テンプレ色のセカイ
私のモノなんて、一つもなかったんだ。
そう理解したら、すとんと胸に落ちた。
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このセカイに生まれたならば何か傷跡をつけてから死にたいとずっと思っていた。
私が『ここにいた』という事を誰かに覚えておいて欲しかったのだと思う。
人は自分が生きている意味なんて知らない。分からない。
だから、例えただの遺伝子のつなぎ目ではない『何か』を求めるのだと思う。
例えば、スポーツで、
例えば、芸術で、
例えば、音楽で、
私の場合『ソレ』は小説だった。
例え何年何百年たとうと読まれ続ける風化しない小説は私にとって消えることないこのセカイに刻める深い傷にみえたからだ。
まぁ、私に出来そうなものかそれしか無かった。私には例え人に読まれなくても、残ってくれそうに見えたものが小説が都合良く見えた。
日本では、毎年三万の人が自殺しているらしい。
しかし、私は、私の人生の中ではまだ三万という数の人に会ったことはない。人が一生を終えて初めて三万人行くか行かないからしい。
当然、まだ子供の私にはその数は超えていないだろう。
飛び降り自殺
ある日、私の目に止まった新聞の記事だった。
いつもはテレビ欄と中の24面くらいのの端にある日常マンガの四コマしか見ない私なのに、その日はその記事に凄く惹かれた。
記事では、8歳の少年が飛び降り自殺をしたという事が詳細に書かれており、社説では著名な有識者が最近は小学校でもいじめが云々と語っていた。
この少年は、初めてになったんだ。
私は、ふとそう思った。
一人の物語だったのに、その終わりは情報となり、有名な人の詞が入り、新聞により多くの目に晒される。
日本では三万人の人が毎年自ら死んでいるのに
一日にすると、83人以上が死んでいるのに、
その多くは新聞などに乗らず、
誰も知らず、情報とならず、消えていく。
さみしい。
そう思う。
確かに、100年後には今生きているみんな死んでいて
一万年後には、今の人類は滅びているのかもしれない
私が、今ここで何かしらの情報となり未来に続いても、思い出は古び、データは焼け、結局ほ何処かでみんな死んでしまう。
所詮はただの遺伝子で再生可能の物体で意味のある「私」はいない。
でも、だからこそ、「私」が「私」であったことを残したかった。
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そう思ったら、行動は早く。
拙い文章でも取り敢えずまずカタチにしたかったから。
どんな話にしよう
やっぱり、私であったその必要があった、そう思えるような話が書きたい。
ファンタジー?
ミステリー?
ホラー?
恋愛?
コメディ?
書きたいものはたくさんあるの。
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