アフリカ教室
アフリカ大陸の国境線は直線が多い。19世紀末、列強国同士がアフリカ大陸を地図上の線で分割し、植民地としていた地域が、後にそのまま国家として独立したからだ。結果、アフリカ大陸では現在も民族間の争いが絶えない。
教師はそれをいかにも欧州列強の悪事であるかのように講釈した。僕にはそれが滑稽に思えた。学校のクラス分けと何が違うんだ。概して生徒同士のグループは教師の都合で別々にされる。
昨年、徳島県でいじめの復讐を動機とした殺人犯が捕まった。高校生が連続殺人犯ということで話題になり、教師からも「悩みがあればすぐ大人に言うように」とお達しが来た。大人の都合だけで区分けされたグループに不和が生じないわけがない。そう思うのは僕だけだろうか。
まあ、どうでもいい。アフリカ大陸と違って、僕らには終焉という救済がある。ばかに早く咲いた校庭の桜が散る頃には、この教室には誰もいなくなる。もうすぐ春休みだ。