プロローグ
『世界を救う』
そんなものはゲームの中だとか妄想の中での話
少なくとも俺にとっては至って身近で、かと言って永遠に触れることの無い画面先にある話でしかなかった。
もし俺がそんな立場に置かれたら…。
そんな茶番に夢を膨らませて、時々自室で、道で、人のいない所で派手に発散しては、時々誰かに見られて生暖かい視線に死にたくなって、時々思い出しては、やはり死にたくなる。
誰かが言っていた。
「このセカイじゃイカれたヤツほど強えんだ」
今はその言葉に感謝しよう。
手の届く範囲でいい。
そう言い聞かせて伸ばしたこの両手は、いつの間にかその「世界」とやらにまで届いていた。
イカれてなければやっていけないの間違いじゃなかろうか?いや、正常ならとうの昔に死んでいたか。
最終的に強烈な自己嫌悪しか産まなかったそれのお陰で、今じゃ沢山のものがこの手に溢れている。
誇らしい気持ちと同時に、少し怖い。
届いた先の、「世界」とやらの重さに、流石に萎縮してしまう。
それでも――
――ぼーやは、どうしたい?――
一歩目を踏みしめる。
最初は意味は分からなかった
分からないままだけれども
何となくわかった
まるで魔法のように
まるで呪いのように
踏み出すために十分な言葉だった。
初めまして、見切り発車の駄文拙文自慰小説ではありますがお付き合いいただけると幸いです。
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