義足
見慣れた扉を開けてもらい中に入る。
「………おまえ…それ…」
「頼めるかなおっちゃん。」
「座れ!その足のサイズ布測りで見る!」
「ありがとう。ミルドの剣は念の為ギルドにもう一回報告しに行ってもらえる?」
「…ハイ…分かりました。」
椅子に座らしてもらってから見送る。
「……何があった…」
「名前持ちが3層にいた。」
おっちゃんが測りながら聞いてきた。
「なんだ魔物は、」
「ダークウルフ」
「!?なんでそんなもんが3層なんかにいやがる!」
「いや、分からんよ俺も…でもいた。」
「チッ運が悪かったか…迷宮が飲み込んだ奴かもな…」
「飲み込む?」
「迷宮が名前持ちが近寄った時にたまに中に飲み込むんだよ。外で見つかんなくて迷宮内に居たりする。」
…どうだろ、てかそんな事あんの?
「滅多に起こらねーが、ないわけじゃねー、それで死ぬやつもいる。」
「そっか、気をつけるよ」
「………それでどうにかなるんなら、そうしろ!今簡単なもんを作ってやる!待ってろ!」
そう言って奥に入って行った。
助かります。
どれくらいだろうか、少しウトウトしてたら足音が聴こえた。
「簡単なベルト付きの受けと棒をつけた。これで立てるだろ、つけてみろ!」
「ありがとう!おっちゃん!」
受けの部分に太ももを入れベルトを固定する。
「おお!立てる!ありがとうおっちゃん!」
「……何かあればすぐに来い!とりあえずはそれ付けとけ!」
ふー、これでひとまず歩けるか…
「後、おっちゃんこれ直せるかな。」
あの時、短剣に違和感があった。
鞘に戻す時も引っかかったしな。
「…こりゃーおまえ、これで戦ったのか!良くこれで……生きて帰ってきた…」
「おっちゃんの剣だしな。」
「………おまえ…ふー、直せはする、ただ…もう辞めとけ、違うのにしろ!」
「金貨5枚くらいの短剣ある?」
「……ちょっと待ってろ。」
すぐに一本のシンプルな見た目の細身の短剣を持ってきてくれた。
「…持ってみろ。」
受け取ってクセで纏いを流す。
「!なにこれ!」
「ほう、わかるか?ソイツも余ったやつで作った、ミスリル合金の短剣だ!ミスリルを合金で使った奴だからそんくらいで売れる!持ってけ!」
「いや、軽くて細いんだけど……」
「あ?ソレが普通だ!お前が使ってた方がおかしいんだよ!バカヤローが!文句も言わず使い続けやがって!こっちが用意した意味がねー!いつまでも眠らせやがって!定期的に来てただ帰りやがって!馬鹿なのかオメー!ああ?」
「いや、すんません。」
「チッ、ベルトよこせそれも変えろ!」
怒りながらいろいろやってくれた。
ありがとうおっちゃん。




