6.ザグレ、お前もう女たらしやめろ。(懇願)
タイトルがガチで思い浮かびませんでした。
誰かいいタイトルを感想欄にて書いて投稿してください…(しれっと感想の宣伝)
『いや新タイトル思い浮かばんけどそのタイトルは駄目だろ』って人がいたらこの話のタイトルは『アンハッピーソルトデッドVS過去手帳』となります。
(P.S.やっぱりヤバいと思ったので変えました)
というか話変わるけどもう最近一ヶ月に一回投稿出来ればいいやってなっているんですがこれはシンプルに作者がネタ切れなだけです。
高校生活はシンプルに地獄ですが執筆できるくらいには余裕があります。
誰か『こういう展開が見たい!』とか『こんなキャラ作って!』とか思ってたら感想で教えて下さい(宣伝2回目)。
それでは本編どうぞ↓↓
Zagre side
「ちょっとの間だけでいいので、貴方とお話をさせていただける時間を取ってくれないでしょうか?」
自らを漣旭と名乗ったこの薄い朱色の髪の少女(見かけから早苗ちゃんと同い年辺りか?)は、俺の方を向きながらそう申し出た。
(…なぜそう言いながら滲み出てくる怨恨を露わにしているんだ?)
初めて会ったはずの彼女の不可解な行動は、しかしながらも否を言わせるわけにはいかないという思念が篭っている。
俺は拒絶感と義務感がしがらみながら、
「…俺とだけ、ってことだよね?それは別に構わないよ?」
…重々しくも承知した。
だが、行動する前に里帆さんが喋っていた。
「口を挟んでごめん、その…君はまだ未成年だよね?保護者の付き添いや許可とかがないとこういう場所には来れないんだ。だから後々に」
「黙ってください。今はあの人…双葉さんとお話がしたいんです。未成年だとか保護者なんか、今は全く関係ないんです」
余りにも丁寧な言い方で、余りにも冷酷な発言をした彼女には謎の強制力が存在し、里帆さんの忠告を食い止めるには充分に影響した。
…それよりも、『俺の名前を知っている』という点が俺にとっては恐怖ポイントとなるけどな。
「念の為訊いてみるけど、その話は俺と一対一で話したい?」
「ええ、そうしてもらえたらこうつ…嬉しいです」
「……了解」
…なかなかな少女である。俺の首を討つそのためだけにこんな大胆な行動を起こすとは。
俺はそう思いながら、近くの個室へと案内した。
(昔の話だけども、ヴァンパイアハンターはヒトとヴァンパイアの区別ができるニンゲンの少数精鋭隊と聞いたことがある。
今はハンターなんて存在しないだろうが…おそらく末裔か、偶々その能力を持ち合わせた正義感の強いニンゲンかの2択だ)
「…腰掛けなよ、それから話について聞くから」
「はい、では…質問から入ります」
「どうして、こっちに来たんですか?」
「!……危惧していたことの、まんま中心を通ってきたね…」
「逆にこんなに匂わせて、どんな質問が来ると思ってたんですかね」
…想像通りとはいっても、考えうる最悪の事態へと移行してしまったといった方が正しいだろうか。
まあどの道、俺がいつも女性関係のことで使っている「修羅場」ではない本当の意味での『修羅場』が起きてしまうのは目に明らかだ。
「分かった、正直に話そう。
向こうじゃ今の俺がやっているこの仕事なんか出来ない…というよりやろうとしないだろ?
ただ俺はどうしてもこの仕事がやってみたかった。
そんな目的のためにこっちに来た。たったそれだけだ」
「……こんなこと言うのもアレですが、愉快ですね」
「別に笑われてもいいよ。自分でも笑ってしまうような理由だもの」
…なんだ、この娘も気さくな部分があるじゃないか。
「ああ、それで双葉さんに会いに来たのはもう一つ理由があって」
と、話を転換するように彼女は咳払いを1つすると、
「何で私のお姉ちゃんに手を出したんですか?」
最初から現していた怨念をもう包み隠さずにこう言った。
「……は?待て…一切身に覚えがないが」
「嘘をつかないで下さい。ネットのことも含めて全てのことについて思い出して下さい」
「……いや、そう言われてもネット関係上で変なことはしてないし、今まで漣という苗字の人とは一度もあったことがないが…」
俺は全く記憶にない疑惑を掛けられている、ということなのか?
