5.俺がモテてどうすんだ…
〜ごめんなさい〜
夏休み。
8月いっぱいまで本気で楽しみました。
そのおかげで8月に書いた文字数は0です。
マジですみませんでした。
9月入ってやばいと思ってとにかく書きまくってやっっっと出来たので投稿です。
長らくおまたせしました、本編どうぞ↓↓
zagre side
2人を抱いた次の日、里帆さんとメリフは打ち解けて互いに俺の取り合いはしないという停戦協定?みたいなのができた。
あんまり喜ばしいことではないが、最悪の事態からは間違いなく快復している。
ただこれ、お姉ちゃんと妹達とカナセに見られたら殺される(n回目)
「すぅ…すぅ…」「……んぅぅ…ん…」
月曜日…なんかデジャヴがするが、また両腕に2人が抱きついている。
「ちょっと…疲れ果てる日を間違えたな…」
そんな2人を横目に、俺はそう口走った。
昨日も昨日とでやりっぱなしで、ずっとこっちから動きっぱなしだったせいで起きようとしても腰が痛くて動けない。
それでも無理に身体を動かして、取り敢えずスマホを取って電源を付ける。
「やけに外暗いなって思ったら、まだ5時50分じゃん…」
まさかの超朝早くに起きることができるとは、自分が起こした偉業なのにだいぶ驚く。
ただこれは逆にチャンスであって、2時間ほど身支度準備ができるということだ。
その間にこの腰が治れば…!
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riho side
「んぅ…?」
近くで起こった物音が、朧気だった私の脳を覚醒させてくれた。
「……ザグレさん…?」
「あ、里帆さん。起きたんだ」
その物音を立てていたのはザグレさんだったらしい。
「疲れているだろうし、もうちょっと寝ておいた方がいいと思うよ、俺は身体を治したいし少し準備もしておきたいからもう少し起きておくけどね」
「いま…何時ですか?」
「6時だね、寝るって言っても仮眠程度かな?」
確か事務所は8時半から始まって、ここからだったら30分くらいで着くはずだから…
「ぅうん、化粧したいからもう起きておく」
「そっか、分かった。メリフは朝弱いからあまり起こさないように準備したらいいよ」
「りょーかい!」
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melif side
…………zzz……
なんか…ほっぺをぷにぷにされているような…
「メリフ〜起きて〜」
「むにゅ?」
そんな声を出しながら目が覚めた私は、ザグレくんにぷにぷにされてた。
「ふわぁぁぁ…ねむ…いま何時?」
「7時、朝食たべて行く準備しよ」
7時…7時!?はやっ!?
「せめて半に起こしてよ〜…眠たい…」
「はいはい、次回からそうするからさ…言い忘れてたけど、身体は痛くない?」
「……あっ///」
「そういえば昨日もやってたね//からだは全然大丈夫だよ!」
「良かった…いや良かったのか?まあ過ぎたことだしあんま気に留めないでおくけど…今日からメリフもアイドルとしての練習が始まるから頑張ってくれよ…?」
「りょーかい!ザグレくんのためなら何でも頑張るから!」
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zagre side
今日からあの小学生アイドル4人組をプロデュース…はすぐにはせず、まずはメリフの紹介とゆるめのオリエンテーションをしてからとなる。
というか今日月曜日だから午前中はあの子達学園にいるし。
「にしても、姫川学園か…」
そんなことを藤咲さんから聞いていたとき、そう里帆さんが呟いていた。
「…その学園がどうかしたの?」
その意味深長な発言に興味が湧いた俺は里帆さんに聞いてみることにした。
「あ、いや、別に恨みがあるわけじゃないけど…女性の有名人とか芸能人の大半って大体あそこから進出してるな〜って思ってただけ」
「そーなんだよね、でもわたしも姫川卒なのにぜんっぜん有名になれてないから全員が全員人気ってわけじゃないよ?」
「それはまあそうなんだろうけども、その学園がそこまでマンモス校なの?」
「いや…女子校としたらかなり多いとは思うけど、姫川卒の有名人の割合ってなんか仕掛けられてるくらい半端ないのよね…」
「へ、へ〜…不気味…」
テレビ番組と裏で手を組んでいるのだろうか…それとも生徒の質が凄すぎるだけなのか…
いや、どっちにしろあの子達全員姫川学園にいるわけだからズルいけどメリットになるよな?
