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第60話 四日、②

(滞在地)佐野浦


(原文)

この泊の浜にはくさぐさの麗しき貝・石など多かり。

かかれば、ただ昔の人をのみ恋ひつつ、船なる人の詠める、

「寄する波 打ちも寄せなむ わが恋ふる 人忘れ貝 下りて拾はむ」

といへれば、ある人堪へずして、船の心やりによめる、

「忘れ貝 拾ひしもせじ 白玉を 恋ふるをだにも かたみと思はむ」

となむいへる。


(舞夢訳)

この浜には、いろんな色の美しい貝と石が多くあります。

その貝と石を愛でていた人(紀貫之)が、昔の人(土佐で亡くした娘)が無性に懐かしく思い、歌を詠みました。


浜辺に寄せて来る波は、’(忘れ貝を)打ち寄せて欲しい。

私の愛しいあの娘を忘れさせてくれる、忘れ貝。

そうすれば、船を下りても、拾おうと思うので。


この歌を聞き、また別の人(紀貫之の妻)が、(愛する娘を失った悲しみに)耐えかねて、また船旅の苦しさを思い、歌を詠みました。


私は、忘れ貝を見つけても、拾うことはいたしません。

白珠のように愛らしかった、あの娘を忘れず、思い続けたいのです。

そして、その思いを、形見にしようと思うのです。


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