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空と海の彼方に欠片
日々、死の影が濃くなるアルファ・ゾイズで、なぜ生き残れたか、わからない。
それこそ神を信じるより他には。
神のみこころだとしか。
偶然にしてはできすぎ。
強くて、やさしい人間は皆、死んだ。
あたしたちをかばい死んだ。
宇宙の彼方、星屑のように瞬いて。
あたしは弱く卑怯で愚か。
なのに生き残った、から。
何で生きてるんだろうって思うよ。
生き残るべき人間は他にいた。
あたしじゃなくて。
もっと強くて限りなくやさしい。
そんなひとが。
あたしはそのひとたちみたいに誰かを守って死ぬなんてできない、から。
なるべく多くのゾルベタール国軍を倒そうって。
人間を殺すの。
オリジナルじゃなくて、本国に輸送されまだ生き残ってるクローンかもしれないけど、そんなこといいの。
ひとを殺すんだから。
殺って殺って殺りまくればきっと。
革命軍が生き残る未来は生まれるだろう。
戦闘機の燃料が燃え尽きるまで。
戦闘機、帰還。