知らない方がいいってことはあるよな?
「うんんん・・・」
俺は意識を取り戻した。頭には枕がからだには布団がかけられていた。
「これは鹿草さんがかけてくれたのか?」
感謝しないとな・・・隣から音がするな。彼女がいるのか?っは!こういう展開荒川から借りた漫画で見たことある気がする。こういう時裸又は下着になっているパターンだな。これ以上嫌われないためにも急に行ったりしないのだ。
「今、いいか?」
こう声をかければ、仮にお約束の場面でも彼女が服を着れる時間をとれるというものだ。
「むぐっ」
むぐっ?変なリアクションだな
「大丈夫か?」
「・・・」
声がしない・・・どういう状況なんだろ?
「入っていい?」
「・・・」
まだ声がしない。心配になってきた。
「ごめん、入るな」
入ってみると青い顔でお腹を膨らませている鹿草さんがいた。
「・・・」
「・・・」
あれ妊娠しているわけじゃないよな?昨日?は普通だったし、それとも俺はかなりの時間眠っていたのか?でも彼女、俺が見た服着てるし違うよな?
「あの・・・ごめんなさい」
なんで今謝まれたんだ?増々この状況が理解できなかった。
「あなたの・・・食べちゃいました」
俺の何を食べたんだこの娘は?思考が停止状態になってきたところ鹿草さんがお腹から出してきたのは、大皿にのせられていたカエル肉だった。
「あっ、それ食べたの?」
「気絶したときに運ぼうとしたんですけど、私の力じゃ運べなくて、せめてと枕と布団やったんですけど、眠くなって寝てしまって、数時間後に起きて、工藤さん見てたんですけど、お腹が鳴ってしまって、私ここに連れて来られてから何も食べてなくて、あっ水は飲んでたんですよ。水は飲まないと死ぬって知ってましたから。でその後トイレに行きたくなって簡易トイレ購入したらポイントがなくなって途方にくれていたところクマに襲われて」
何か聞いちゃいけない話までしているよ
「わかった。別に怒ってないよ」
「本当ですか?」
「ああ、それよりその肉は・・・」
「これ、焼き鳥ですよね?」
「えっ?」
「私焼き鳥好きなんでつい我慢できなくて・・・」
焼き鳥好きなのにカエル肉を鶏肉と間違えているよ。
「お腹いっぱいになった?」
「あっ、はい・・・」
これはまだ食べたいんだな。
「いいよ好きなだけ食べてくれ」
「いいんですか?」
「腐らせて食べられなくなったらもったいないし」
「そうですね。鳥さんあなたの犠牲は無駄にしません」
鳥じゃなくてカエルです。
「工藤さんも食べます?ここ電子レンジあるので温められますよ?」
「じゃあ、お願いしようかな?」
「はい」
楽しそうにレンジに向かう彼女を見てカエル肉だということは一生黙って行くことにした。