そうこう思っているうちに、メリフのオリエンテーションが終了したようだ。
「芽里ちゃん、なかなかやれる子ね。体で覚えることが上手だからダンスは練習すれば完璧。歌唱力も伸びしろがたくさんあるから反復練習でプロになれるよ。もう私達のグループに入れたいわね」
指導係の最上さんにそう太鼓判を押してもらったメリフ。
「えへへ〜それほどでも〜あるよ〜?」
当の本人は『もっと褒めて!』としっぽを振って喜んでいる。
「……ってほんとに尻尾振って…!バカバカバカ!」
いつの間にか服から飛び出していた尻尾が丸見えである。
こんなのバレてしまったら人間界に居れなくなっちゃうだろ!
「あ!え、え〜と最上さん芽里ちゃんのご指導ありがとうございました私達はここら辺で失礼しますね!!!藤咲さんもありがとう!!」
「ん?あぁ、また何かあったら気兼ねなく相談して構わないからな」
「うん!また一緒に話そうね!」
「ありがとうございます!ほらメリフじゃなくて芽里早く行くぞ!」
「え?わ、分かったありがとう絵梨花さん!」
ものすごくパニクっていたが、なんとかバレず?に最上さんの事務室を後にした。
「なんか、とにかく慌てていたがそんな大変なことでも起きていたのか?というか大丈夫だったのか?」
「気になるなら昼食後に様子でも見に行ったらどうですか絵梨花さん?」
「…そうしようか」
〜〜〜
ザグレ、里帆担当用事務室…
「「はぁ…はぁ…」」
「あっぶねぇ…尻尾出すなんて愚行…」
「尻尾を出すっていう尻尾を出してしまいましたね…」
「え?里帆ちゃんバグった?」
「……き、聞かなかったことにしてください!」
初めて里帆さんがギャクをするところを見たが、さ、寒い…
「それはともかく、最上さんにはバレていないよな…?」
(ザグレさんに何一つ触れられないのもちょっと傷つくよ…)
「た、多分。違和感は持ったと思うけど…」
「見られていなかったら流石にヴァンパイアとは思われていないと信じたいな…」
「?」
「それで当の本人は、一体何が起きたかを一切理解していない様子ですね…」
「だめだこりゃ」
「また私、何かやっちゃいましたか?」
「とんでもないミスをやっちゃったんだよメリフ?分かる?」
「ま、細かいことは聞かないし気にしないけど過ぎたことはもう元には戻せないよ?そんなこと忘れて練習を始めよ?」
どうやらメリフの脳みそはオーバーヒートしたらしく、投げやりになってしまった。
「そういうとこ本当に能天気すぎるでしょ…」
「それは危険な行動を起こさない限りその理論が適応するだけでお前危険な行動起こしてるから駄目なんだよ…」
始まる前から色々大変だったが、無事?にメリフの初練習が始まったとさ。
〜〜〜
メリフの練習が始まった二時間後…
「あ〜…疲れた〜お腹すいた〜…」
「最上さんが言ってたこと信じられなかったけど本当に…ダンススキル高いんだね」
「歌唱力もコツは掴んでるからそこを伸ばせば完璧じゃん。想像の100倍くらいアイドルの素質あってびっくりなんだけど」
「むー!初期の私に対する評価低すぎじゃないの!!私ってやればできる子なんだから!」
「やればできる子なんだったら今までの学園の成績とかは本気出していなかったってことなんだ」
「っ!ちがーう!私は勉強以外やればできる子なの!」
「別にわざわざ言い直さなくて良いんじゃない?」
「カン違いされたら困るから言い直したの!」
「なるほど、ちゃんとおバカキャラという設定が剥がれ落ちないようにと念を押していたわけか」
「も、もう!そういうことでいいよ!」
メリフは14歳なんだが、久々にこんな年相応の反応をしてくれて嬉しい。
いっつもマセていたからちょっと新鮮みがあっていいな…
「というより、ザグレくんってなんでこんなのになりたかったの?」
「え?」
いきなり話の方向が自分に向かってきて困惑した。
「だって、ザグレくんは私みたいに歌ったり踊ったりせずただ単にアドバイスしてるだけじゃん?なんにも面白くないでしょ?」
「いや…」
「ザグレくんも私と一緒にアイドルしたらいいじゃん!」
「多分今俺を捜索してるカナセにバレるのでそれは嫌だ」
「それもそっかぁ、でも逆に何で地元から逃げてプロデューサーになったの?」
