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Green Bird Ⅰ  作者: 星沢ソラ
プロローグ
3/7

プロローグ Ⅱ

   気づくと少女は草原で寝ていた。

   森に出たときに安心して寝てしまったのだ。

   空が夕暮れの赤色に染まりかけている。

   少女は体を起こして辺りを見渡した。

   すると先程の少年が自転車に寄りかかり、何かを作っていた。

   少女が起きたのに気づいたのか、少年が少女に向かってきた。

   少女はいきなり少年が向かってきたので、顔を下に向けた。

  「あっ起きた?びっくりしたよ!でたときによんでもへんじしないから」

  「ごめんなさい…」

  「んーん。きにしてないよ。ねえ、これあげる!」

   そう言って手渡されたのは、少しいびつな形をした花冠だった。

  「はじめてつくったから、じょうずにできなかったけどね」

  「ありがとう」

   少女は顔を下に向けたまま礼を言った。顔を見られるのを恐れているのだ。

  「あのヒヨコさんは?」

  「ピー!」

   ヒヨコは少年の肩に乗っていた。

  「ヒヨコさんもありがとう…」

  「ピー!!」

   少女の声に応えるように、ヒヨコが力強く鳴いた。

  「---のてれやさん!」

  「ピー!」

  「…なかよしさんだね」

  「うん!でも、きょうからキミもなかよしだよ!」

  「ほんとう?」

   少年の言葉に少女は少し驚いた。

   今まで自分に仲良しだと言ってくれるヒトがいなかったからだ。

  「うん!じゃあ、そろそろいこうか」

  「どこに?」

  「こーばん!おまわりさんはなんでもしっているから」

  「うん」 

  「じゃあ、じてんしゃにのって!」

   顔を見られたくないように振舞う少女を不思議に思いながらも、少年は肩にヒヨコを乗せて、自転車を押し交番へと足を進めた。




   少しして交番に着くと、少年は建物の前に自転車を止めて、大人のヒトを呼ぶためにヒヨコを少女の肩に乗せて、建物内に入っていった。

  「この子が迷子の子なんだね」

   そう言って一人の警察官が少年と共に出てきた。

  「うん!」

   警察官は少女の顔を見るために屈んだ。

  「!」

   少女の顔を見た警察官は言葉を失うほど驚いた。

  「ううっ」

   警察官に対して怖くなったのか、少女は泣き始めた。

  「あー!おまわりさんなかした!いけないんだ!」

  「ピー!」

  「ああ、すまん!泣かないでくれ!」

   少年とヒヨコにダメ出しされ、警察官は少女を慰めようとしたが、泣き止まない。

  「んー…!」

   少年は良い考えが思いついたようで少女の前に立った。

  「ねえ、さっきいったよね。ボクがいればだいじょうぶだって」

   少年がそう言うと、すると少女は泣き止んだ。 

  「ねえ、キミのかおみてもいい?」

  「……うん」

   少女は少し迷って返事をすると、初めて顔を上げた。

  「うわあ!キレイ!」

  「!…ほんとう?」

   少女は驚いた。

  「うん!あおときいろのめキレイ!」 

   自分の異色目を見てキレイなどと誰も言わなかった。

   少女は初めて見る少年の姿をまじまじと見た。

   緑色の髪が風に揺れて、哀愁を感じる姿を少女は忘れないと思った。

  「ねえ、キミのなまえは?」

   少年が聞いてきた。

  「!-------…」

  「---だね!ボクは-----っていうんだ!こっちはあいぼうの---だよ」

  「-------だって!?ちょっと待っていてくれ」

   そう言って警察官は交番の中に入って行った。

  「どうしたんだろう?」

  「ねえ…」

  「ん?どうしたの?」

   少女は少年の服の袖を引っ張って声をかけた。

  「もうバイバイかな…」

  「んー。たぶん…でも、またあえるよ!」

  「!…うん!」

   少女はその日初めて笑った。

  「ピー!」

  「やっとわらったね!じゃあ」

   少年は小指を少女の前にさし出した。

   それに反応して少女も小指を出す。



  「やくそく!!」

平仮名だけの会話って難しいです。

そう考えると漢字は便利だと、痛感します。


これで、プロローグはおしまいになります。

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