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04-Ⅲ

最近、書くモチベーションがやっと上がってきました。お待たせしていた人には申し訳ありませんでした。

今回はなんか、文字が固まってるんだよなぁ。

「来たか」

 私を視界に納めると同時に、師匠は言った。


「まずは私が見本を見せる」

 師匠は杖を掲げ、魔力を研ぎ澄まさせていく。

「穿て炎槍、フレイムランス!」

 杖の先に炎の槍が形成される。少し離れているのに感じる熱量に、思わず腕で顔を覆ってしまう。

 が、それも唐突に消失する。

 師匠が魔法を霧散させていた。


「こんな感じだ。ミリアの場合無詠唱になるが、イメージさえ出来ればなんとかなるハズだ」

 イメージが大切なのは錬金術も同じだ。

 本来魔法の詠唱とは、その魔法の形をイメージしやすくするためにある。詠唱→イメージの確立→魔力を消費→魔法発動という過程を、私はイメージの確立→魔力を消費→魔法発動という無詠唱の過程で為さなければならない。つまり、無詠唱とは過程を省略する技術であるわけだ。


 私が使える属性は基本属性の聖、それから特殊属性の雷、空間。そしてかすり傷を治す程度の回復魔法。

 攻撃性が一番高いのは雷。ならば雷属性の魔法を使うのがいいだろう。


 想像するのは槍だ。まず求めるのは鋭さ。万物を貫く鋭さを。次に求めるのは速さ。何者にも捉えられない、雷速の一撃を。

 形としては、陸上競技で使用する槍がイメージしやすい。

 魔法名は、そう。


 雷投槍(サンダージャベリン)


 バチィ! という音と共に杖の先に雷槍が形成される。

「······驚いた。まさか一度で成功させるとはな」

 師匠の驚いた声が聞こえるが、こちらはそれどころではない。

(ヤバい······魔力込めすぎた! キャンセルするしても暴発しそう······)

 維持にもそれなりの魔力を持っていかれるので早めにどうするのかを決めないといけない。


 上空に向けて射てば被害は出ないかな?

 思い立ったが吉日と言うし、早速槍を上空に向ける。

 雷鳴のような轟音をさせながら、槍は一瞬で見えなくなった。

 木が抜けたのか足から力が抜けて座り込んでしまう。


「速いな······落雷みたいだ」

 師匠が空を見上げながら呟いた。それはそうだろう。音の速さは秒速約340m。落雷の速さはそれよりも速い秒速約150km。人の目に捉えきれる速さではない。もちろん、現代科学の高性能ハイスピードカメラでも落雷をコマ撮りするのは不可能に近い。いや、もしかするとこの世界の超高レベルの存在、具体的には800越えならば見えるかもしれない。


[雷速を望みましたから。それ以外は考えられませんでした]

「ふむ。あれはもはや中級の魔法ではないな。上級に分類してもいいかもしれない。本当はもっと後に教えるつもりだったんだが、魔法の改良や制作は魔法使いの弟子卒業のための試練なんだ。それをこうもあっさりと······。魔法使い協会に行けば、今の時点でBランクは固いだろうな」

[Bランク、というのはどのくらいですか?]

「そう言えばまだ説明していなかったな」


 そう言うと師匠は、説明を始めた。

「まず、ランクはABCDEがある。基本的には総合でランク付けされるものだ。このランクは、大雑把に言えば『戦場でどれだけ役に立つか、生き残れるか』という指標になっている。だから、どれだけ強大な魔法が使えようと、魔法しか使えないのならCランク以上に上がることはない。上級魔法が使えればCランク、護身のためでも一定以上の近接戦闘も出来ればBランク。そしてBランクで魔法の開発、改良が出来るのならAランクになれる。つまり、Aランクになって初めて、魔法使いとして真に認められたということになる。そして、ここからはオフレコなんだが······Aランクの中でも上位五人のことを、賢者という称号を与え讃える風習がある。賢者と呼ばれる者はどこか頭のネジがブッ飛んだ奴が多いから、賢者=魔法が好きすぎて頭のおかしい奴等なんて言われている」

[と、いうことは師匠も賢者なのですね]

「そうだけど私は頭のネジはちゃんと付いてるからな!」

[サイズが合ってないんですね分かります]

 ぐぬぬ、と師匠が唸る。事実なので言い返せないのだろう。


「まぁ、いい。ともかくだ。ミリアは魔法に関してはセンスもあるし私の予想以上に上達している。あとは、戦況を見定めて実戦で使えるかどうかだな」

 実戦、か。師匠の奴隷であるわたしにそんな機会あるのだろうか。

「男性恐怖症がマシになれば外出先で私の手伝いをしてもらうこともあるだろう。例えば、高ランク冒険者が必要な魔物狩りだったりな。それに、この家には結界が張ってあるから魔物は近寄らないが、もし破られた場合ミリアを守りながら戦うのは難しい。だからミリアにも戦えてほしいんだ」

 師匠の言うことは分かった。なら、わたしがとやかく言うことはない。

[分かりました、頑張ります]

「なら、早速模擬戦するぞ。ルールは無しだ、行くぞ!」

[え、ちょっ、待っ──アッー!?]


 師匠が強すぎて笑えません。今までからかってきたの謝ったら、許してくれないかな? 無理だよね、知ってた。

巌窟王氏、最終再臨!

なお出番はいつになるか分からない模様。

ジャンヌオルタの方が欲しかった。

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