「あ、それは私も気になった。」
「……そ、それは〜」
「………………」「………………」
「…あ、アイドルマ」
〜これ以上は著作権の関係上割愛させて頂きます〜
「ふむふむ。それでその、ももかちゃんとめありーちゃんとちかちゃんが大好きでプロデューサーをやってみたいってことになったと」
何も言われていないが2人の前で土下座をする俺。
「リピートしないで?許して?」
「いやその、怒ってはないですし引いてもないですけど…正直、そんな性癖偏ってるとは思ってなくて…更に言えばそんな貪欲な理由で脱走したのかと思うとち、ちょっと…」
脱走した罰は今ここで絶賛受けっぱなし中です許して下さ
「ブロンドヘアーの小学生が好きなの?」い。
「グハッ」
性癖を従妹に音読され、見事に死亡した俺氏。
次転生したときはれっきとした人間になっていたらいいな…
「でも、私も金髪だから好きでいてくれているってことだよね?」
そうメリフは俺に微笑みかけた。
「……そ、そりゃあもちろん…!」
「やったぁ!ザグレくん大好きっ!」
やはりメリフは天使だった。ビジュアルがどストライクを射っている上に元とはいえ婚約者、昔からよく知ってる一途な女の子とかいう豪華なオプションが付きまくりである。
似たようなオプションが付いてるどこぞのピンク髪とは全然違って…
「むぅ、そんなイチャイチャしないでよ。嫉妬しちゃう」
「ご、ごめん里帆さん」
「私も後で、ね?」
そうあざとく話し掛ける里帆さん。
と、年上も案外良い!(ただあんまり里帆さんからは年上感が出てないけども…)
というか、なんか忘れているような気がする。
「……じゃなくて!!忘れてたけど今昼食タイムに入っているよ!ほら早く一緒に戻ろ戻ろ!」
「え!?ザグレさん返事は!?」
「そ、それは別に全然構わないよ!」
「言質は取りましたからねザグレさん!」
「お腹すいたよ〜!」
時計の針は12時過ぎを指している。
12時から1時半まで休憩時間として家に帰って昼食を食べていいとされているから俺の家で安全に吸血しようとみんなで約束していた。
…なのに、メリフは今まさに里帆さんの首を狙ってるよ…
「ほらほら、ここでやってバレてしまったらどうするの。我慢我慢」
「ぴゃ〜〜!放して放して〜!」
喰らいつこうとしたメリフを抱え上げて、3人で一旦家に戻ることにした。
〜〜〜
ザグレ(とメリフ)の家
「…」「…」チュ〜
「…その、ちょっと食べづらいなぁ〜」
「じゃあ、首裏にしたらいい?」カプッ
「ひぃ!あふっ…も、もうっ!」
俺らが里帆さんを喰ってる間、噛まれるたびに嬌声を漏らすのほんと心臓に悪いっていうか…下腹部に悪い。
「ごめんごめん、里帆ちゃんをいじりたくてしょうがなかったからさぁ」
と、メリフはそう言い分を残した。
「私ってそんなにいじり甲斐のある人ではないと思うけど…?」
「え〜でもいじったときの反応かわいいじゃん!だから苛めたくなっちゃうの!」
「やめて〜!すっごく恥ずかしい〜!」
すでに食事をする手を止めてた里帆さんはそう言ったあと顔を手で覆い隠した。
「追い打ちかけて申し訳ないけどとても共感できる」
俺は里帆さんをフォローするためにメリフの意見に賛成した。
「ふぇぇ〜ん…ん?今ザグレさんに可愛いって間接的に言われた?」
「うん。やられてる時の里帆さん可愛いよ」
…ここは正直に言っておこう。
「……///」ポッ
急に顔を真っ赤にして照れる里帆さん。
「うぅっ、やられてる時が可愛いって…ザグレさんドS過ぎ…」
「いや、そんなつもりはなかったけど…」
里帆さんを元気づけようと正直に発言した言葉が里帆さんにはいじられてるって思われてたのか…
「ざ、ザグレさん。私立派なドMになりますから」
元気を取り戻し、顔を上げた里帆さんが俺に向かって放った一言目が、とんでもない勘違い発言だった。
「いやだからそんなつもりなかったって!いつもの里帆さんもとっても可愛いよ!」
ビビって俺はすかさずフォローした…が。
(正直、M堕ちした里帆さん見てみたかったけど…)
「だ、大丈夫です。お尻叩きとかは子供のこと良くされていたので」
里帆さん肩を震わせながらとんでもない暴露話を話しちゃったよ!
