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なんで助けなかった?

「はぁはぁはぁ。ドアが自動で助かった・・・」


セーフティゾーンは大形モニターに白いソファー、『料金所』と『質屋』と書かれた受付所があり、さら奥に扉があった。


「あ、あの・・・」


「あっ、今降ろすね」


鹿草さんは降ろした。


「・・・」


「・・・」


気まずい・・・。


「こんにちは、06031、10341」


「「⁉」」


いつの間にか俺たちの背後にスーツに犬の被り物した人物が立っていた。


「何者だ?」


「私はシェパード。哀れな君たち羊の導き手だ」


こいつの声ボイスチェンジャーを使っているのか。


「導くってことは俺たちをここから脱出させてくれるのか?」


「残念ながらそれは無理だ」


だろうな。こんなところに連れてくる連中がそう易々と逃がしてくれるわけないよな。


「でも脱出する方法は教えてやる」


「なんだと⁉」


シェパードは時計型端末で地図を出した。


「この島にはいくつか剣と槍のマークがあるだろ」


知っている。危険地帯だと思って近づかないようにしていた。


「ここにはそれぞれ試練が待っている。命を失うかもしれない試練が・・・」


それを聞いた鹿草さんは俺の服をギュッと握った。


「この試験を見事クリアできたら、君たちはこの島から脱出できる」


「本当か?」


「シェパードは羊の導き手。だから羊を貶めることは言わない」


ふざけてやがるな。


「その試練とやらをクリアしないとずっとここにいるのか?」


「いや、右上をよく見てみろ」


言われた通り右上をみるとかなり小さい数字があり、129;24;38と見えた。


「このカウントダウンなんだ?まさかこれが0になるまでに試練をクリアしないと死ぬのか?」


「いや、そんなことない。シェパードは羊を導くのであって殺す存在じゃない。カウントダウンが0になったところまで生き残れたらそれもクリア扱いになる」


「そうか。それはうれしいな」


こいつと話しているとぶん殴りたくなるな。しかし0になったら解放されるのか。ここにずっといて時間がくるのを待てば・・・


「ちなみにここにずっといるのは不可能だ」


⁉心を読まれた。


「なぜだ?」


「これだ」


シェパードは電光掲示板を指さしそこには『初回無料』『休憩300ポイント』『宿泊1000ポイント』と表示されていた。


「休憩、宿泊ってラブホかよ」


「ふっ、ここはカメラがないから別にやってもかまわんぞ」


「「なっ」」


「ち、違う俺は・・・」


「あうぅぅぅ」


鹿草は下を向いていた。


(やばい、気まずすぎるどうすれば・・・ん?監視?)


「・・・今カメラって言ったか?」


「ああ」


「カメラはたくさんあるのか?」


「固定もあるし、羊を追いかけるカメラもあるが?」


「なら、荒川がクマに襲われている時もか?」


「ああ、そうだが?」


「なら、なんで助けなかった?」


死ぬ前にこいつが助けに入ったら助かったはずだ。


「シェパードはあくまで助言をするだけ。介入はしない。それが羊が死ぬことになってもな」


「コノヤロー」


俺はシェパードを殴ろうとした。


「躾のなっていない羊は体で覚えさせるしかないな」


「ぐはっ」


あっさり避けられてカウンターを食らった。


「ちくしょ・・・う・・・」


「工藤さん・・・工藤さん・・・」


鹿草さんの声が段々遠くに聞こえてながら俺は気を失った。

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