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いせかい!~人気最下位は現実世界に帰れない?神界で話題沸騰のJK5人組ほのぼのサバイバルリアリティーショー~  作者: 碧い月
はじまり!

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こんびに!!(3)

「すいません、いきなり。まずはお礼を言うべきですよね。助けて頂いて、本当にありがとうございました。もしよろしければ、お名前を教えて頂けますか」


 ノノカは深々と頭を下げ礼を述べると、少女に問いかけた。


「あ、あなたと私の仲じゃない、礼には及ばないわ!!」


 少女は顔を逸らしながら早口で言った。


「えっ、ひょっとして私達どこかで会ったことが………」


「ふっ………ふふふっ、ど、どうやらまだ意識が混濁してるようね。いいわ、北大西洋より広い心をもつ私はこの程度のことで動揺しないもの。そうね、貴方が思い出す前に教えてあげる。よーく聞きなさい、私の名前は………」


 少女は大きく息を吸った。


「あれ…ノノカちゃん、誰と話してるの?私なにやってたんだっけ………う〜、頭が痛い」


「このみ先輩、大丈夫ですか!?」


「……………早いお目覚めね。無事なようで、安心したわ」


 心配そうな面持ちのノノカの隣で、少女は胸を張りクイっと顎をあげるようなポーズを取った。


「ノノカちゃん、その人はお友達?」


「いえ、違います」


「ぐはっ!!」


 ノノカが関係性を否定すると、少女は反り返っていた背中を丸め、胸を抑える。


「うーん、いま間抜けな断末魔が聞こえたような…」


 うるるはまだ寝足りないといった様子でモゴモゴとしていたが、自分が寝転んでいるのが地面だと気づきノッソリと立ち上がり、服についた土をはらった。


「アメコミの擬音みたいな、わざとらしい響きが込められてた。というか実際にぐはっ、って言う人間見たの初めて。天然記念物的存在。元の世界に連れ帰って売り飛ばせば一儲け出来そう」


 ユウは二日酔いのサラリーマンのように顔をしかめながらこめかみを右手で抑えると、目を細め少女を観察する。


「ユウ先輩、うるるちゃん!!良かった、全員無事で…」


「あっ、無事を祝われてるってことは、不穏なことがあったんですね。ううっ、おかしいな、たしか、からあげクンを買い占めて家で豪遊する途中だったような………」


「私と同じ夢を見てたんだね、夢から覚めてよかった」


「私はせっかく政府の方から来た人に、絶対当たる宝くじを売って貰えるチャンスだったのに、途中で起こされて千載一遇の好機を逃した」


「ユウ先輩も、それが夢で本当に良かったですね」


「失礼な、現実だったら今頃ドバイで札束風呂に入ってた。視聴者もサービスシーンがカットされて不満顔なはず。ところで気になってる事があるんだけど………」


 ユウはツカツカと少女の側に近づく。


「な、なに、やっぱり私が気になるってわけ?分かったわ、教えてあげる、私の名前は………」


「さっきから頭の上に出てる、このアイコンみたいなの何?ビックリマーク感ある」


 ユウは少女の頭上に浮かぶアイコンを指先で連打する。


(ミッションクリア:初めての戦い)

(クリア報酬による経験値獲得、レベルアップ1→2)

(クリアポイント獲得:+5、累計5ポイント)

(実績解除:スキルが解放されました。ステータス画面から詳細を確認できます)


「ふむふむ、私たちの預かり知らない所で異世界初戦闘が終わってた模様。このみにも同じアイコン出てるけど、私にもある?自分じゃ見えない」


「あぁ、ユウにも出てるけど、その前にこの子の話を…」


「そんなことよりお腹すきました。近くにコンビニ無いですかね、からあげクン欲しいんですけど…」


「またアイコン。これはクラス解放。自分の職種クラスが選べるらしい」


「ちょっと、話を聞きなさいよ!!私の名前は…」


「あっ、あっちから揚げ物の匂いがします、行きましょう」


「うるるちゃん、今はあの子の話を…」


「そう言えば、このみ先輩はどんな夢みたんですか?私すごく不気味な夢を見たんです。明らかに罠っぽかったんですけど、不思議と抵抗する気になれなくて…」


「ノノカちゃん後から聞くからね、とにかく一度あの子の話を…」


「私の名前は…」


「クラス選択は一大イベント。慎重に検討する必要がある」


「あの、皆さん準備できたら、そろそろコンビニに…」


「………………かに」


「蟹?このみ、どうしたの、蟹が食べたいの?いま忙しいから、そういう話なら後に…」


「静かに…」


「えっ?」


「静かにしなさいっ!!!!!!お口チャックで1列に並ぶ!!!!!!!!早く!!!!!!!!!」


 雷鳴のような怒声に、一同は無言で列を作り背を伸ばす。


「アールピー、いるんでしょ。出てきて」


 しばしの沈黙。


「やれやれ、ボクがこの場を収めるのはやぶさかではないけれど………」


「お口はチャック!!!!早く並ぶ!!!!!」


 このみの言葉が途切れるよりも早く、少女の列に真っ白なマスコットが加わり、ピンと背筋を伸ばした。

 その口には、どこから取り出したのか、白地に真紅のバツ印が施されたマスクが付けられていた。

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