無情
お金を貯める…それに今、1年は費やしているらしい。
ステータスが教えてくれた…
25になっていた…
目標金額まで、後半分…
くり返しの日々はあっという間に過ぎてしまった。
少しモヤッとしたものを感じながら…
「よう!アイツラは王都に向かったみたいだな。」
ギルドの食堂で肉焼きをいつもの様にほうばっているとデルトが声をかけてくれた。
「もうオーガを倒して、11界層まで行ってるんだ妥当だろ?」
「早いよなアイツラは、帰って来た時はBランクか!」
「そうだろうな…」
アイツラとはカトラ達、華剣のパーティーの事だ。
オーガを倒して界層を下げたため、王都にランク試験を受けに行ったのだ。
上を目指すならそうするらしい。
普通は…
「人気とかも出てくると思うぞ?アイツラは見栄えがいいからな!」
「そうかもな、美女揃いだしな。」
「お前はいいのか?実力は十分すぎるくらいだろ?」
…俺はそこを目指していない。
だからいい、ランクは今のままで。
多分、力を更につけたとしてもそれは変わらないと思っている。
………
「俺はいいよ、先輩より下でいい。」
「フッお前はそんな可愛いやつだったか?まあいいや、死なないなら好きにやりゃいい。俺等はそんなもんだろ?」
「そうだな…」
鼻で笑われた…
そんなもんか…
そうかもな。
「それにしてもタイミングが良かったな、アイツラは。」
「なんかあったのか?」
「あ?近くの公爵領でよ、ドラゴンを討伐しそこねたらしい。近いうちに捜索隊が組まれるぞ。Bランク以上はお呼びがかかるかもな。」
「こっちに来たのか?」
「さあな、その辺はまだ言われてねーけど…ほっとくのはヤベーからな、探しはするだろ。」
ドラゴンはスタンピードの原因になりうる。
発見しだい討伐が基本だ。
「それを失敗したのか…」
「Sランクも含め討伐隊はしっかり組まれたらしいが…ドラゴンの方が一撃食らって逃げたらしいからな。普通はそんな事は起こらないからな、不意を突かれたんだろうな…」
「珍しいな…」
ドラゴンなどのスタンピードの原因になるほどの魔物は逃げる事をしない。
生まれた時から強いため逃げる必要がない。
そう言われている。
「ま、俺らが見つけてやるから心配すんな!」
「ああ…」
今ので不安が増したんだが?




