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エピローグ 〜伯爵家にて〜

完結投稿しましてなんと、なんとっ!この作品が、異世界恋愛日間完結部門で3位にランクインしておりました!これもひとえに読んでくださった皆様方のお陰と、どんなに感謝しても足りない程です!本当に夢みたいで…。

加えて感想をくださった方、誤字脱字の報告をくださった方、全ての方に心からの感謝を捧げさせてください。本当にありがとうございました。

※特にお名前は控えさせていただきますが、『。」』←これのご指摘、お恥ずかしい話ですが本当に助かりました!お手間をかけてくださりありがとうございました。

本来であれば活動報告の場でするべき内容かと思いますが、私の報告よりも…こちらの方が確実に皆様のお目に留まると思い、こちらでの感謝を述べさせていただきました。


作者の力量不足で書き足りなかったシーンや、ご要望いただいたそれぞれのキャラ達のその後などを追加いたしましたので、お付き合いいただければ幸いです。


長くなってしまい申し訳ございませんでしたが、それでは続編をお楽しみください。

 

 カラカラカラ…


「あの…フェルベール様?…わたくしなら…もう大丈夫なので、向かいの席に戻りますね…」


「何を言ってるクリスティーナ、これは不測の事態に備えているだけだから気にしないでくれ」


なぜ…こうなった、…さかのぼらなくともついさっき、馬車が急停止したのだ。しかし流石は公爵家…馬車も御者も一流なので衝撃も無く「申し訳ございません、小動物が横切りました…お怪我はございませんか?」と言う御者の声に(この状況でどう怪我をするの?)と逆に突っ込みたくなるが、次の瞬間ある意味別の衝撃に襲われた…。


フェルベールがクリスティーナの横に座り腰をホールドしたからである。

そして冒頭での会話となるのだが…フェルベールは止まらなかった…。


「クリスティーナ…嫌…なのか?」


「いえっそうではなく…その、この様な状況に慣れておりませんので…少しだけ距離を…」


「良かった!嫌ではないのだな?…では慣れてくれ!これから伯爵に二人の婚約の許可を貰い、婚約者となれば…以降君の指定席はここになるのだから」


そう宣言すると、とても嬉しそうに自分の膝をポンポンしているではないか…


「…っ!!なっ、なっ……(なぜそこっ?)」


(会場でも感じたけれど、フェルベール様がどんどん甘く…強引になっているわ!私の名前だってそのまま呼んでらっしゃるし、婚約のお話も本気のご様子…って待って……とっという事は、私はこの方と婚約するのっ?

でもっそれならブロワ家よりもまず、公爵閣下に…いえ、エメリアーナ様にお伝えしないと……)


「クリスティーナ、大丈夫。何も心配しないでいい、クリスティーナの母君ははぎみの分も君を見守り、大切に育ててきてくれた伯爵に一番に報告し…許可を得るべきだと思ったんだ。それにな、母上に先に報告したら…自分もブロワ家まで一緒に行くと言いかねないだろう?……あと、その…少しでも早く、婚約という約束と…君との繋がりが欲しいんだ…。正直に言うと実はこれが一番の理由なんだ…余裕なんて無くて、格好悪いだろう?……」(シュン…)


「ングッ!………」

(近距離でそのお顔は……あ、コレ無理なやつ…)


「クリスティーナ?っ!?おいっクリスティーナ!」



伯爵家に着き、失神したクリスティーナをベッドで寝かせて、俺と伯爵は応接間にて、今後の事について話し合っていた。ちなみに伯爵家の影には前もって、伯爵への報告はあの二人の事だけで…俺が婚約を申し込んだ事は伏せさせていた。

自分の口で伝えたかったから。なのだが…先程から伯爵の視線が刺さり、地味に…痛い……。


「フェルベール卿、会場での事は概ね理解しました。心配していたクリスティーナも、落ち着いていたと報告があったので、これに関しても貴方様のお陰と感謝しております。しかし…そうなると、一つ疑問が残るのです。屋敷に戻る道すがら…クリスティーナが意識を無くすほどの何があったのか?という事です。これについてもご説明いただけますか?」


