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プルーフ④市長盛衰編

 プルーフが市長になって、1年後カナディアンは旅に出たいと申し出てきた。タリクソンの子分たちの襲撃もなくなってきたので、カナディアンの申し出を受け入れた。

 しかし、この旅の結果、とんでもない事態を引き起こすことに発展した。


 タンキーラ都市はタンク町とスキーラ町そしてその中間にある宿場町を合わせて、約2000人が生活していた、しかし、タリクソンによる乱暴な税金の値上げや通貨税などにより、もともと生活していた住民たちの流出が後を絶たなかった。

 しかし、プルーフが市長になって適切な課税により、流出していた住人たちが少しづつ戻ってきていた。1年の月日により、もともとの2000人に到達しようとしていた。


「タンキーラ都市がようやく元の活気を取り戻してきた。これからは近隣の都市との交易を通じて更なる発展を遂げる方法を考えていかないといけないな」


 タンク町からほど近い場所に廃坑山があった、プルーフはタンク町長になった時にこれから先の経済の発展させる手段の一つとして、廃坑山であるブルート山に目をつけていた。ブルート山は廃坑山であったが、まだまだ若い鉱山であった。廃坑山となるまでは銀の採掘場として、非常に効率的だった。しかしながら、タンク町、前町長であるバイソンは銀が取れなくなると簡単に手放してしまった。犯罪者ギルドの稼ぎで十分だったせいもあったからだ。


 銀山としてはまだまだ算出する能力を持った銀山であった。そこで、タンク町の町長となり、スキーラ町との交易を活性化させることができる手段として考えていた矢先に、タリクソンに乗っ取られてしまったのだった。


 プルーフは戻ってきた労働力の新たな職場として、ブルートさんでの鉱山を開始した。そして、この事業は思わぬ発展を遂げたのだ。銀を算出することが出来るようになり、銀を材料とした武器屋や防具屋が周辺に軒を連ねるようになった。そして、その武器や防具を買いに来る冒険者の為の宿場町が新たに広がったのだ。そして、ここからは転がるように発展していった。


 そして、気が付くとタンキーラ都市は5000人に届く大都市と呼ばれてもおかしくない規模に発展していったのだ。


「おいおいどうなっているんだ、どんどん住人が増えているぞ。だが、これほどの規模の都市になると必ず闇の部分が広がってくるから注意が必要だな」


 そんなある日、タリクソンの子分と称する団体が、ブルート銀山の鉱山権がタリクソンにあると言いがかりをつけてきたのだ。しかし、言いがかりだけならまだしも、集団で鉱山の入山口でデモ行進を行ってきた。そして、鉱山でのデモ行進が過熱化すると、鉱山の親方たちから苦情が上がってきていた。


「めんどくさいな、でも、こんな時にカナディアンがいてくれたら助かったのに・・・」


 仕方ないから、都市警備隊による強制撤去を勧めようとした。すると、都市警備隊の隊長からの報告があった。そこには、


 1このブルート銀山はタリクソンの権利がある

 2権利を譲り受けたのはカナディアンである。

 3プルーフはカナディアンをだまして、タンキーラ都市の市長となりあがったペテン師だ


 代表  カナディアン=ジョブ=パリス


 と書かれた1通の手紙だった。


「ちょっと待て、カナディアンは自分には市長になることはできないから自分に譲ると言っていたんだ。それなのに、なんで急にペテン師だなんて・・・。まて、なんだこの最後の・・・パリス?」


 パリスという名前をどこかで聞いた覚えがあった。一瞬その名前の相手が思い出せなかったが、カナディアンからさかのぼって考えるとカナディアンを紹介してくれた、セリーグの友人のパリスだと思い出した。


「そうだ、セリーグの友人として、カナディアンを紹介してくれたあの恩人じゃないか!結局、セリーグの行方はわからないままだが、結果としてタンキーラ都市を救ってくれた恩人のはずだ。それなのに、なぜ・・・・・」


 プルーフにこの仕打ちが分からなかった。しかし、都市警備隊を何度派遣してもカナディアンを撃退することはできなかった。そして、気が付くと、タンキーラ都市の住人からも『プルーフはカナディアンをだまして、このタンキーラ都市を則ったペテン師野郎だ』といった声が上がってきていた。もちろんこの噂は、パリスが雇ったさくらが広めた噂だった。


「クソックソックソッ、やっぱり周りの人間に助けてもらうとロクなことになりゃしない。せっかく、タンキーラ都市を大きくしても無駄じゃねえか」


 プルーフはせっかく積み上げてきた名声が一瞬で壊れて行くことに限りなくやるせない気持ちになっていった。


「なんだよ、カナディアンのやつ、協力してやったにもかかわらず、もともとパリスの手の者だったって事だろう。仕組まれていたのかよ。クソッ、だましやがって。カナディアンもパリスも絶対に許さない」


 カナディアンの裏切りをどうしても許せなかった。しかし、他人に頼むのはそれはそれで、これまでの失敗を繰り返すことでどうしても気に入らなかった。

 しかし、カナディアンの剣の強さは今の都市警備隊ではどうにもならなかった。気が付くと都市の住人だけでなく、都市警備隊の中からもカナディアン訴えを信じる者が現れ始めた。


 こうなると、展開は見えていた。都市警備隊のカナディアン信奉者たちが旗揚げをして、自分を市長から追い出しにかかってきたのだ。


「おまえら、これまでの俺の行ってきた都市に対する行いと、突然現れたカナディアンとどっちを信じるんだ」

「どうせ、カナディアンをだましたように、俺らを、そして、住民をだましてきたんだろうが」

「俺たちは、このタンキーラ都市をもとの持ち主に返すだけだ!」


 そして、この都市警備隊の反乱分子たちの後ろから、無表情のカナディアンとにやりと不敵な笑みをしているパリスの姿があった。


「なんだよ、おまえら、最初から企んでいたのかよ。今回はお前たちの勝ちでいいさ。しかし、覚えていろよ。お前たちの事は絶対に許さないからな」


 自分のこぶしから血が流れ落ちてきた。くやしさのあまり爪が皮膚に食い込んでいたのだ。


 パリスはプルーフを犯罪者、ペテン師、強奪者などの汚名をあることない事でっち上げて、プルーフを史上最悪の犯罪者としてさらいあげた。


 そして、プルーフは犯罪者としての烙印を押されて、鉱山での強制労働をさせられることになった。しかし、鉱山で働く親方たちはプルーフの事をわかってくれていたので、とてもよくしてくれた。食事は他の労働者と同じに食べることが出来ていた。


『たぬきよりお願い』

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