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原因



 引き返した方がいい!

 聞いてはもらえないだろうなと思いながら言ってみた。

 進むみたいだね。

 一応、気を付けて進みましょう!

 そう言って降り始めた。


 実を言うと俺も見たくはあった。

 何がいるのか、どの程度なのか…

 彼等のせいでは無い。

 俺のせいだ。

 謝るつもりはないが後でそう思った。

 


 階段がしんどい。

 壁に手をつきながら彼らについて行く。

 途中で予想がついた、ドラゴンだ!しかも飲み込まれたなら名前持ちになっていてもおかしくない!

 それも彼らに伝えた。

 そんな訳はない、5界層だろ?と返された。

 普段を知らないからわからないんだろうか?

 かなりヤバい気配がしてるのに。



 5界層…気配察知に反応がある。

 察知出来る全ての場所から、この層全体が魔物になった様な反応だ…

 いる、しか分からない。

 4人は少し前を歩いてる、警戒はしてるみたいだ、ゆっくり進んでる?

 ゆっくりに見えてるだけか?

 前にもこんな事…




 光と同時に4人の方に、火球と言うにはデカすぎるエネルギーの塊が向かった。

 速い!


 極限まで気力を研ぎ澄ませても間に合うか?

 少し距離を取りすぎた…



 火球に先頭の1人が触れると同時に消えていく…装備関係なく蒸発していく、本人は気づいてないのが救いかもしれない…


 2人目3人目は1人目が消え去った後に消え始めた…


 日頃から左で短剣を振るっているからか、4人目を左手で掴んで、火球の進路から引き抜きその場を離脱した…

 足は引き戻せた…引き戻そうと少し曲げた右腕は…

 火球に触れたところから服、皮膚、肉、骨…

 纏い関係なく消し去っていった。


 人1人を抱えたまま、その後に飛んで来る火球を躱す。

 強化加速があれば出来る。

 こちらに、羽を広げ低空飛行しながら体当たりをしてきているドラゴンに対しても!

 

 ふざけやがって!


 足の爪、牙、棘のついた尾を振り回しただ暴れる。

 それがドラゴンの攻撃なのだろうな…


 ふざけやがって!


 当たれば脅威…そんなもんなんだろドラゴンも。

 躱されてるのに攻撃パターンは変わらない。

 距離を取られれば火球を放ち、突進をする。

 それのくり返し、ただそうするだけでよかったのだろう。

 そう思わせる攻撃だ。


 ふざけやがって!ふざけやがって!ふざけやがって!


 ただ火球の威力があきらかにおかしい。

 基本牽制や足止めにブレスは使うらしい。

 それが鎧を着た人間を消し飛ばすのはあきらかにおかしい。

 ドラゴンの首の近くの鱗が目新しい…逃げて名前を持ったか…



 ふざけやがって!ふざけやがって!ふざけやがって!ふざけやがって!ふざけやがって!



 纏い…俺の努力をただ消し飛ばしやがった!

 アホみたいに同じ事しかしないくせに!

 ああ?舐めやがって!


 火球を避け、突進のタイミングで宙返りでドラゴンの背を見る。

 左手は抱えている、魔気力体を形成し、短剣を居合の様に振り抜く!


 ギンッ



 また距離を取り…火球を躱し、ドラゴンがこちらを向いているのを確認し、圧縮した魔力を放つ。

 自身の目の前には闇属性の魔力を展開し、目線を下にする。

 カッと光が照った後、魔力を霧散する。


 暴れるトカゲの出来上がり。


 クソ野郎が!



 階段に向かって撤退した。

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