予兆
朝食のパンを手に取り口に運ぼうと持ち上げた。
パキッと皿が2つに割れる…
昨日デルトから話を聞いたばかりだ…
やな感じだな…
ドラゴン来たりしないよな…
ロゼに謝ってからギルドに向かう。
最近は朝にギルドに向かっている。
デススパイダーの糸玉の納品依頼が出ている時があるのだ!
少し割高で買い取って貰えるが、指定してある数が多めだったりする。
そこを確認してからいつも行くようにしていた。
少ないと依頼をクリア出来ないから。
今日は依頼出てるかなぁー
そんなふうにギルドに入る。
「おい!荷物持ち!付いてこい!」
…俺?
「片足のやつ!荷物持ちだろ!稼がせてやる!付いてこい!」
俺っぽい…
振り返ると4人の冒険者がいた。
見たことないな?新人か?
………それよりも……
力で分からせる事は出来る、簡単に。
ただ…コイツら死にそうだな、一目見て思った。
見た目変な所はない…でも死にそうだと思った。
ハー、付いてってみるか…
助けられるか分からんけど…
気の所為ならそれでいいしな。
なんとなくそう思い、カウンターから心配そうな視線を受けながら、彼等の元に向かった。
自己紹介とか、あいさつなしに迷宮に向かうらしい。
女一人、男3人の4人パーティーだ。
男3人は浮かれてんな…
俺はラッキーらしいぞ、彼等が言ってるからな。
名前も知らんからハーとしか答えれんけど…
女の方は足手まといにならないといいけど…だって。
ぶっ飛ばしたい!って、ちょっと思いました。
ただ、見下してくる感じではないからな、悪い奴らではないんだろうな。
ある程度、実力をつけてからリッツに来る者もいる。
彼等がそうなんだろうな、野生の魔物相手に戦った事があるのだろうな…
3層でそんな動きをしている…ただ男3人は力任せ、スキル任せ、そんな感じの戦い方だ。
女の方は、基本がしっかりしていて体のブレも少ない…強くなるだろうな、そんな感じがする。
なんでパーティー組んでるの?
そう思った。
ついてこれるのね…
なんか言われてる、ハーと答えた。
様子が少し変わったのは4層に入ってからだ。
危なくなった訳じゃない、数が多い!
入って直ぐに50体くらいポイズンスパイダーがいた、その後ゴブリンも固まってる。
危なげなく捌いてるがおかしい。
多すぎる…
中間を超えると逆にまったく魔物が見当たらない…
…マズイか?これはあきらかに異常だ。
警戒したほうがいいと伝えてみた。
俺等がいるから心配するならしい…
……少し自分に気合をいれる。
救えるなら救う、じゃないと俺まで死ぬなこれは…
そんな気がした。
5界層に降りる階段まで来た時…今まで感じたことの無い威圧感を階段が放っていた。
異常はこの先だ!




