する北の方向に船を漕ぎ進めて、ついに川尻に着きました。

船にいる全ての人々、年老いた女性も男性も、額に手をあてて喜ぶこと、この上ありません。

酷い船酔いで船底に伏せていた淡路のお方様は、「都が近くなりましたよ」と耳にして喜び、船底から顔をあげて、歌を詠みました。


いったい、いつになったら京の都に付くのでしょうかと、相当不安に思っていたのですが、ついに難波潟に、葦を漕いでおしのけて、御船が到着したのです」


予想外の人(船酔いで苦しんでいた人)が(上手な)歌を詠んだので、一同は「え?」と不思議がります。

この人々の中にあって、(同じように船酔いに苦しんでいた)船君(紀貫之)が、淡路のお方様を(歌を含めて)、大変にお褒めになり、「船酔いに苦しんでいた時の御顔には見えませんよ」と言うのです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