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トラウマ



 いやーよきかな良きかな!

 かなりいい気分で迷宮の出口の階段を登りきった。



 そこはいつもの光景と少しだけ違っていた。




 端に避けられ布を被せ並べられたもの。

 あれは…遺体だ。


 何体かある。

 そして、ソレにしがみつき泣き崩れる者、静かに腕を組み佇むもの、それぞれではあるが哀しんでいる。


 あきらかに何があった。


 ソレがわかる光景だった。





 浮かれた気分に冷水をかけられた感じになった。

 多分顔色は変わらないが、手が震え、強く握りしめてるのが分かる。


 目立たない様に静かに息を吐き出し、動き出す。

 とりあえずギルドにいこう。




 歩きながら考える。

 どうしても考えてしまう。

 確認は取れなかった、怖くて…

 失うのが怖くて…

 それを自分が弱いからだと無理やり納得させそうな自分自身も怖くて…



 最近になって気づいた。

 人と関わることが増えて気づいた。

 誘われることが増えて気づいた。


 得られることよりも失う事を恐れている。

 その事を、普段は感じない。

 ただ…何かあった時、喜ぶ一方で考えてしまう、最悪の事態を。



 もっと恐ろしいのはそれでも変わらないと言う事実。

 自身のせいにして、さらに進もうと言う事実。



 どこか狂ってるのかもしれない。

 いつからだろうか。


 多分最初からかもしれない。


 自己中なんだろう、そう思う。

 




 フー少し気持ちが落ち着いたか…

 手が開けるようになってきた。

 とりあえず話聞いてからだな。


 多分間違ってなければ名前持ちだろうな。

 何処で出たんだろ?けっこう下っぽいな。


 冷静に考えればそうだな、11層にいたしな俺。

 特に気配察知に反応はなかった。

 全ての範囲が分かるわけじゃないけど、騒がしい感じもなかった。

 多分大丈夫、最悪はないと思う。

 可能性は少ない。


 最悪を想定はする、ただ…呼吸が荒くなる。

 それだけで済めば儲けものだ。


 それでも俺は変わらない。 

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