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第5話 廿五日、
(滞在地)国府
(原文)
廿五日、守の館より呼びに文もて來れり。
呼ばれて至りて日ひと日、夜ひと夜、とかく遊ぶやうにて明けにけり。
(舞夢訳)
新任の国司様から(遊びに来られるようにと)、招待状が届きました。
ご招待を受けて、(無粋なことも出来かねますので)、一日中どころか、夜を通して、とにかく遊び尽くして夜も明けてしまったのでございます。
帰京への出発をしたとしても、なかなか、スンナリと旅は進まない。
新任国司の管弦の遊びに招待されれば、(面子をを壊したくないので)お付き合いもする。
貫之お得意の和歌も披露したに違いない。