「ほんとに?お尻吸血していいの?」
「そ、それは無理かも!」
「そもそもスパンキングなんてしなくて良いからな!?」
トリオ芸人のようなスピードでボケとツッコミを交した俺達。
「り、里帆さん。そもそも自ら望んでドMにならなくて全然構わない。あと里帆さんが食べるときと俺達が食べるときとはタイミングをずらしておこうか。先か後かは決めてもらっていいからね」
そもそも食事からこの話に転換したため俺は話を戻して結論付けた。
「りょ、了解です」
「え〜?もういじれないの…?」
「メリフ、いじれるのは夜だけってこと」
「あ、そういうこと!なら分かった!」
「えっ?」
「ま、その…ごめんね?やられてる里帆さんが愛おしいからさ…」
「やっぱりドMにさせたかったんじゃないですか〜!」
〜〜〜
俺達3人は昼食を食べ終え、また事務所に戻った。
「さてと、あと数時間経ったらあの子達も来るはずだから今のうちにメリフをビシバシ鍛え上げようっか」
「ザグレくんがそれ言ったら私ムチで叩かれるんじゃないかってヒヤヒヤするんだけど!」
「身体に傷跡があるアイドルってそのこと漏洩されたら事務所の存続の危機に陥るわね」
「そのスリル味わってみる?」
「「バカなの?」」
「…ま、お話もこれぐらいにしておいて本当にあの子達が来る前に特訓しておきましょ。でも体罰はしないでねザグレさん」
「俺はゆとり教育前の熱血コーチじゃないんだからそんなことしないよ。プロデューサーとして」
「まるでプロデューサーとして以外のことではやるような物言い…ってそれはともかく、私もダンスの部分で研究したかったところがあったので里帆ちゃん始めてくださ〜い!」
〜〜〜
「だいぶ頑張ったねメリフ」
「これで早苗ちゃん達の後についていけれるレベルまで達したよ」
「す、凄いねあの子達…私何回か反復練習しないと置いてけぼりになるよ…」
「んじゃあ、さっきのダンスを振り返りながら休憩にしようか」
「オッケー!」
「あ、あとさ!休憩時間なんだから尻尾出していい?」
「まるで反省して…いやでも、まだ皆が来るまで全然時間があるし別にやってもいいか」
「やったぁ!」
「私この会話についていけれてない…」
〜〜〜
「まあ、そんなわけで俺はその子と一緒に長野ってとこからここに行くことが出来てさ」
「へぇ、逃げてる間にそんなことがあったんだ」
「東京に行かせてくれたその子に感謝ですね」
…
「他にも話したいことがあるけど、そろそろ練習に戻ろうか」
「了解!じゃあその話の続きは帰ってからで!」
「はいはい、じゃあ尻尾もど」
コンコン
「「「!!!」」」
「失礼するよ」
「ちょ待っ、尻尾…!」
「メ、メリフちゃんも早く!」
「す、すぐには仕舞えなっ…!」
ガチャッ
(あっ、俺達終わったかも)
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Erika side
「失礼するよ」
と向こうにいる双葉くん達に声を掛けてあげたのだが、なんだか騒がしい。
まるで禁止されてることを隠れてやっているような…
(いやでも、ここで禁止されていることなんて日本国憲法で禁止されてることとほとんど一緒なもんくらいだから隠すことなんてしなくていいと思うがな…?)
