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星の家族:シャルダンによるΩ点―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困惑する外科医の愉快な日々ー  作者: 青夜


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緑子、移籍。 Ⅲ

 夕食の準備は、主に亜紀ちゃんに任せてある。

 皇紀も手伝っている。

 御堂の家で教わったほうとう鍋だ。


 俺は亜紀ちゃんのタイミングで味見をするだけだった。


 緑子は双子の部屋に行き、遊んでくれた。

 俺もヒマだったので、部屋に乱入した。


 今日の土産のリボンで遊んでいた双子を抱え、ベッドに投げ飛ばす。

 いやぁー、と言いながら、二人とも喜んでいる。

 最近、大分重くなった。

 

 俺は緑子も抱えて投げてやった。

 「あんた、何するのよ!」

 双子は笑って、緑子を押さえ込んでくすぐろうとする。

 「やめて、ねぇやめてぇー!」


 緑子の空色のサテンのスカートがめくれた。


 「あ、なんかヒモだよ?」

 「あ、ほんとだ」


 緑子がすぐにスカートを直し、俺を睨みつける。

 「あんた、見てないわよね!」

 

 なんか、前にこんなことがあったような。





 夕飯は、予想通りの争奪戦だった。

 緑子は大笑いをしていた。


 俺は緑子に漬物を勧める。


 「人参? あ、でも美味しい」

 「そうだろ? 知り合いから一杯もらったんだ」

 「へぇー。でもなんだろう、普通の人参じゃないような」

 「その家で作ってる、特別なものらしいぞ」


 緑子は子どもたちの大騒ぎを楽しみながら、日本酒を飲み、人参を食べていった。




 「あ、皇紀くんが三人にやられてるよ!」

 「ああ、いつものことだから」


 「ねぇ、これってテレビで流したらウケるよね」

 「やめてくれ。そういうのはこりごりなんだ」


 俺は「フェラーリ・ダンディ」の話をしてやった。

 緑子は呆れ、そして大笑いする。


 「あんたも、いろいろと大変なのね」

 「そうだよ、だからそう言ってるじゃねぇか」


 「うん、そうよね。あんたはいつも同じことしか言わない」


 緑子は美味しそうに日本酒の猪口を空けた。

 俺が徳利からまた注いでやった。






 夕飯の片付けも終わり、風呂に入る。

 また、双子は緑子と一緒に入りたがった。

 今日は亜紀ちゃんも一緒だ。


 俺は緑子の吹き替えの映像を流してやる。

 幾つかの作品を編集したものだ。




 「いしがみぃー!」

 舞台俳優のでかい声がする。


 「すぐに映像をとめなさいー!」


 「あ、緑子さんの声だ!」

 「いえ、あのね」


 映像は宇宙人の吹き替えに変わる。


 「あ、なんかヘンな声」

 「いしがみぃー、お願いだから止めてぇー!」




 みんな風呂が終わり、リヴィングのテーブルで雑談した。

 双子が花岡家や御堂家の話を一生懸命に緑子にする。


 緑子は笑ってそれを聞いてくれていた。


 夜も遅くなり、俺は風呂に入った。


 やはり来た。





 「花岡家特性の高麗人参はどうだよ?」

 「あんたさ、これって冗談じゃ済まないわよ」


 緑子の顔が紅潮している。


 「リヴィングで話してた時に、もう我慢するのが大変だったんだから!」

 流石は女優だ。


 俺は笑って、湯船に入れと誘う。

 俺に背中を向け、身体をくっつけてくる。


 「本当になんなのよ、これは」

 「俺にも分からねぇ。花岡のじじぃに喰わされて、俺もびっくりしたよ」


 緑子は察したようだ。




 「まあ、あんたが誰と寝ようと構わないけどね。でも、私のことも大事にしなさいよね!」

 「だからお前にも喰わせたんだろうよ」



 「うん」



 「あんたもすごいことになってるじゃない」

 緑子は後ろに手を回し、俺を触った。

 「俺も食べたからな」


 「あんたのさ」

 「ああ」

 「大きいから、何度もやるとちょっと痛いの」

 「大丈夫だよ、潤滑剤もびっくりするほど出るから」

 「ばか」

 緑子のパンチは飛ばなかった。

 俺は手を前に回し、確認した。


 「ほらな」


 緑子はまた小さく「ばか」と言い、俺の上に乗り、自分で挿し込んだ。






 俺たちは風呂場で朝まで貪った。 

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