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楽しくお風呂

「あ、いけないいけない、忘れてた。クロエ、ちょっと冒険者ギルドの商店まで来てくれる? ここまで揃ってるなら良い物が手に入るでしょう」

「ん? わかりました」

「エドー、お金貸して」

「え? ――ああ、なるほど、わかりました。ちょっと多い方が良いですね」


 といってクロエさんを連れ出すソフィア。まあああいうのはコーディネーターソフィア様が一番ですよ。


 数刻後


「じゃじゃーん、買ってきたわよ、旅の装備と一般街を歩くときのお洋服」

「お疲れ様ですソフィア。我々じゃわからないので」


 で、ソフィアによると


 旅用の装備はあんまり変わらない。首元すぐまですぼまっている白くて装飾が良いカットソーに緑色のスカート。茶色い山岳ブーツに黒のレギンス。緑色で裏地が赤い生地厚めのフード付きクローク


「普通の服だけど『防護の効果付与』がかかってるわ。摩耗にも強くなるわよ。レギンスが使えるレベルまで文明度が上がったからここからはレギンスを使うわ。スカートの中はこれで見えないわ、良かったわね、フィー」

「助かります。多めに渡して正解ですね」

「んで出歩く服はー」


 着回しとして使うけど白いカットソー。それに赤色の装飾が凄く綺麗な膝下スカート。ハイソックスにローヒールのパンプス。


「こんな感じ。ごちゃごちゃさせすぎると旅に支障が出るから着回したり、軽い物にしたりしたわ。と言っても街を歩くやつは生地が厚いわよ。これでワンピースを高貴な人専用に出来るわね」

「確かに外歩きでもここに来るまでもワンピース着ていましたからねえ。洗える物じゃありませんから物を綺麗にするスキル『クリーンアップ』かけて、しまっておきましょうか。


 クロエに着替えてもらい、ワンピースに『クリーンアップ』を掛ける。見違えるほど綺麗になった。やっぱ汚れちゃっていたんだなあ。


 街歩き用のお洋服に着替えたクロエさんは、どこかのお嬢様かなというくらいに綺麗だった。どこに出しても惜しくない。


 そんなことをしていたら宝石を受け取る日になったので受け取りに向かう。


「こちらが装飾を施した商品となります」


「わー綺麗ね! クロエに取り付けましょう、はい、エド」

「私がやるんですか」

「お前舐めんなよこういうのは男性に取り付けて貰うのが普通だろうが!! 殴るぞ!!」


 ということでペンダントの後ろの部分を取り付ける。戦闘でも落ちないように凄くしっかりしていてちょっと難儀した。


「どう、ですか?」


 わあああ、と歓声が上がる。

 ちょうど胸が膨らむ所に挟まっていて、凄い荘厳で華やかさが目立つようになっていた。翡翠色の目との対比も凄く良い。


「これなら隠そうと思えば服で隠せるわね。胸のトップとかに配置されたら違和感バリバリで駄目だったかも」


 感謝を言い、退店する。住む魔法は後々掛けるそうだ。発色が良くなるとのこと。


「これで準備は整った。一週間ほど遊んだし、皇帝陛下に会いに行こうか」


 首都に向かう馬車に乗る。ここまで鉄道馬車が敷かれているのに、首都へは普通の馬車を使うみたいだ。進軍を恐れてなのかな? そんなの鉄道馬車の馬車を壊しちゃえばいいと思うんだけど。まあいいか。


