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無名の新人




 「……………」


 「私を助けるために右腕なくしたんでしょ?だったらその償いはさせてほしいの。私は腕が立つ方だから役に立てるわ!貴方には、今必要よね?普段の生活も手伝ってあげる。いろいろ変わって大変になったでしょ?それくらいはさせてほしいの。男女なんだからとかは遠慮しなくてもいいわ!それくらいは覚悟の上よ?その…経験とかはないけど…そっちも上手くやってみせるわ!とにかくまずはパーティーを組んで仲を深めましょ?良いわよね?前のパーティーはソロでいたら誘われただけだから気にしなくてもいいわ。あの時だけのパーティーだったし、深い仲と言う訳では無いわ。本当よ?私から誘ったりしてないわ!そ、そう言うのは貴方が初めてよ?」


 「……」


 いきなりまくしたてられてもな…

 と言うか、あの時のドラゴンから助けた子か!

 えっと…パーティー組みたいって話か?

 多分そうだよな…


 「どう?いいわよね?」


 なぜ自信ありげなんだ?

 普段に断ってもまた来そうだな…こりゃ。


 「勝負をしようか、ギルドで!それで一撃でも俺が貰ったら、君の条件を全て飲むよ。」


 「?一撃、一撃で良いのね?分かったは受けてあげる!」


 「……」


 とても嬉しそうにギルドに入っていく。

 …勝算ありだったか?マズったかな…






 ギルドの訓練所で、お互いに木剣を構えて対峙する。


 「フフッ本当に一撃で良いのね?」


 「いいよ、いつでも打ち込んで来てね?」


 魔気集中をして相手を見る。

 体から溢れ出る魔力が、少し体内に吸い込まれた。

 身体強化を使ったな、かなりわかりやすく見えるようになったな。

 

 その後にかなりの速度で、木剣を腰に溜め急接近してくる。

 速いな、新人でもずば抜けて速いんじゃないかな。

 

 正面にたどり着いた瞬間、また魔力が体に吸い込まれた。

 スキル技だ、体がぶれて見えるわけではないから突きかな?

 

 加速にスキル技を乗せた突きが放たれる。

 速さだけで言ったら、避けられる者の方が少ないんじゃないか?これ。

 

 そんな事を考えながらその突きを躱す。

 躱すついでに構えた木剣を、相手の顎下目掛けて振り抜く。

 スコーンッ!といい音がすると同時に彼女が崩れ落ちた。


 「な…なんで……まだ…」


 「しばらくは動けないと思うよ。」


 木剣を彼女のそばに転がす。


 「それ片付けといてね、じゃ!」


 「ま…ってっ!…」


 「また強くなったら挑んでおいで。そしたら相手してあげるから。」



 それだけ伝えて帰った。

 名前は次に会うことがあったらでいいかな?

 一度は偶然、二度目は運命って誰か言ってた気がするけど…全然そんな気にならないんですけど…


 あの子は才能がかなりありそうだから、次があれば同じようには行かないかもな。

 俺も精進しないと。

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