「…そもそもこっちの目的のほうが重要なのに。ヴァンパイアとかは二の次なのに…」
「…今まで疑惑を掛けてきた人に言われるのもアレかもしれないけど、力になれなくて申し訳ないな。その…君のお姉さん、おそらく行方不明なんだろ?」
「…?いえ、普通にお姉ちゃんは自宅でゆっくりしてるはずですけど?」
「え?」
〜〜〜
話を聞いてみたところ、旭の姉は中学1年の中ごろに突然引きこもりになってしまったという。
原因は当初分からなかったけども、姉思いの旭は必死に捜索をして、いじめが原因であることに辿り着いた。
…必死な捜索がどのように行われたのかはちょっと興味があるけど、今回は関係ないから割愛する。
ただ最近の彼女は、それだけの理由で引きこもりになっているわけではないという。
「ネットで…恋…?」
「はい、アプリ名は控えておきますがあるチャットアプリで証拠となるものを見つけて…」
と言いながらスマホを取り出し、ディスコー…あるチャットアプリをスクショした画面を見せてきた。
「……!……確かに、俺のことについて話してる…な」
「対話先の相手はMiyu。そしてこの子は東京ではない地方に住んでいて双葉さんに片思いしている。心当たり、あるはずですよね?」
Miyu…ki。
地方に住んでいる…長野。
片思い…「また会う日まで忘れないで」という約束。
「…図星で良かったです。最初からこれを見せれば納得してましたね。興奮すると我を忘れる癖が裏目に出てしまいました」
と言い、彼女の顔から初めて笑みが溢れた。
ただ、俺にはちょっとした疑問が残った。
「それで、気になることがあるが…このことについて教えてもらったことはいいとして、俺に何をさせる気なんだ?」
「もちろん、Miyuと絶縁してください」
表情を一切変えず、旭はそう応えた。
「私はお姉ちゃんのことが大好きで、お姉ちゃんの恋は成就させてあげたいんです。お姉ちゃんの幸せは私の幸せにもなるから。だからこそ、あなたが邪魔になるんです」
「お姉ちゃんは昔から独占欲が強くて、欲しいものは手に入れるのがお姉ちゃんのやり方だったんです。そういうところもお姉ちゃんを好きになっちゃう点ですけどね。それでたまたま今回のターゲットに好きな異性がいるものだからもちろんお姉ちゃんは略奪しようと思うわけなんですよね。実はお姉ちゃんは前から何回も略奪を行っていたんですけど自分一人の手柄で手に入れているって思い込んでいるらしいんです。いつかずっと昔から略奪は私が手伝っていたんだってことを教えて驚かせたいな〜って思ってる私もいて…ちょっと鬼畜かな?って思っちゃったりもしてるんですけどね。えへへ、お姉ちゃんのことについてだったらいくらでも喋ってしまえますよね。」
「あぁっと、それで双葉さんのことなんですが、今回は2つ選択肢を選んでもいいようにしています。あと今すぐ決めろってわけでもないです。2日後にまたこちらへ来るのでそこで教えていただければ。
1つ目はMiyu離れ。Miyuさんからどんなことをしてでもいいので突き放してください。そうすれば私からは何もしません。
2つ目は自首もしくは帰郷。そうしてもらえれば何事もなかったように全てが終わってくれるので私個人としては万々歳です。
他にも双葉さんから提案した案で私が納得できるような内容だったら私は心が広いのでそれも受け付けてあげます」
「お前さ…独断専行的って言われたことあるだろ。
何もかもが自分の都合通りに動いてくれると盲信していて都合の悪いものは自らが打って出て消滅させるとかさ…