 宿場町を何個も経由して首都へ向かう。酒場の食事が一度悪くなった後どんどん良くなってるのを見て、近づいているんだなというのがわかる。


 そうして首都に着いた。デカい。飛ぶスキル『フライ』をして上空から観察する。何十万、いや、城壁の外に住んでいる人を含めると百万人は住んでいるのでは無いだろうか。

 ひっきりなしにデカい積載馬車が出入りし物流を支えている。

 首都の周辺は広大な農場が広がっている。これでも足りなくて他の都市から輸入しているんだろう。いやはや、凄いな。


 じゃあ入ろうか、と、城門をクロエさんが通る際にビーと警告音が鳴る。衛兵がやって来て、「えーと、皇帝陛下との面会か」、とブツブツ言っている。


「あークロエ様ご一行は真っ直ぐ宮殿へ向かうように。一切合切そこで準備するとのことだ」


 馬車に乗せられて宮殿へ向かう。その宮殿も素晴らしく、崇高さを感じさせるほどだった。


 馬車から降りると執事がやって来て「クロエ・レイノルズ様ご一行ですね、こちらへどうぞ。妖精と精霊は宮殿内は召還できませんので注意を」と案内する。

 案内された場所は控え室だった。


「まずはお風呂に入って体を洗い流して下さい」

「我々は昨日も宿場町でお風呂に入っているが」

「専門の係員がおりますので、綺麗になさって下さい。それと、皇帝陛下が好きなブルーマリンの香り付けをしたいので」


 めんどくさ。まあお風呂に入れるのは良いか。クロエさんと別れて男女別の浴室と進んでいく。

 浴槽は銭湯みたいな形だった。火を入れ続けられないとこの仕様は維持できない。文明度が高い。

 そして綺麗な女性が数名待ち受けていた。


「私達が洗うのを担当する物ですわ」

「はあ。ではよろしく」


 まずは暖かい銭湯に入ってよく皮膚をふやかす。

 その後に女性達が体を洗ってくれるが、かなりいやらしく洗う。胸を使ったり、お尻を使ったり。

 まあ悪いが賢者の私では一切反応しないが。ただ、クロエさんが気になるな。

 よくよく考えると私が反応するのはクロエさんくらいだ。うーん、賢者として認めてはいけないのだが、特別感があるんだろうな。


 それで、洗って貰って香水を軽く吹き付けられた後、タキシードスーツに着替えさせようとする。こんなの既にあるなんて。二千年前に崩壊した文明は、現在復興中なのかもしれないな。


「私は賢者なので賢者のローブが良いのだが」

「洗濯しておりますわ。汚れが酷かったので」


 あーあ。あれは防寒防熱に次いで防汚もついてるし、完全耐水もついているのだ。ああいう物なんだよ賢者のローブって奴は。ボロボロのボロになったら賢者の里である中央世界樹に行って取り替えるんだ。賢者については無知だなあ。


 しょうがないからタキシードを着る。

 それに合わせて髪型も整えられた。ボサボサだったからこれは良いか。髭は剃っていたが剃り直された。皮膚が痛い。


「我が皇帝陛下にお会いするときは、右腕を胸に、左腕を高く水平以上にあげ、左膝を引きます。このように」


 執事が実演する。真似してやったが実際どうだかな。


 ようやくクロエさんと再会する。非常に綺麗な白いドレスを着ていて、見とれてしまった。だが。


「まて、翡翠のペンダントはどこへやった? なぜダイアモンドのネックレスをつけている?」

「あれは価値が低いので皇帝陛下と会うには不十分です」

「はあ? あれは国王から賜った王女の証であるぞ(嘘だが)。あんなに大きな宝石がこの国では取れるというわけだな。もっと巨大な翡翠を持ってきて貰おうじゃ無いか。そして妖精女王の寝床でもある(まだやってないが)。ふざけるな、もってこい!」


 私の威圧に圧されたのか、女執事が慌てて持ってくる。


「ソフィアを呼び出せるか?」

「え? あ、はい。ソフィアー」


 最近は仲が良いからこの程度でも飛んできてくれるようになった。親密になるのは良いことばかりだな。


「ちゅ。で、どうしたのこんな時に呼び出して。ここじゃ私いちゃいけないんでしょ」

「いきなりで悪いが寝床の魔法をかけて貰って良いか。箔がたらんとのことだ」

「良いわよ。お家魔法ハウス!」


 ただでさえ綺麗だった翡翠が、煌めきを放つようになる。光るところが変わると、光る色も変わる。艶も、もの凄い。とんでもなく貴重な翡翠だと、傍目にもわかるだろう。


「文句ないな?」

「……ございません」

「では準備は出来た。後はそちらのタイミングだ」


 私いていいの? 等と聞きながらも寝床で寝る気はないソフィア。


 さてと、ご面会の時間だ。

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