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いせかい!~人気最下位は現実世界に帰れない?神界で話題沸騰のJK5人組ほのぼのサバイバルリアリティーショー~  作者: 碧い月
はじまり!

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12/31

なかま!(1)

「ありがとう、ノノカちゃん、大体状況はわかったよ。気づかないうちにそんな危ない目に会ってたんだね、ごめん、私がもっとしっかりしてれば防げたのに………」


 ノノカが把握している情報を簡単に報告すると、このみは悔しそうに唇を嚙み締めた。


「このみ先輩のせいじゃないですよ、誰も気づかなったんですから」


「気づいてはいないという意味では同じでも、私なら例え気づいてても同じ行動を取った」


「どんなマウントなんですか!!それにそれ単に詐欺被害自慢でしかないですからね!?」


「えへへっ、私なんて普段から現実と妄想の区別がついてないので、平気です」


「うるるちゃん、それ平気な要素あるっ!?」


「はぁ、相変わらず君たちはかしましいな、ボクとしては会話が弾んでいるほうが取れ高が多くて助かるけどね。それで、わざわざボクを呼んだってことは聞きたいことがあるんだろう、このみ」


「うん、山ほど。でもその前に………」


 このみは一人会話から取り残されている少女の前にユウ、ノノカ、うるるを並ばせ、耳打ちする。


「な、なによ」


「皆いい?せ~の、助けてくれてありがとうございました!!」


 このみが木々の葉を揺らすほどの大声で礼を言い頭を下げると、3人も後を追うように礼をする。


「私達だけだったら、今頃こうやって会話できてなかったかも。なんてお礼を言ったら分からないけど、本当にありがとう。命の恩人だよ」


「ど、どういたしまして。まぁ、こんな程度のこと異世界に精通している人間なら、未然に防げて当然だしね。むしろ、引っかかるのが難しいくらいよ」


 少女の言葉にこのみが微かに表情を曇らせる。


「ははっ、面目ないな。それはそうと、さっきは自己紹介してくれようとしてたのに、遮っちゃってゴメンね。ちょっと畏まっちゃったから話しづらくて申し訳ないけど、名前聞いてもいいかな」


「もちろんよ。私の名前は桐生院きりゅういんなぎさ。『なぎさ』って呼んでくれて構わないわ」


「なぎさちゃんって言うんだ、私達は都内にある高校に通ってて、私は2年のこのみ。あとは並んでる順に同じく2年のユウ、1年生のノノカちゃん、うるるちゃん。同じ部活の先輩後輩って関係かな。なぎさちゃんは、見た感じ高校生だよね。よろしくね」


「……………嘘です」


 なぎさとこのみが互いに自己紹介を終えるや否や、うるるがポツリと呟く。


「どうしたの、うるるちゃん。このみ先輩は嘘なんて………」


「吉田桃子」


「う”っ”!!」


 うるるが今度はハッキリとした声でそう言い放つと、なぎさは肺を矢で射抜かれたかのようなくぐもった吐息を漏らす。


「うるるちゃん、何をいってるの?」


「彼女の本名です。吉田桃子」


「えっ………はあ?それってなぎさが偽名ってこと??なんで……………あっ、そっか、見知らぬ4人組にいきなり名前聞かれたらビックリしちゃうよね。ゴメン、もっと仲良くなってから聞けばよかったかな、あははっ」


 このみは何故かしどろもどろになりながら、会話が途切れないよう必死に言葉を紡ぎ、言葉に詰まるとその空白を埋めるように笑った。


「あっ、いえ、違います。私たち中学も高校も一緒なので、顔見知りです」


 またしても停止する時間。


「えっ、ということは私たちの後輩!?そ、そっか、うるるちゃんの友達だから、ちょっとしたジョークだったんだね、ゴメンゴメン真に受けちゃって」


「あっ、ジョークじゃないです、桃子さん、学校でも今は『なぎさ』って名乗ってるんで」


 うるるがそう言うと、このみは目を白黒させ、口をパクパクと金魚のように動かした。


「………ゴメン、ユウ、なんとかして」


「無理、面白いから。虚言癖VS口下手の夢の対決、まさか異世界でこんな好カードが見られるなんて………立会人の責務として決着がつくまで見届ける」


「虚言癖とは失礼ね!!今は性別だって年齢だって自由に選べる時代なのよ、自分の本当の名前くらい自由に決めて、なんの問題があるって言うの!?」


「えっ、でも、クラスデビュー失敗する度に改名されるのは本当の名前じゃないような………中学の時は時任ときとうあざみ真宮寺しんぐうじ琴葉ことのは冷泉れいぜいしずくって名乗ってたし、昔の名前で呼んでも反応しないせいで私と同じボッチだったし………」


「ボッチじゃないわ、孤高と呼びなさい、孤高と!!それに、捨てた名に意味はないわ。躯が土に還るように、持ち主の失った名は、記憶とともに埋葬される運命にあるの」


 二人のやり取りにユウは笑いをこらえながら地面を叩いた。

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