大迷惑も甚だしいだろ」
「…双葉さん、今は私の提案について質問する、って時間ですよ。
感想を言う時間ではないですからね」
異常な子だ。度を越した姉第一主義の少女って言えば大体合っているだろう。
…にしても、この話が通じないあたりカナセを思い出してしまうな…
「あ」
そっか、いつもヤンデレ暴走状態のカナセをなだめるような感じで対応すればいいのか。
「旭ちゃん。俺と深雪さ…深雪とは別れる際にまたいつか会おうねって約束をしたんだ。その約束をこっちから一方的に破るなんて非常識と思わない?」
「そのことについては知っています。それはどの道破れてしまうことなんで仕方ないです。」
「無理っていうことは察しているから切れないでほしい。その約束を旭ちゃんとお姉ちゃんとの間で決めた約束だって想像してほしい。」
「…つまり、私とお姉ちゃんの間で決めた約束を、どうしてもって理由で破れってことですか?」
「その通り」
「嫌に決まっているじゃないですか。お姉ちゃんが私のために待ってくれているのに破れだなんて」
「それと全く同じことを俺は今から行おうとしているんたよ?」
「…双葉さんの場合は私に支障がないので関係ありません」
まずい切れそう…いや、ここはあの作戦で試してみるか…
「…俺、さ。昔君みたいな屁理屈な女子とこういう口論をしたことがあってね。とうとう俺の堪忍袋の緒が切れて言いたいこと全部言って帰ったんだよ。そしたらどうなったと思う?」
「…?」
「こうなったんだ」
そう言って、俺は背を向き服を捲った。
「…!んぐ…」
「ごめんな。子供にこれは流石に見苦しいか。でも分かってもらうためなんだ」
…今は古傷として残ってるが昔俺はカナセから背中を5、6箇所ぶっ刺されて心肺停止状態になったことがある。
仮に俺がニンゲンだとしたら助かっていた確率は0%だってお医者さんが言っていた。
今じゃnice boat.とか背中の傷は戦士の恥とかネタにできるけど、刺された当時は何も考えれなかったからな…
「…話を反らしてしまって済まないな。でも俺が言いたいことはこのことじゃない。
俺を刺した子は俺のことを大好きって生まれてはじめて言ってくれた子なんだ。
つまり、旭ちゃんだってお姉ちゃんを刺してしまう日が来るかもしれないんだよ。それは、嫌でしょ?」
「…じゃ、じゃあどうしたらそうはならなくなりますか?」
傷が相当トラウマにきたのか少々涙声になりながら彼女は言った。
「…彼女は、俺に対しての行き過ぎた愛が原因でこのような事態へと転がってしまった。
いつも自分の近くにいて、ずっと俺に依存していて、いつからか心のストッパーが外れていたんだと思う。
お姉ちゃんがこうなってしまうのが嫌なら、今回ぐらい旭ちゃんが手伝うのを止めてみたらいいはず。
どんなにお姉ちゃんが行き詰まっても、お姉ちゃんのことを思って介助は出さない。
そうしたら旭ちゃんにも適度に我慢するって力がついて二人共が成長できるはずだよ。
介助がずっといれば、人は自立も成長も出来ないって言うじゃん」
「……わ、分かりました。今回は何もなかったってことにします。
そ、相当トラウマになりましたからねその傷…生々しい…」
「う、ごめん。俺もその時は意地張ってて年不相応なことをしてしまった。今はこの傷も全然傷まないから安心してね」
「はい…」
最初に会ったときの威圧感はどこへ行ったのか、今は青菜に塩をかけたようにしょんぼりしている。
…こ、これがギャップ萌えというものなのか?
