死神を呼び出した
『オイデ…』
闇の声に導かれて
穂乃香は行ってしまった
死神のサイトへ…
それはすぐに見つかった
[このアドレス宛てに消してほしい人の名前を書いて送れば
その人はいなくなります]
穂乃香は読んでいなかった
最後の文章を
[この世から…]
件名 RE
本文 本間美歩里を消して
下さい
《送信》
「…あ…………」
とんでもないことをした…
美歩里を…
消してだなんて…
大親友を…
幼馴染を…
「いや…」
穂乃香は家を飛び出した
美歩里の家へ走った
ピンポーン
「は〜い?」
「…新井穂乃香です…
み、美歩里は…!?」
「買い物に出てるわ。
待ってる?」
「いえ…」
穂乃香は走った
涙をぬぐって
見えなくても走った
!?
前から走ってくるのは…!?
「穂乃香〜!?」
「み、美歩里!!」
よかった!!
無事だったン…
キキーーーーーイ
ドカアアン
「え…」
うそ…
だって今…
美歩里が…
走ってこようとして…
目の前にあるのは
トラック
その前のタイヤの下から流れているのは…
血…
「いやあああああああああああああ!!!」
嘘だよ!
美歩里がひかれた…
もう少しで…
あとちょっとで…
手が触れるとこだったのに…!!
「いやよおおおおおおおおおお!!」
トラックは逃げて行った
通った後の道に
血の跡を残して…
「ほ…ほの…か…」
「美歩里!?」
血だらけの美歩里が
かすかにしゃべった
「みほりいいいいいい!!」
血だらけの手を握りしめた
「あたし…ね…
あの…サイトのこと…
嘘だったの…
嘘つい…たの…
ご…めん…ね…
ほ…のか…」
「いやよおおおおお!
美歩里!!
死んじゃいやああああああああ!!」
『ドウダイ?』
死神の声…
「どうしてっ!美歩里をおおおお!!」
超ヒステリックな声で叫び続ける
『ダッテ…
メールヲクレタノハ
アンタデショウ?』
そうだ…
あたしが願ったんだ…
美歩里なんか消えちゃえって…
あたしが…
「あたしが殺した…あたしが…あたしがっ…
あたしがああああああああああああ!!!」
もういや
いやだよ…
美歩里は謝ろうとしてた
なのにあたしは
そんなこと知らないで…!
「いやああああああああああああああああああああああああああ」
「…死神…
あたしもつれって逝って…」
『オマエヲ?オマエヲケストイウ
メールハキテナイガ?』
「じゃあ、今送るよっ!」
件名 RE
本文 新井穂乃香を
殺してください
《送信》
あたしの心は
もう決まっていた
罪を犯した人間は
逝かなくてはならない
ンだもんね…
「じゃあね…」
涙を流しながら
少女は今
命つきた
〜完〜