表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の家族:シャルダンによるΩ点―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困惑する外科医の愉快な日々ー  作者: 青夜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/3162

大精霊は去り、修羅が待つ。

 翌朝、起きてきた院長たちに挨拶する。


 「おはようございます。朝食、できてますよ」


 「石神さん、おはようございます」


 「今日はパンケーキを作ったんです。ああ、お二人の分は和食もありますけど」


 「お前が作ったのか」


 「ええ」



 パンケーキは三十枚。あとはトッピングのフルーツだのが多数ある。


 和食は、アジの開きと目玉焼きは二人の顔を見てから焼いている。

 あとは漬物に納豆、味噌汁だ。


 米を二合しか炊かなかったのは久しぶりだ。



 「じゃあ、折角だから私はパンケーキをいただこうかしら」

 「俺は和食で頼む」


 俺は院長と一緒に和食を。

 静子さんは、子どもたちとパンケーキを。

  

 双子が一生懸命に最高の組み合わせを教えている。


 「おい、好みが違うんだから、あんまり口を出すな!」


 「いいえ、私、こういうのは初めてだから、教えて欲しいわ」


 亜紀ちゃんも一緒になって、組み合わせの話をする。

 皇紀は黙々と食べている。


 まあ、基本的に皇紀は優しい奴なのだが、誰かが困っていると手助けしようとする、という感じか。





 二人は、昼前に帰られた。

 昼食をとお勧めしたが、もうお腹が一杯だと言われた。



 「世話になった」

 「本当に楽しかったわ。うちにも是非みんなでいらしてね」


 「いや、高い障子や襖がボロボロになりますよ」


 「ウフフ、それでもいいけど。じゃあ、石神さんだけでも是非ね」

 「分かりました」



 「ゴールデンウィークは、どこにも行かないのか?」

 院長が聞いてくる。


 「ああ、花岡さんに実家に誘われているんですよ。明日から行って来ます」

 

 「そうだったか」




 俺が送っていくと言うと、タクシーで帰るからと断られてしまった。


 「ああ、石神。大精霊は、なんとかしておけ」


 俺と静子さんは一緒に笑った。









 午後に、亜紀ちゃんと明日の旅行の準備をする。


 「楽しみですねー」


 亜紀ちゃんは何度目かの言葉をまた言う。


 本当に仲が良くなったものだ。


 「花岡さんの実家は古武道の家系らしいぞ」

 「コブドー?」


 「ああ、古くからある、武道だよ。格闘技らしいけど、俺も詳しくは知らないんだ」


 「そうなんですか。ちょっと見てみたいです」


 「道場もあるらしいから、見せてもらえるかもな。あ、でももしかしたら他人には見せられないのかもしれんなぁ」


 「えぇ! 絶対みたいです」



 暗殺拳なのを忘れてた。


  





 「ねぇ、石神くん」


 「なんですか」



 食堂で一緒になったので、向かい合わせで食事をしていた。


 「ゴールデンウィークって、何か予定はある?」


 「院長夫婦をお誘いしようと思ってますが」


 「え、そうなの」


 「どうしたんですか」


 「うん、うちの実家に子どもたちと一緒に来ないかなぁって」


 「ああ、それはいいですね。大丈夫だと思いますよ。院長たちは初日にいらっしゃいますから」


 「ほんとに! じゃあ、予定を組んで。待ってるから」




 子どもたちをどこかへ連れて行きたいが、なかなか時間がとれない。

 栞の誘いはありがたかった。


 






 などと、気軽に受けてしまったが、栞のご両親に会うわけか。

 まあ、どうということもないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