「それで、あの話は無かったってことでいいよね?」
「…は、はい…」
「じゃあこの話はこれにて解決ってことで…
今度は俺の番。こっちから聞きたいことがたくさんあるから、いいよね?」
「は、はい!」
「まず1つ目、何で俺のことについてこんなに詳しいの?」
「…そ、そのことについては順を追って説明しないと…」
〜〜〜
それは昨日の朝のことでした…
「お姉ちゃ〜ん、朝ごはん出来たよ!」
と、いつも通り朝に弱いお姉ちゃんを起こしに部屋に入ったら…
「Zzz…」
どうやらお姉ちゃんはPCの前で寝落ちしていました。
お姉ちゃんのPCのパスワードは知っているのですがずっと部屋にこもっているので覗き見する時間が全然無く、こんなにぐっすり寝ているお姉ちゃんの可愛い寝顔を堪能したいのもあって、お姉ちゃんを起こさずに興味本位でPCを覗いてみたんです。
そしたら…さっき見せたチャットが繰り広げられていました。
さっきも言いましたがお姉ちゃんはこれに似たことをもう7回もしていたのでまた新しい子を選んだのか〜って思ってました。
〜〜〜
「ちょっと待ってくれ。似たようなことを7回ってお姉ちゃんは7回も恋人をとっかえひっかえしているってこと?」
「ん…まあ大体そんな感じで合っていますね。お姉ちゃんは色んな女の子に愛されたくてこんなことをしているだけで恋人って認識はないと思いますけど。」
(というか俺は一切ツッコまなかったけど息を吸うように百合ってるのか…)
〜〜〜
それで、最新のチャットを見てみるとどうやら相手の子は好きな異性がいると言っているではないか!
こんな三角関係、面白くないわけがない!
私は相手の子の好きな異性を全力で特定することを決めた…
翌日、私はついにその人がL&P&Cプロダクション所属の鹿島双葉という人物であることを特定した!
で、ここに来たっていうわけ。
〜〜〜
「以上です」
「俺のことについてもう一つ言うべきことがあるでしょ。
何で俺の正体に気づいているんだ?」
「それはその、ヴァンパイアハンターってご存じですか?」
「うん。勝手だが俺の予想だと旭ちゃんはその末裔なのではと睨んでいるけども」
「半分だけ正解…というより少し説明不足ですね」
「真実はそうか…じゃあ模範解答を教えて下さい」
「私は双葉さんが睨んでくれた通り、ハンターの末裔です。
しかしそれと同時に私はヴァンパイアです。」
「…は?」
〜〜〜
ヴァンパイアハンターというものは、外見は瓜二つなヒトとヴァンパイアの区別ができる…主に嗅覚から区別がつくらしいですけど、そのようなニンゲンをより集めた精鋭部隊です。
その人達はもちろん、ニンゲンにとって希望の光のような存在でした。
ハンター達も名声やら富やらたくさんの利益がもらえてWin-Winでした。
その時に事件は起こりました。
それはヴァンパイアによる被害も数ヶ月以上0になった頃でした。
とある好色家のハンターは露頭を迷う女のヴァンパイアを発見しました。
そのヴァンパイアは羞月閉花と言っても過言ではないほどの美少女だった上、ハンターは新人だったことから大きな間違いが起きてしまいました。
結婚、してしまいました。
勿論のこと、ヴァンパイアを狩るはずのハンターがヴァンパイアと結婚するなんて大惨事です。
なので彼はハンターの職業を続けながらとにかく隠し通すことにしました。
ヴァンパイアの子供が生まれて幸せな家庭を築いてもその生活を続け通しました。
結果は…私が生きているってことが証拠ですよね?
〜〜〜
「…ゆ、愉快だね…その話」
「まさかこんな自虐ネタを披露することができる時が来るなんて私は予想していませんでした」
「そりゃそうでしょ!
