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祝!双子懐妊ご報告

活動報告でもご報告しましたが、

この度この作品が第5回集英社WEB小説大賞にて

『大賞』をいただきました。この快挙は偏に読んでくださった皆様、ポイント、ご感想などで応援くださった皆様と、誤字報告などでご協力くださった皆様のおかげでございます。この場にて再度、何度もお伝えいたします。本当にありがとうございました!!


以前よりご要望いただいていた双子懐妊ご報告回です。




「なっなっ…なんですってぇーーぇーぇー!!!!」


 エメリアーナの爆声がヴェントラー公爵家全体に響き渡る。クリスティーナは息子アルヴィンの耳を、ハリーはクリスティーナの耳を塞いで満面の笑みである。


 ヴェントラー公爵家とブロワ伯爵家、両家が集う恒例の食事会の席にてクリスティーナより食後のサプライズが発表されたのだ。

 勿論隣にはアルヴィンを抱っこしている執事のハリー爺やが、ドヤ顔を隠そうともせずに控えていた。


「クリスティーナ!ほっ本当なの?貴女…貴女二人目って」

「はいっ!お義母様、驚かれました?」


 この三ヶ月ハリーが本気で任務にあたったのだから情報が漏れる筈もなく、誰一人気付いた人間はいなかった。


「やったわ!ハリー爺や、大・大・大成功ね!」

「はい、若奥様。私めも頑張った甲斐がございます」


 エメリアーナ以外声も発せずにいたが、ようやく理解出来たのか、椅子から立ち上がりクリスティーナを褒めて、讃えて、抱き締める男達。


 ハリーからアルヴィンを奪い取ったエメリアーナは、アルヴィンから見えない様にハリーをジロリと睨みつけ…


「いくらおめでたい事とはいえ、わたくしに隠し事をした事は許さないわよ!覚悟するのねハリー」


 エメリアーナの脅しにもニコニコ顔のハリー、ハリーからしたらエメリアーナがどんなに怒って声を荒げていても愛おしいのだから仕方がない。

 エメリアーナにしてもハリーの感情や性格が見えるからこそ信頼をしており、二人には二人の歴史があるからこそだったのだが……


「お義母様!私がハリー爺やにお願いして、約束で縛ったのです!驚かせたかったのもですが…実はお医者様から、最初心音が小さ過ぎて無事に育つかどうかと診察され…お伝えして心配をかけてしまうのではと……」


「今、すぐに、その医者をここに呼びなさい。よくも…よくもわたくしの義娘むすめにそんな事が言えたわね!そんな診断を下した事を後悔させてあげるわ!」


「おっお義母様っ!今はもう安定しておりますから、発見が早過ぎたのです!それで…あの」


「クリスティーナ、落ち着くんだ。…大丈夫か?辛い時期は?さぁ座って俺を見て」


「フェルベール様…ありがとうございます。辛い時期は気付かない内に過ぎ去ったので大丈夫なのです、ただ…その、もう一つご報告があるのですが聞いてくださいますか?あ!もちろんお義母様もお義父様達も」


「クリスティーナ、大丈夫よ。ほらアルヴィンもこんなに機嫌がいいのだから安心なさい。大抵の事は私がどうとでもしてあげますからね?」


「はいっ!ありがとうございますお義母様、とても心強いです。実は…わたくしのお腹には双子の赤ちゃん達がいるそうです!」



 今度こそ公爵家が揺れた……。

素早いハリーがアルヴィンの耳を、クリスティーナは自分の耳を塞いだ。が、その振動が伝わったとか伝わらなかったとか……。救いはアルヴィンが始終キャッキャとご機嫌だった事だ。




〜笑えよ笑え愛しい子 眠れよ眠れ愛しい子

  お日様の様にあなたを照らし 

       お月様の様にあなたを見守るわ

    ずっとずっといつまでもあなたが一番大切よ〜



 夜、夫婦の寝室に置かれた小さなベッドで眠るアルヴィンに子守唄を歌っているクリスティーナ。フェルベールが部屋に入ってきてクリスティーナの隣に座りアルヴィンの頭を撫でながら、


「クリスティーナ、改めて俺を父親にしてくれてありがとう。その上更にまた楽しみが出来た。この子にもきょうだいを与えてあげられる事は素晴らしい事だと思う……。最高のプレゼントをありがとう」


「フェルベール様?わたくしも守るべきものが沢山増えて嬉しいのです。貴方と出会った頃のわたくしは自分の事さえも守れず俯いてばかりでした…。

でもそんなわたくしを強く、美しく…フフ。そして母としての強さを持てる事が出来たのはフェルベール様…貴方がわたくしを見つけ、受け入れてくださったからなのです。なのでわたくしもフェルベール様とアルヴィン、そしてこの子達にも沢山感謝していますからね?」


クリスティーナがお腹に手を当て…涙を浮かべながらフェルベールにそう伝えると、フェルベールは静かにクリスティーナを抱き締めて呟いた。


「もっと…これからもっと幸せになろうみんなで…」



晴れて澄み切った夜、輝く月と満天の星……。時折その星達が公爵家の上をキラキラと祝福する様に流れていくのだった……。







 




実は…この作品は書籍化に伴い大幅加筆となります。なので今回の特別編の内容もそちらに収録する予定だったのですが…どうしてもどうしても投稿したい理由が出来たので急遽作り上げて投稿させていただきました。


切なる願いも希望もきっと、きっと叶う!

あなたの大変さ、辛さ、頑張りも必ず届いてほしい!

大丈夫なんて無責任な事は言えないけれど、あなたに寄り添いたい、分けれるものがあれば分けて欲しい。


このお話が、どうか少しでもお心の気休めになる事が出来ればと……。何も出来ない私ですが物事が少しでも好転し良い方向に進んでいく事を心から願い祈っております。   雪原の白猫より愛と心からの願いを込めて

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大奥様とハリー爺やの掛け合いで思わずクスッと笑ってしまいました。 ハリー爺やの隠す気のないドヤ顔!悔しそうな大奥様の顔が目に浮かびます。 幸せに溢れていて素敵なお話を読ませて頂きありがとう…
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