と考えながら、扉を開ける。
そこには、芽里ちゃんをうつ伏せに押し倒している双葉くんとその上に覆いかぶさっている芽里ちゃんの姿があった。
「あ…その」
「あーっと、その、色々お勤め中だったんだな…私が無骨で察せなかったのは申し訳なかった」
「ち、ち、ち、違いますよ最上さん!!」
顔を真っ赤にしながら里帆ちゃんがそう言った。
「これはその、柔軟トレーニングの一つで!芽里ちゃんがもっときつくてもいいって言ってきたのでこんな感じで乗っかってるんです!」
「そ、そう!私最近まで身体を伸ばすことしてなかったからさ!」
ダメ押しのように当の本人である芽里ちゃんも肯定した。
「こういうふうに押してもらわないと柔らかくならないのですよね〜」
そうとは言っても別に足は広げていないから柔軟になるとは思わないし双葉くんがなにかモゾモゾしているのが気になる。
「一つ聞きたいんだけど、双葉くんは何をしているの?」
「あ、その…位置調節です!柔軟に加えてマッサージもしてて、今はこんな状態で凝っている部分を詮索している最中なんです!」
「そ、そうなのか…」
話が進むにつれて支離滅裂になってきつついるのだが。
まあその、少々ヘンなことをしていたというのは察せた。
芽里ちゃんと双葉くんは幼馴染同士で相当仲がいいのは理解しているが、里帆ちゃんをも含めてしているのはびっくりだ。
(芽里ちゃんは里帆ちゃんがいても許してくれるなんて中々優しいわね)
「それで、最上さんは何か俺たちに用件があったんですか?」
柔軟トレーニング(?)を済ませたのか、それぞれ立ち上がった3人の内の双葉くんがそう私に問いかけた。
「まあ、新人3人は今元気にやっているかどうかちょっと心配で見に来ただけだよ。ちょっと元気過ぎだけどね…」
「…//」
「でもまあ、それくらいが元気に越したことはないから構わないけどさ」
「えへへ……//」
私の発言に、芽里ちゃんは中々可愛い反応を見せてくれるな。
「それで、芽里ちゃんは早苗ちゃん達のグループのメンバーに加入するのかって話なんだけど、あの子達も入れる前提で話を進めていたし双葉くんとも仲が良いんだから加入させましょという話になったよ」
「そうですか、良かったじゃん芽里」
「やった!絵梨花さん大好きっ!」
そう言って芽里ちゃんは私の胸に飛びついて来た。
「ちょ、ちょっと!急に飛びついたら危ないでしょ!最上さん大丈夫でしたか?」
芽里ちゃんの急な行動を叱りながら私に駆け寄る里帆さんと双葉くん。
「いや、私は全然大丈夫だよ。昔の小春を思い出したからいつも対応してたように動いたら自然とね」
「すごい…抱きつかれマスターだ」
その名誉は決して私を貶している訳ではないと信じたい。
「まあ、加入については私から後で言っておくけど芽里ちゃんの口からも言ってあげたらいいよ、絶対にみんな喜ぶよ」
「わかった!ありがとう絵梨花さんっ!」
そうお礼の言葉を言った芽里ちゃんは、私の頬に唇をくっつけた。
「!」
「絵梨花さんのことが大好きっていう証明だよ!」
「こ、こんなことをされたのは初めてかな…意外だったけど嬉しいよ、こっちこそありがとう」
「やった、絵梨花さんの初めてゲット…」ボソッ
芽里ちゃんが小声で何か言ったような気がするが、丁度いい時間にもなったことだから練習に戻ろうと3人に声をかけよう。
「じゃあ、私はここら辺でお暇するよ。芽里ちゃんアイドルの練習頑張ってね」
「りょーかいです!絶対に人気になるからね!」
「最上さんも芽里のお世話をしてくださってとても助かりました、本当にありがとうごさいます」
「私も最上さんみたいにそれぞれのアイドルの強みを見出していけるような先輩になりたいです!」
「あはは、そう言ってもらえると光栄だね。新人だから無理しない程度に全力で頑張って」
「「「はい!」」」
〜〜〜
(あんな可愛い芽里ちゃんに、キスされたんだ…)
芽里ちゃん達のいる部屋から出ていって、私の事務室に戻る最中、私はこんなことを思っていた。
意識しちゃいけないことだけど、何故か広角が上がったまま下がらない。
…私、小春にもそれに似たことされていたのに今回は何でこんな感情が湧いてるの?
