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星の家族:シャルダンによるΩ点―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困惑する外科医の愉快な日々ー  作者: 青夜


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紅の友 Ⅶ

 食事が終わり、俺たちは地下へ移動した。


 「ここもまた、スゴイですねー!」


 タケたちがまた感動してくれる。




 「俺が音楽や映画が好きだからな。大音量でも聴けるように、地下に完全防音の部屋を作ったんだ」


 「それもスゴイですけど、テレビもでかいし、スピーカーもなんかスゴイですよね」


 



 適当に座ってくれと言い、俺はフェンダーのストラトキャスターを出した。

 マーシャルの巨大なアンプに繋げる。


 簡単に音を合わせ、俺はTHE STREET BEATS『I WANNA CHANGE』を歌った。



 「ストリ-ト・ビーツだぁ!」

 「スッゲェー!」



 タケとよしこが大興奮した。

 六花がいきなり泣き出した。


 俺は歌いながら、額を軽くぶつけてやる。



 俺が歌い終わると、タケとよしこが抱き着いてくる。


 「最高! もうサイコーですってぇ!」

 「あたしらも、石神さんの女にしてください!」


 六花が二人に蹴りを入れ、引き剥がす。



 子どもたちが感動しながら、笑った。






 続けて、The Birthdayの『KAMINARI TODAY』を歌う。



 「「オオオォォォーーーーウ!!!!」」




 タケたちに引き込まれ、子どもたちも手拍子で乗ってくる。

 六花は大泣きだ。




 「カッケェー、カッケェー、カッケェー、カッケェー!!!!!」

 「今日でもう死んでもイイッす!!!」



 「どうだよ、良かったか?」


 「はいはいはいはい!」



 「そうかよ、それは良かった」


 「もうサイコーです!」


 

 「泣き虫六花ちゃんはどうだったよ」


 「ぼう、だめでず! ごんな、いじがみぜんぜー! あいじてまずってぇ!!」


 「何言ってんのか分からねぇよ!」


 俺は笑って六花の頭を撫でてやった。

 子どもたちも大笑いする。




 俺は続けてエリック・クラプトンの『いとしのレイラ』を「六花」に替えて歌ってやる。


 「おい、お前ら踊れ!」


 子どもたちが好きなように踊り出す。


 六花たちも一緒に踊った。




 調子に乗ってフェンダーの十二弦の「Electric XII」を出し、イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』とレッドツェッペリンの『天国への階段』を歌う。




 「タカさん、ギターもできたんですね」

 亜紀ちゃんが言った。


 「あ? 知らなかったか?」

 「知りませんよ! だって今まで一度も弾いてくれたことなかったじゃないですか」


 「そうか? ああ、いつも独りでここで弾いてるもんな」


 「もう!」



 ちょっと涙ぐんでいる。



 「お前らも、何か楽器をやるか!」


 「あ、いいですね! 私はギターがいいです!」

 「僕もギターがいいよぅ」

 皇紀が言う。


 「「あたしも!」」



 「お前ら、全員ギターじゃバンドにならねぇだろう!」

 みんなで笑った。



 俺はリクエストでもう一度『I WANNA CHANGE』を歌った。








 タケとよしこ、そして六花の三人で風呂に入り、俺はTHE STREET BEATSのライブを流してやる。


 風呂から上がり、三人で大興奮して俺に感謝してきた。


 子どもたちも風呂に入り、それぞれの部屋で寝かせる。

 まだ10時半だ。


 子どもたちはそれぞれの部屋で勉強をするだろう。

 今日はリヴィングは大人の時間だ。






 俺たちは、のんびりと酒を飲んだ。


 俺がちょっとしたつまみを作る。


 舞茸の牛肉巻きと、チャーハンだ。



 「あ、チャーハン!」


 「なんだかお前らが気に入ってくれたようだからな」


 「「そりゃーもう!」」


 六花と一緒に笑う。





 「じゃあ、こんどレシピをコツを教えてやるよ」

 「明日の朝にでも!」

 タケが喰いついてきた。





 六花はいつもはハイネケンだが、今日は俺に付き合ってワイルドターキーを飲む。

 タケとよしこはブランデーが飲みたいと言うので、ヘネシーの「リシャール」を出してやる。

 ブルーチーズも切って皿に盛った。



 「かぁー! ここは何でもあるんですねぇ」

 「ブランデーなんて飲んだことないんだけど」


 「じゃあ何で飲みたがったんだよ?」

 「すいません、ここなら出てくるかと」

 「普段は安い酒しか飲んでなくて」


 みんなでまた笑った。



 俺は静かな音で、アート・ブレイキーのジャズを流す。

 照明も暗めに落とした。








 


 六花が俺の隣で頭を肩に預けてきた。

 タケとよしこが微笑んで、それを見ていた。

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