…っというか話変わるけどたまに見た目年齢にそぐわない言動するよね…旭ちゃんは何歳なの?」
「今は7歳で、今年で8歳になる予定ですね」
「………え、若すぎない?どう考えても9歳か10歳ぐらいにしか見えないんだけど」
「なんかそれ、お父さんにも言われたことあります…普通に振る舞っているつもりなのになんでこうなるんでしょうか?」
「その普通の振る舞いが耳年増なだけだと思うな…」
「話を戻して2つ目の質問に移るけど…そういえば、ヴァンパイアなら血液とかが必要だと思うけどどうやって補給しているの?」
「実はお母さんがナースなので献血と称して人から血を奪い取ってます」
「そ、そういうケースも存在するのか…」
「ちなみにお父さんは人間なんですけどお母さんから私達の正体に気づかれてしまったら血溜めとして利用しなさいって言われてます」
「急にめっちゃバイオレンス」
「3つ目の質問、俺がヴァンパイアってことを漏らすつもりは無いよね?」
「そりゃあもちろんです。なんで同族と会って話し合えることができる千載一遇のチャンスを自ら離すんですか」
「一瞬不安になったから確認しただけで、でもそう言ってくれたから安心だね」
「あっ、それで一応これが最後の質問なんだけど…
お姉ちゃんって、何かの猛烈なファンだったりする?」
「…?いえ、そんなことはないはずですけど…ってなんでお姉ちゃんの話を唐突に?」
「いや…何か引っかかった感じがしてね。
もう一つ聞きたいんだけど、お姉ちゃんは夜型人間だったりするかな?」
「夜型ですね。私が学校に行っている間ぐっすり寝ているって言っているから生活リズムもきれいに逆転してますよ」
「…質問に答えてくれてありがとう。面白い話と発見が出来た。
お姉ちゃんのことも心配だとは思うけど過保護にならないようにね」
「…?え、えっと…もう終わりですか?あ、ありがとうございます?」
〜〜〜
さっき見たスクリーンショット。
その画面の発信者の名前はulμ∃だった。
「……あの子の姉が…ulμ∃なのか…」
〜〜〜
しばらくして、俺も里帆さんたちのもとに戻っていった。
「あっ、双葉さん!遅かったので心配しましたよ!」
「遅くなってごめんね、話し合った後個室の整理をしてたらこんな時間になっていて…話し合いはなにも問題なかったよ」
里帆さんから心配の一言を聞いたとき、何故か彼女のことについての真実ではないことを口走ってしまった。
…なんで正直に言わなかったのか、言った瞬間に後悔している。
「もう始まっていたか、始めてくれててありがとう。今から俺もマネージャーとして参加するよ」
〜〜〜
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asahi side
電車の中…
「…ちょっと疲れましたね…」
私、旭は今日双葉さんというヴァンパイアと情報を交換し合いました。
今すぐにでも確認しておきたかった事項はすでに話し終えたので、今週の日曜日にまた会ってお話しましょうっていう約束を取り決めておきました。
お姉ちゃんのことについて最後になにか思い詰めたような雰囲気がしたのは引っかかりますが…そのことも含めてまた会った日に色々聞きましょうか。
おっと、今日を振り返りながらのんびりしていたらもうすぐ私が降りる駅に付いちゃいますね。
さてと、帰ったらすぐお姉ちゃん用の少し早い夕飯の準備をしないとですね。
〜〜〜
「……」
どうも、今駅から出て家に向かっている最中の私ですが…
…いつの間にか、臭いがものすごくする。
くさいというわけではない。あのニオイがする。
…ヴァンパイアの、あのニオイ。
双葉さんのニオイではない、それ以外のヴァンパイアの。
(香りの強さからして、数人いる気がする…最悪だ。双葉さん以外の逃げ出したヴァンパイア全員が向かってきているってこと…?)
「…ッ!」
出来るだけ唐突に、住所を特定されないように寄り道を多用して家まで全力疾走した。
癖に…
(なんっ…で!どうして気配が消えないの!同じヴァンパイアだから体力も同じ量を持っているってこと!?)
私はとにかくお姉ちゃんに迷惑を掛けたくないという気持ちで、途中から息が切れるまで家から離れるようにと作戦を変更した。
〜〜〜
「はぁ…はぁ……」
足が悲鳴をあげ始め、私は呼吸を整えるために近くの壁に寄りかかった。
「ねえ、もう追いかけっこは終わり?私はもっと走ってもいいよ?」
「なんですぐに捕まえてくれなかったのお姉ちゃん?わたし今すぐにでもザグレに会いたいのに…」
「それは私も…でも、この好機を上手に使う頭のいい方法はね。
相手を疲れさせることよ」
この子達が…わたしをずっと追いかけていた子…?
私よりも小さい子がいるのになんで誰一人として息が切れていないの…?
「……あな、た達が…私に対して…何の…ご用?」
私は呼吸を整えるより先に、質問をしていた。
「こっちからの要望は1つだけだよ」
さっきまで一言も発していなかったピンク色の髪をもつ女の子が答えた。
「私だけ…いや、私たちだけのザグレはどこにいるの?」
言い忘れていましたが、旭は人間界で生まれたのでカタカナ名は持っていません。