将来有望なアイドルなのに…私の我儘でどうしても独占したくなっちゃうこの気持ちって、何?
それと、双葉くんと里帆ちゃんから湧き出してくるこの黒い感情って…
「答えは言わずもがな、浮かんではいるのに…あまり信じたくない」
この気持ちだけは、誰にも言えないな。
…誰にも言えない、か。
「誰しもが秘密を抱えているなんてのは当たり前だ。それを詮索されたくないのも当然。だから…あの子達の秘密も私の秘密のように大事にしないといけないだろうな。好奇心は猫を殺すだもの」
もう私は何も詮索しない。
私はそう結論付け、仕事に戻ることにした。
ほんのちょっとだけ自分の心を束縛してから。
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zagre side
「変な行動して身バレしたら終わりだから禄に動けなかったけど、最上さんがいなかったらお前ぶっ飛ばしてたよ?」
「もう最上さんは私達は何らかの隠してる事があるってこと勘付かれてますよね!?」
「ごめんなざい〜!絵梨花さんが来てテンションが上がっちゃったせいでさ〜!!」
「お前は最上さん家の犬なの!?行動が飛びすぎでしょ!?」
「うれション以上の粗相をかましてしまうとシンプルに人間界で生きれなくなりますよ…」
「ごめんって〜〜!」
一段落し、3人が落ち着いてきた頃…
「…っていうより、メリフって最上さんにだいぶ懐いているんだな。何かしてもらったのか?」
「うん!私がキャンディ大好きってこと伝えたら『じゃあダンスの練習をしたらキャンディをあげるよ』って約束してくれて、他にも色々と絵梨花さんの言うことを聞いていたらキャンディをくれてね!それで大好きになったんだ!」
「え、餌付け…」
「やっぱり犬って表現で正解だったな…」
「もっと練習して絵梨花さんに褒められたいって思ってるよ!」
「「うん、完璧に犬だ」」
「それにしても、メリフちゃんも初日なのに相当頑張ったよね」
「あんまり分からないけども、初日からこんなに練習する必要があるって、ちょっとブラックな気がするな…」
「あ!それはね、私がすぐにでもあの子達の隣に立てれるように今日からでもすぐに練習したいって頼んだの!そうしたらこうなった!」
「も、ものすごく健気…」
「メリフって昔からこんな感じだったっけ…?」
「…ザグレくんが、あまり話しかけて来なくなってきた頃からかな…」
「えっ?」
「だってさ、私が10歳の頃だから…4年前か。その時からザグレくんはカナセちゃんとまた遊んでいくようになって、私とはあまり関わらなくなってさ…結構寂しかったんだよ?」
「あ、そ、それって…」
「その時まで同級生の子とはあまり仲良くしてなかったけど、寂しくなってから勇気を出して同級生の女子に話しかけて仲良くなったんだ。そこからザグレくん以外の子を好きになるって方法を覚えたの。あ、でも私はザグレくんのことが一番大好きだから!」
「ザグレさんって、ヴァンパイア界にいたときたまに最低になることあるよね…?」
「メリフの言い分通り、かなり冷たくしてた時期があった…っていうか、ここでまたメリフと会うまでずっとそうだったけど…言い訳になっちゃうんだけど、その原因は…」
〜〜〜
「ザグレ」
「ど、どうしたのカナセ…?」
「なんで、まだメリフと喋ったりしてるの?」
「いや、それぐらい良いでしょ」
「だめだよザグレ!せっかく婚約を破棄させたのに!」
「…っ!それはそっちが一方的にしたことじゃないか!俺とメリフの意思が無いのに!」
「…!」
「今までだってそうだった!カナセの自分都合に振り回されてばっかりで俺の気持ちも無視してさ!学園に入るまでは絶対にそんな子じゃなかったのに!」
