1/5
プロローグ
「…ゲッ。やっばい、もうこんな時間………ッ!」
「あせるなあせるな。アイツのコトだし、今頃コーヒーでも飲んでお前のことなんか忘れてるよ」
「るっさああああああああああい!んなわけあるか!ふざけたこと言わないで!」
…むせるぐらいの暑さのなか。
…少年と少女が走っていた。
「…うわぁんっ、もう9時…!もうだめっ…」
「あれっ、何時に着いてればいいんだっけ」
「8時半よ!」
「…バカか…」
この少年と少女には、約束があった。
大事な大事な、約束があった。
「先生の家までどれくらい?!」
「あと1キロぐらい!」
「…走るぞオラーーーァアア!」
その約束とは、
…有名な画家のアシスタントだった。