いい朝
昨日18層への階段を見つける事ができた。
今日は向かうつもりだ。
場所も覚えた、問題ない!
迷宮内が洞窟型から、草原、森と変わってくれたことで階段の位置が覚えやすくなった。
洞窟型は5界層までは真っ直ぐでいいけど、そこから下は道順を覚えないといけない。
右、真ん中、右2番目とか、割と面倒くさい。
ただ、草原になった辺りからは、降りる階段から、登る階段が見える様になった。
天に伸びる柱みたいに見える。
そこまで真っ直ぐ飛んでって、どの向きに登る階段があるか覚えるだけでいい。
ただ…最近は距離が伸びたからな…登る階段の見える幅を記録して、だいたいの距離を割り出しとかないとダメかもな…
距離が伸びるとけっこう誤差がでかいからな。
階段のある辺りの景色が違えばいいけど……一緒だから。
まだ迷子にはなっていない。
そんな事を考えながら宿を出ようとした。
「やあ!いい朝だね!」
「……恩人…おはよう…」
ルシアと迷宮で大豆バーをあげた子が一緒にいた。
「おはよう」
一緒にいるって事は魔技の子なのか?
多分そうだろうな。
「ファム?知り合いだったのか?まさかタイガに会うために夕弦亭についてきたのかい?」
「………大豆バー買いに来たらいた…」
「大豆バー…なんだい?それ。」
「……………、………恩人…」
ファムと呼ばれた子が、ルシアを見て俺を見た。
なるほど、コイツにもやれと?
「これだこれ、夕弦亭で売ってるんだよ。」
ルシアに大豆バーを差し出した。
「…………恩人…」
ファムにも必要みたいでした。
言ってくれればあげるから、あるからまだ。
ファムにも渡す。
「?!甘いな、悪くない、お菓子かな?」
「いや、俺は迷宮内の携帯食に使ってる。干し肉に飽きちゃったんだよな。」
「なるほどな、ウチでも採用しよう。肉を好む者も居るから全てとは行かないが、コレなら喜ぶ者も居るだろう。」
「……さすが団長!…」
「うむ!そうだろう、そうだろう、な!」
そうですか…頑張ってください。
「では!」
「まて!」
……速いな止めるの。
「…なんでしょう。」
「私からのプレゼントはどうだったかな?直ぐに広まっただろ?喜んでくれたかな?」
あー、やっぱなんかしてくれたんだな。
その日に広まってたもんな、勧誘の噂が…
クランからの勧誘で迷惑してなかったから実感はなかったけど…
俺のためにしてくれたらしい。
「ありがとう、助かった。」
多分…
「……………」
「……大豆バーなくなった…」
一本までね、さすがに。
なんかルシアがジーっと見てくる。
「何?」
「いや、素直にお礼を言われるとは思わなかったからビックリしてしまったよ!」
「……大豆バー…」
一本まで!
「それくらいはな……行ってもいいか?」
「ああ、気を付けてな!」
「…大豆バー…」
テメーで買え!




