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愛玩用の奴隷でした?

翌日は、村の中へ連れ出された。

いろんな動物が出てきた。全員、言葉が喋れる。


なんかの種類の鳥の獣人(ケモノじゃなくて鳥だけど)を見かけて、「l’m from 異世界」と言ってしまった。「なに、それ?」とクビをかしげられ、初めて英語なら何でも通じると思う病に自分がかかっていたことに気がついた。しかも途中から日本語。


真っ赤になったら、バグスがとても嬉しそうに笑った。


「たっまーにワナにかかってくるんだよね。異世界モノはカワイイからなあ」


サカナか鳥が罠にかかったみたいな扱いだな。


「かわいくないよ!」


私は言った。


その場には十人くらいも集まっていただろうか。全員がプッと吹き出した。


長老的な存在らしい凶悪そうな熊男がよだれをたらさんばかりに言った。


「ほんとにかわいいな。自分を見てご覧よ。鏡があるから」


熊男は片手に私の尻を乗せて持ち上げると教会へ連れていった。


石造りの古めかしい建物が教会だった。中は薄暗く、ベンチがいくつも並べられていた。


「大鏡がある」


壁の鏡には人影が映っていた。


熊男と、それから白い顔色をした大きな目の少年。細くすらりとした体つき。クシャクシャと巻いた栗色の巻き毛が頭を覆っている。


儚げな美少年だ。これが、私?

どうせなら美少女になりたかったのに。


「これから、私はどうなるの?」


おそるおそる熊男に尋ねてみた。


「それは所有者に聞かないとな」


もしかして、奴隷なの?




そのあと数日、バグスを手伝ってみたが、バグスの力は恐るべきものだった。馬みたいだ。

やっぱり私は愛玩用なのか。


「ねえ、なんで罠を張ったの? 私、力仕事ダメだよね」


バグスの目に警戒心が浮かんだ。罠を張るのは禁止されているのか?


「心配するな。ずっとここにいろ。嫁にしてやる」


いやいやいや、遠慮したいです。


「私は男だから嫁にはできないよ?」


バグスはキョトンとした。


「一緒に暮らす相手のことを"嫁"と言うんだ。男でも女でも関係ない。お前はまだ幼いが、大きくなったら……」


まさかの嫁育て? じっと熱く蕩けるように見つめるバグスの目が怖すぎる。急いで話題を変えた。


「明日、町まで連れてってくれるって言ってたよね?」


「あー、服買ってやる。リリカ」


男だがリリカだ。本名だからな。仕方ない。誰だ、こんなかわいい名前つけやがって。ウチの親だけど。


「その服はどう見ても、異世界からきましたって感じだからな」


確かに制服のままはおかしい

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