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第33話 十六日、

(滞在地)室津


(原文)

十六日、風波止まねば、なほ同じ所に泊まれり。

ただ「海に波なくして、いつしか御崎みさきといふ所渡らむ」とのみなむ思ふ。

風波ともに止むべくもあらず。

ある人のこの波立つを見て詠める歌、

「霜だにも おかぬかたぞと いふなれど 波の中には雪ぞ降りける」

さて船に乘りし日より今日までに、二十日あまり五日になりにけり。


御崎みさき

 室戸御崎みさき。室津から東方4キロ。室戸岬の突端。

 山にさえぎられて、室戸の御崎は見えない。

 室津川の河口は、船溜まりとなっていて、京都に向かう紀貫之一行の船以外にも、何艘か風待ちをしていたものと思われる。


※霜だにも~

 白楽天が年を取って白髪になったことを嘆いた時の歌からの引用。

 「誰云南国無霜雪尽花愁人鬢髪間」

(いったい誰が南国に霜も雪もないなどと言うのだろうか、この寂しい老人の鬢髪が、

これほどまでに真っ白になっていると言うのに)


(舞夢訳)

十六日になりました。

風も波も、おさまらないので、今日も同じ室津に泊っております。

とにかく、「風と波がどうにかしておさまってくれて、早く室戸御崎を通り過ぎたい」と思うばかりです。

(しかし、そんな思いを無視するかのように)風も波もおさまる気配を見せようとはしません。

ある人(紀貫之)が、この波が立つ様子を見て、歌を詠みました。


「霜などはおりることがない」と言われる南国土佐だと言うのに、波の中には、白い雪が降っている。


さて、船に乗り込んだ日から数えて、今日で二十五日になっております。

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