教育の必要性(異世界版)
「おい!起きろ!朝だぞ!支度しろ!」
「ぉおはようございます…」
「!?あん?あー…………フッ…」
ライセルさんが驚いた表情をしたが、直ぐ元の調子に戻っていた。
「あー起きたか?昨日と一緒だが朝飯だ、食ってくれ。」
「ありがとうございます…何から何まで、すみません本当に…」
感謝することしかできない…本当に。
「あー…まぁ気にするな、とは言わんが、まあ、手を貸したのは俺だ、ある程度は世話してやるさ!
ただ…話通じなくて踊り始めたときは、どうするべきか迷ったけどな。間違ってなければ、こまってただろ?」
「はいあの時は、自分でも…こ?と?ば!」
あれ?通じてる?俺
「何か、してくれたんですか?…」
ライセルさんはニヤニヤしている?
「いんや?な〜ん、にも…」
「え?じゃあこれは?魔法?かけて…くれた?とか、ではなく?」
まさか?才能?
「違うな。」
ライセルさんは否定する。
「魔法使えますよね?ライセルさん。」
「使えるが、そんな便利なやつはなぁないな!」
「じゃあ、なんなんですかね?」
「コレじゃないかってヤツならわかるぞ。」
「なんですか教えてください!お願いします!」
「あー、まず…、自分をみろ。」
とりあえず右手を見た。
「いや違う違う!ステータスをみろって!」
!?あるのかそれ!
目を閉じて
「ステータス!」
と唱えてみる?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
双間 虎(17才)レベル1
MP100/100
SP100/100
言語理解
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「いや、目とじなくていいぞ…」
サッと目を開けた…あっイメージでわかるのか、これ!なるほど…便利だ!
「すみません…なるほど…」
ライセルさんがニヤリとしている。
「でてたろ?スキルが。」
スキル!これか?
「はい、ありました。言語理解とでてますね…」
「理解…理解か…それはまた広い範囲のがでたな!」
「広い範囲ですか?」
「あーその、だいたいの場合、言葉が通じればいいって考える訳よ、これはわかるな?」
「はい。」
「だから、意思疎通とかが出る。」
「なるほど…」
「ちなみに俺がそれだ!言葉分からんと殺し合いになったりするからな、普通に。分からんと怖い。」
「……………ヤバいっすね。」
「だろ?まあ冒険者やってた時はな、ないと危ない時あったからなー、正直助かった。」
やっぱりあったか!冒険者!ちょっと情報量多いな、喋れるようになってからペースがすごい!怒涛の勢いで世界がせまってくる!
「冒険者!あるんですね!」
「ん?あーあるぞ、俺は引退したけどな。年取ってくると、な。死にたくはなかったし、金もそれなりに溜まったからな…。
それで、今は趣味で行商人をやってる。
昨日話したけど…わかんなかったか…やっぱり。」
「すいません、聞いてはいたんですけど…」
「いや、いい、一生懸命きいてたもんな?おまえ。」
「いや、はい…」
「フッ…まあいい、でだ、普通は理解なんてでない。そこまでは必要ないからな!だから俺は意思疎通だ、そのスキルを持っている。
で、そのおまえに出たソイツだ。
広い範囲っていったのは、あー、言葉を理解していれば、読めるし、書けるし、喋れる!
広いだろ?できることが。」
「なるほど…じゃあなんで…ですかね?」
「んー多分だが、今まで言語について深く学習してなかったか?あとは、そうだなー他言語とかか?」
「!?」
「まあ後、算術か?貴族的なもんでいくと、あっ、多分礼儀作法…は関係ないか…あー歴史か?いやー、言語か?関係ないかそれ?
まあ、要は言葉に携わる勉強をしてきたか!そこだな、やっぱり!」
なんていうか…ここにきて…いきた?
「してました…今まで。」
「今まで!?………そうか、それはまた、ずいぶんと…箱入りか?まあいいや。
ほんでそーゆー努力に突然スキルが付くことがある!それを、この辺だと(妖精のイタズラ)って言ったりするな。他にもなんか言い方あった気もするけど…多分(妖精のイタズラ)で通じると思う。」
「な、なるほど…」
割と…理由が衝撃的だな、今まで勉強してたから、それがこっち来てスキルになった。
「まあ、何を思ってココまで来たかはきかねーよ。いろいろあるだろうしな!
ただな…そうやって学ぶ環境を準備するのは、並大抵の努力じゃあ出来ない。
下手したら何代も重ねた努力が必要だったのかもしれない、それくらいは覚えといてやれ、な!
帰るつもりもないんだろ?
言葉通じなくてもあの場所まで来たんだ、相当な覚悟なんだろ?…なら落ち着いたらでいい、気が向いたら孝行してやれ………………
気が向いたらな、気が向いたら。」
「ハ…イ…」
俺はバカなんだと思う……知っていたつもりでいた……考えてたつもりだった………ただ…甘かったんだと思う。
何も理解してなかったんだと思う。
当たり前にあるものだから、当たり前だと思っていた、当然の権利だと……なにも分かっていなかった…………無くしてから気づいても遅いのに…………それに救われた…………………
愚かとはこう言うことかもな。
ライセルさんはしばらく待ってくれた。
俺が落ち着くまで…
ありがたい、本当に…………