「ザグレ、それはね…ザグレが私以外の子と話していることが嫌で嫌でたまらないからなんだ。メリフなんかより、私のほうがザグレのことをもっとずっと知ってて、誰にも負けないくらいアイシテルから」
「だから、それが嫌なんだって。確かに俺もカナセのことは好きだ。でもそれ以上に、怖い。一緒にいると何かと束縛されるんじゃないかって辛いんだ…だから、俺はカナセのことを愛していない」
「……これは、私が気づいていなかったのが悪かったね。ごめん。
あの子はちゃんと始末しておくからね、ザグレ」
「…はっ?」
「いい?ザグレは優しいから気づいていないけどね、メリフはその優しさに漬け込んで私とザグレの何より大切な関係を引きちぎろうとしている悪魔なんだ。このままじゃ私はザグレといられなくて死んじゃうし、ザグレもメリフと結婚しちゃうっていうバットエンドに行っちゃうの。だから今すぐにメリフと絶縁して、私とだけしか一緒に居なくちゃいけないんだ。そうでもしないと、またあの悪魔が私達の生活を壊すからさ。あんなぽっと出の女なんかより、ずっとずっと昔から一緒にいて永遠に側にいるって誓いあった私のほうが、比べ物になんないくらい魅力的なのは考えなくても分かるのにあっちを選んだのはさ、あの子に洗脳されてるってことだったんだよね?ごめんね…私すぐに気づいてあげられなくてさ。あの子にファーストキスされたことを知る前に気づいてあげられれば万々歳だったけど…大丈夫だよもうすぐ私がその洗脳を解いてあげるから。洗脳が解けてもとの関係に戻ったらまず何しようかな?まずは記念のキス100万回をしてからその…こ、子作りとか…//学園に通っているのに妊娠してるだなんて中々に事件だけど、お互いにダイスキ同士だから許されるよね?学園を卒業するまでに何人の子供が出来るか予想し合ったりするよ!ザグレの目の前で言うのもアレだけど、ザグレの予想の倍以上産んであげるからね!それでそれで、卒業式と同時に私達のケッコン式を開いたらさ、楽しいんじゃないかな〜?ちゃんと友達…メリフも見せしめとして呼んで、ザグレと永遠の愛を誓うのが楽しみすぎるよ!それで絶対にたくさんの子供と一緒に幸せな家庭を築こうね!って、ちょっと考えすぎかな?まぁ、まずは今かかってるその洗脳を解かないといけないからそこからだけどね。でもザグレ、君もちょっとだめな部分があるからね。私っていう大事な幼なじみがいるのに、まんまと他の女に騙されてさ、ザグレが苦しむのは私見たくないけど、お仕置きをしなきゃこれは更生できないよね?だから、本当に心が締め付けられる思いだけど痛いのも我慢してね?ザグレ」
「いっ…ゃ、めて…」
「…だめ、ザグレは私だけのものってことを皆に見せつけないと」
〜〜〜
「それから、俺は純潔を奪われそうになったのを捜索してくれたお姉ちゃん達に阻止してもらえて…1ヶ月くらいヒステリックになってた」
「「し、深刻…」」
「あの日は俺にとって最悪の日だったからな」
「ザグレさんの気持ちになったらなんとなくこっちに逃げた理由が分かる気がしてきた…」
「まぁそんなことがあったけど、今が大丈夫なんだから結果オーライ…かな?」
「の、呑気だね…でもいろいろと修羅場をくぐり抜けたからかそうなっていてもなんとなく共感できるね…」
『失礼しま〜す』
「あれ、もうあの子達がやってきたのかな?」
「まあもう来ていてもおかしくない時刻だものね、入ってきていいよ〜」
ガチャッ
「「「……え?」」」
「皆さん初めまして。私は漣旭って言います。お気軽に旭って呼んでもらって構いませんよ?」
そう言ってやってきた彼女には、瞳の奥にある憎しみのような炎があった。
次の小説投稿は未定です。
今月以内で出来たらいいな…




