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JK無双 終わる世界の救い方   作者: 蒼蟲夕也
●書き下ろしSS
425/433

SS4『ひみつ兵器』

 ある日。

 雅ヶ丘高校、運動場にて。




「ねえねえ、センパイ」

「なんです、麻田梨花ちゃん」

「最近、調子はいかが?」

「いつものとおり。片っ端からゾンビをぶち殺す毎日ですよ」

「うふふふふ。ですよねー」

「それが、どうかしたんですか?」

「うふふふふ。本日は、そんなセンパイにプレゼントがありましてっ」

「ほう」

「ここ最近、探索班の人たちが、あっちこっちから物資を調達してくれているでしょう」

「そうですね」

「それで、――とあるルートから私、ひみつ兵器を仕入れてきたんです」

「とあるルートって、具体的になんです?」

「……………」

「……………」

「ま、まあそれは、どーでもいいじゃないですか!」

「なんですか今の、妙な沈黙は」

「とにかく! ひみつ兵器を仕入れたので! センパイにお試しで使ってもらおうかな、と!」

「別に構いませんけど。……なんか、ごり押ししてません?」

「してません!」

「なら、いいんですけど」

「それじゃーさっそく、一つ一つ、説明していきますね。まずこれは、――じゃん! ”特製ボディスーツ”!

「わあ。……なんか、『エヴァ』で観たことがあるようなデザイン」

「こちら、ただのコスプレ衣装じゃありません! ケブラー繊維を使用してあって、ゾンビに噛まれても大丈夫な防御力なのです! 今回は、センパイに合わせた女性用サイズを用意させていただきました!」

「ほほう」

「そしてお次に、……これは、ちょっとした力作。”全自動ゾンビ狩りロボ”です」

「へぇ。某携帯ショップでよく見かけるロボが、チェーンソー持ってる」

「はい。こちらその、ペッ○ーくんを再利用しています。スイッチを入れたら、盛大なBGMを鳴らしながらペ○パーくんがくるくる回転、寄ってきたゾンビを切り刻む、という。……ちなみにこいつ、いくら使い捨てても大丈夫です。ペッパ○くんの売れ残り、山ほど見つけたので! しょーじき持て余してるんです!」

「可哀想な○ッパーくん……」

「で、次。――”忍法・雲隠れの術”!」

「に、忍法……? なんかこれ、消火器にダイナマイトを巻き付けただけに見えますが」

「はい。仰るとおりのシロモノです。導火線に火を点けて、ぽいっと”ゾンビ”の群れに投げ込んでください」

「用途が意味不明すぎるんですけど」

「そこはそれ! 大量の煙を辺りにまき散らすことで、……長時間にわたって”ゾンビ”を混乱させることができる……はず! たぶん!」

「たぶんて」

「そして最後に、――じゃん。”改造エアガン”っ!」

「おおっ……、すごい。本格的だ」

「こちら、特性の金属弾を発射します。フライパンくらいなら打ち抜ける威力なんですよ!」

「なるほど。これは使えそうですね」

「細かい撃ち方は……えーっと、もともとのエアガンにくっついてた説明書があるので、それを参照してください!」

「りょーかい」

「それじゃ、ひみつ兵器の感想、お待ちしてますからねー♪」

「はぁーい」







 後日。

 雅ヶ丘高校、とある教室にて。




「やあやあ、センパイ」

「どうも、梨花ちゃん」

「それで、……どうでした? ひみつ兵器の具合は」

「それなんですが、――まあ、結論から言うと、どれも実践で使うのは難しいですねえ」

「えーっ! それ、マ?」

「マです」

「具体的に、拙かった点、お教えいただいても?」

「まず、”特製ボディスーツ”ですが、通気性が悪くてめちゃくちゃ蒸れます。しかもこれ、とんでもなく動きにくい」

「Oh……」

「だいたい、ゾンビに噛まれたら、中の肉ごと噛みつぶされちゃいますからねぇ。噛まれても大丈夫なようにするより、噛まれないよう立ち回った方がむしろ、安全なんですよ」

「うーん。そっかぁ」

「あと”全自動ゾンビ狩りロボ”ですが、――これもひどかった」

「え」

「○ッパーくんったら、ぜんぜん重心が安定しなくて、すぐ転んじゃうんですよ」

「ほええええええ」

「それと、”忍法”のやつ。あれそもそも、重くてゾンビの群れに投げ込めないです。普通にダイナマイトを投げ込んだ方がマシですね。かさばるし」

「で、で……でも、”改造エアガン”は? あれは使いやすかったでしょ?」

「いいえ。実を言うと、あれが一番まずかったんです」

「えっ」

「あれ、実際に使ってみると火力がぜんぜん足りなくて、ゾンビを殺すに至らないんですよ」

「そんな馬鹿な」

「よっぽど至近距離で撃てば結果は違っていたかもわかりませんが、……それなら正直、刀を使った方が確実ですからねえ」

「…………うううぬぬぬ」

「――あれ? 梨花ちゃん、なんでそんな、ふくれっ面を?」

「私だって、私だって……。みんなの役に立つって、証明したかったのにぃっ!」

「えっ。もしかしてこのひみつ兵器作ったのって、……梨花ちゃん……?」

「もう、知らないっ! センパイの原始人! 鬼武者っ!!」

「原始人で鬼武者て。ちょ、ちょっと待ってくださいよ。梨花ちゃーん。おーい……」



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