まずは正面から
いろんな視線を感じながらギルドまでたどり着いた。
運ばれてるようなものだからな…
「タイガさん!それは…」
あー…
「エルミルさん、3層で名前付きに遭遇しました。」
リュックから手に入れた魔石とドロップしたものをだしてもらう。
「遭遇した魔物は全て倒しましたが、念の為注意を呼びかけてください!お願いします!」
「………分かりました、こちらは鑑定させて頂きます。
遭遇した魔物の特徴など教えていただけますか?」
「5体の黒いウルフでした」
「!!……3層で間違いないですか?」
「はい。」
「少しお待ち下さい。」
エルミルさんは直ぐに冷静さを取り戻して対応してくれた。
…………。
こういう時はどうしてあげれはいいだろ。
「名前付きのダークウルフの魔石1つ、ダークウルフの魔石4つ、名前付きのダークウルフの毛皮1つ、ダークウルフの毛皮1つ、確認させていただきました。
名前付きの魔物の素材はオークションに掛けられますか?」
即金が欲しいな今は。
「ギルドで買取をお願いします。」
「かしこまりました。名前付きの魔物の素材が全部で金貨20枚、ダークウルフの毛皮が金貨1枚、ダークウルフの魔石が全部で銀貨2枚、合計で金貨21枚と銀貨2枚になります。よろしいですか?」
「はい、お願いします。」
いい金額になったな。
ミルドの剣の子らが驚いてんな。
「こちらになります、お確かめください。」
「ありがとうございます。」
受け取ってポーチに入れる。
「エルミルさん、両手を出していただけますか?」
「えっと…こうですか?」
差し出された手を自身の手で優しく包んだ。
「あの…、タイガさん?……」
珍しいなエルミルさんが動揺してるのは…
薄紫の髪、左目の下に泣きぼくろがある、初めてあった時は恥ずかしくて言葉も詰まってしまった。
あれからほぼ毎日、顔を会わせている。
いつも微笑んで迎えてくれた、まあたまに怒られてた気がするけど…今はいい。
感謝している、今強くあれるのもこの人のおかげかもしれない。
だから
「エルミルさん、俺が選んで彼等と行ったんです。俺が選んで戦ったんです。あなたのせいでは無い、あなたはむしろ彼等を救ったんです。だから悲しまないで欲しい、苦しまないで欲しい。俺は大丈夫だから、また顔見せに来ますから、その時はお願いします。」
「……、………はい……おまちしてます。」
目を見て正直に言おう。
まずは正面からだろいつも。
「すまんミルドの剣はもう少し付き合って欲しい。」
「ハイ!任せてください!」
ではいきますか!
おっちゃんのところへ!




