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第25話 十一日、①
(行程)室津に向かう
(原文)
十一日、曉に船を出して室津を追ふ。
人皆まだ寝たれば海の有様も見えず。
ただ月を見てぞ西東をば知りける。
かかる間にみな夜明けて手洗い、例の事どもして、昼になりぬ。
※室津
高知県室戸市室津。奈半から東南約20㌔の港。室戸岬から約5・5㌔北上した西岸。
※例の事ども
拝礼・食事・身づくろいなど、いつものこと。
(舞夢訳)
十一日は、夜明け前に船は室津を目指して漕ぎ始めました。
ほとんどの人は眠っております。
まだ暗いので、海の様子は、よくわかりません。
ただ月の位置を見て、西とか東を知るだけです。
そうこうしておりましたら、すっかり夜が明けて、手洗いとか、拝礼・食事・身づくろいなど、いつものことをしていると、お昼になりました。




