六花、闇堕ち
六花が暗い。
吉田教授の大学を出てから、一言も喋らない。
無言のまま、ホテルに着いた。
駐車場に車を入れ、荷物を持ってロビーに向かった。
フロントで手続きの後、俺たちはそれぞれの部屋に荷物を置き、食事に行くことにする。
本当は外で名古屋の美味いものを食いたかったが、六花のあまりの暗さに辟易としていた。
ホテル内で素早く食べて、今日は寝よう。
俺たちは、鉄板料理のある店へ入る。
「どうだ、六花、美味いか?」
「はい、おいしゅうございます」
「……」
会話が続かない。
「お前、なんだか暗いぞ?」
「申し訳ありませんです」
「なんなんだよ。おい、じゃあお前の好きなオチンチンの話でもするか!」
「はぁ」
「なあ、俺のオチンチンって、どうだよ。お前見たことあるだろ?」
「石神先生、今はそういう気分じゃありません」
「な、お前!」
鉄板で派手な炎を上げている料理人が、俺のことを睨んでいる。
無理矢理部下を口説いている奴に見えるのか。
俺は急いで分厚いステーキを食った。
六花は魚介類を少し食べ、あとはビールを飲んだ。
「じゃあ、明日は8時にロビーな!」
「はい」
夜の9時。
俺たちはそれぞれの部屋に入った。
なんなんだ、あいつは。
俺は六花のエロ攻撃をかわし続ける覚悟でいたのだが、まさかのダークネス。
こんな展開は予想していなかった。
別にエロを待っているわけでもないが。
シャワーを浴び、俺は電灯を消した。
ノックが聞こえる。
うとうととしていたので、頭に来る。
ドアを開けると、六花が立っていた。
まあ、こいつ以外にノックする奴もいないわけだが。
俺は、あごで入れと示した。
枕元の灯だけ点し、俺はベッドに、六花は椅子に座らせる。
何も喋らない。
「で、お前は何しに来たんだよ」
「……」
俺は六花の頭頂にチョップを入れる。
「イタイ」
俺は六花のほっぺたを指でつまむ。
「いひゃい」
俺は六花の左乳を握る。
「はうっ!」
俺は六花の浴衣の前をはだけさせ、乳首を指先でコロコロする。
「は、あぁ」
「お前、いい加減に何か話せ!」
「きょ、響子はどうなるんでしょうか!」
六花は叫んだ。




