途中
今日は15層に行こう!
14層では何も見つからないまま、23才になった。
それは別にいいんだけどね。
空中移動も様になってきたな、迷宮内を移動するのにかなり便利で、隠密と併用すれば見つかることはない。
今のところではあるが。
フィールドでは空中、階段では天井付近を壁走りと使い分けながら走っている。
基本的に迷宮内で走るのは変えていない。
魔力消費をある程度気にしなくて良くなったのは本当に助かるな。
休憩しながらは降りるまで時間がかかる。
走りきれる方が時間的にかなり早い。
降りる階層増えたからマジで助かる。
なんだ?
なんか一人でいるな…冒険者が…
怪我でもしたのか?
11層、俺が苦戦したボブゴブリン上位種がいる層だ。
苦戦することもあるだろう、俺以外も。
ここからは魔物が戦術的行動をとってくる、苦戦するの分かる、俺!
気配察知して空中から眺めると、開けた場所に一人で座り込んでいる。
何かあったか?念の為慎重に気配を抑えて近寄っていく。
?胸を押さえている、苦しんでるのか?
水色ロングヘアーだ女性か?
地上に降り背後から少し近寄る。
声をかけた方がいいか、あ?なんか食ってんのか!コイツ!
「……!あなただれ?…………いい匂い…」
あ、気づかれた。
なんか女性と言うより少女っぽいな、見た目は…ただ、近くて見て分かったけど…カーキさん並に強いぞコイツ!
背は低くないけどなんか幼い感じするな。
手には干し肉、食事中でしたか。
失礼。
「だ、大丈夫か?」
「問題ない、私は強い……いい匂いする」
さっきからなんか言ってんな、何処かで俺が使ったセリフな気がするが、気のせいだろう。
「えーと、どんな匂いだ?」
「…甘い匂い………何かもってる?」
……コイツ大豆バーの事言ってんのか?
「あー、これいっ!」
…………
渡そうとしたら奪われた…
「………うまい、甘い…肉よりこっちのがいい…」
「そうか、夕弦亭って宿で銀貨1枚で売ってるぞ」
「!今度買いに行く…」
「そうしてくれ、今ある分やるよ、俺の分一本だけもらうけど。」
5本くらい持ってけ。
俺は無料で貰えるからな。
「いいの……命の恩人、感謝…」
さっき問題ないって言ってましたけど?
「それじゃあな!」
「…ん!また…」
ただ飯食ってただけだった。
でも迷宮内で一人でいるって珍しな、勘違いしちまった。
何してたんだ?休憩中だっただけか?
すぐに危険はないと思って声かけなかったけど…匂いで気づかれたな。
人族っぽかったけど…ハーフの人か?
見た目分からない人もいるらしいからな。
ちょっと距離あったのに匂いで気づかれたからな…
食い意地張ってるだけとかないよな?




