水色の瞳の少女 最強の悪魔となる
鬱蒼とした森の中、
そこには水色の瞳をした一人の少女がいた。
服は所々破けて、白い肌が露出している。
体は痩せこけていた。
少女は捨てられた。
この鬱蒼とした森の中に。
何か悪いことをしたわけではない。
何かの罰というわけでもない。
ただ、生まれつきの能力のせいで、
少女は恐れられ、捨てられてしまった。
少女は恨んでいた。
自分を捨てていった両親のことを。
少女は恐れていた。
時々、低い獣のような呻き声の聞こえる、この森を。
ある時、少女のすぐ後ろで呻き声がした。
少女が振り返ると、そこには化け物がいた。
それは、漆黒の翼と、
細い瞳孔の深紅の魔眼をもち、
軽く少女の三倍はあろうかという高さから
その魔眼で少女を見つめていた。
それの口は大きく開かれ、そこから呻き声が出ている。
目はより一層紅く煌めき、心なしか狂気に満ちている。
少女は命の危険を感じた。
化け物がすでに拳を振りかざしていたからである。
少女は死を覚悟した。
しかし、少女は死ななかった。
その恐れられた能力のせいで。
逆に拳を振り下ろした化け物は、
全身から鮮血を噴き出して、もんどりうって倒れた。
少女は複雑な感情を抱いた。
自分の人生を突き落とした能力に救われたから。
少女はその能力を強く恨んだ。
少女は思い出していた。
一ヶ月前、すべてが狂ったあの出来事を。
「あんなこと…なければ…わたしは…」
少女は強く唇を噛み締めていた。
その時、化け物から黒い霧のようなものが出てきた。
その謎の霧は、すぐに少女を包み込んだ。
はじめは少女はその霧をはらおうとしたが、
すぐに動けなくなった。
その時、少女の心のなかに、
ひどく邪悪な感情が流れ込んできた。
そして少女の自身の能力に対する恨みは、
ついに破壊衝動へと変わり、少女の理性は崩壊した。
破壊衝動に蝕まれた少女の心は、謎の霧を受け入れ、
謎の霧は少女に吸い込まれていった。
しばらくして、少女は目を開いた。
その瞳の色は先程までの水色ではなく、
真紅の魔眼へと変貌していた。
その時にはもう、少女の自身の能力への恨みは、
完全に破壊衝動へと変わっていた。
そしてその目にはどことなく、狂気が宿っていた。
「こんな腐った世界…ぶっ壊してやる…」
少女はそう呟くと、先程の化け物とは正反対の、
甲高い叫び声を上げた。
すると、少女の背中から、
先程の化け物より一回り小さな、漆黒の翼が生えた。
少女は小さく呻き、その翼をバサバサと動かした。
そして少女は、この鬱蒼とした森から翔び立っていった。
『反撃の悪魔』の誕生である。
初投稿です…
諏紅音と申します。
マイペースでのんびり書いていきます。
ジャンルもうどれにしていいか
わかんなかったからその他にしました( ´-ω-)
次は…いつかなぁ?
終わっちゃったらスミマセン(;><)
気に入ってくれたらうれしいです( ´∀`)
いまはまだ拙い文章だと思いますが
成長していきたいものです!
さて、誕生した反撃の悪魔!
まだ見ぬ不死身の魔術師…
どうなるかお楽しみに!