フェルベールはてのひらに汗が滲み出たのを感じたが、そのままグッと握り締め覚悟を決める。


それは初めて二人が対峙した時と、全く逆の状況であった。


シン…と緊張が走るが、ランドルフが先に口を開く。


「フェルベール卿…私は、妻亡き後…掌中のたまとしてクリスティーナを大切に育ててきました。しかしそんな娘の長年の苦しみに、気付いてやれなかった大馬鹿者でもあります。あのまま、あのマルゲス(下衆)を婿にしていたらと思うと…妻に顔向け出来ないところでした。

しかし娘は変わった…この半年で信じられない程に。


何度も申し上げますが、ひとえに公爵家の皆様のお陰です。特にフェルベール卿…貴方様は他人の機微きびに聡いお方だとお見受けしております。そんな貴方様があの子を遠ざける事なく、助けてくださったのには…何か理由があるのではないですか?」


「…っ!…伯爵、実はその……クックックリスティーナ嬢を私にくださいっ!・・・・あっ!いやっ…あのっ、……婚約を結ばせて…いただきたいのです…」


「ブハッ!いやっ、これは失礼しました。貴方様でも緊張なさるのだなぁと身近に感じたものですから。

ん、んん、では改めまして…私ランドルフ・ブロワはフェルベール・ヴェントラーと我が娘クリスティーナ・ブロワの婚約をここに認め、亡き妻ビオレッタに宣誓いたします」


「伯爵…いや、ランドルフ殿!良いのですか?…いや、感謝いたしますっ。しかし…あの様な事があったばかりなので、反対なさるかと……」


「フフ…この数ヶ月、娘を見てればわかります。

娘を…頼みますよ。…なに、うちなら心配いりません…実はマルゲス(下衆)の件から親戚筋で優秀な人間を探しておりましたので、今からでも十分間に合います。

しかし私は貴方様ならば婿入大歓迎ですのでお忘れなく。

ただ…私共は公爵閣下の判断に従いますので…この婚約が反対されたならば娘の事は諦めて、ご自身の幸せだけを一番にお考えください。娘もブロワ伯爵家も、公爵家の更なる繁栄と貴方様のお幸せを、常に…この身がどこに在ろうとも…それだけを変わる事なく願っております」


「っ!ラ…ランドルフ殿!いやっお義父上ちちうえっ」


「うん、義父それはまだ…早いかな……」


「私は父が反対しようとも、いやうちは皆クリスティーナが好きだから反対などあり得ないですが、

ブロワ家の宝であるクリスティーナを必ず守り、誰よりも幸せにすると誓います!」


「それを聞いて安心いたしました。我々は同志ですな」


クリスティーナを愛する男二人が、固い握手を交わす中、少し離れたドアの外にいたクリスティーナは、愛される幸せを噛み締め涙を流していたのだった…。



マルコムの時は…意図せず聞いてしまった会話で、傷付き絶望したが、図らずも同じ状況に立つクリスティーナの今は、同じ涙でも喜びと幸福に包まれ…顔を上げ前を向いたその先に、愛しい人達の笑顔があった。




≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡一方その頃公爵家では≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡



婚約に関する書類から立会人、教会、披露パーティーに関する事が次々と準備されており、それらは勿論…報告を受けた夫人によって、迅速にそして着々と進められていた。


「ハリー!聞いてちょうだいっ!明日は絶対にクリスティーナに『お義母様かあさま』って呼んでもらうのよ〜」


「奥様っ気が早うございます!私めも嬉しゅうございますが、その様な伏線フラグ…口にしてはなりません」



盛大に屋敷を飾り付ける様子は、使用人達も誰一人不満も言わず大盛り上がりで…夜が更けるまで行われたのだった。


ただ…皆それぞれが盛り上がり過ぎていた為…人知れず屋敷に帰宅していた公爵閣下が、リボンを手にウロウロしていたのは……ここだけの話。







次回は公爵家での一幕です。


ちなみに…

公爵閣下は作者の好みがダダ漏れです。エヘッ( ˙꒳˙ )ノ

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