模擬戦
「いつでもどーぞ。」
「へっ、いくぞ!」
褐色の女冒険者が接近してきた!
ラブコメではない…
速い、身体強化か?
そのまま大剣型の木剣を、俺の頭に振り下ろしてきた!
振り下ろしもスキルか?速いな。
「ラァっ!」
気合一閃って感じ…ただ…ハー
半歩以下体をずらし、短剣型の木剣で大剣の腹を叩き軌道をそらす、そのまま相手の首に木剣を当てて終了。
「参った!俺の負けだ!」
「……何してんのおまえ。」
「?俺なんかしちまったか?」
「なんで大剣を振り下ろしたか聞いてんだ!」
「?」
いやいや、あんた大剣もってんだぞ?
「あのな、魔物相手だったらそれでもいいよ?だけど武器持った人間にそれはないだろ!」
「?」
なんでだよ!脳筋か?コイツ
「ちょっと持て」
短剣を持たせて大剣を奪い対峙する。
「まずリーチが違うだろうが!ほんで詰めて突きゃあいいだろが!」
「おお!」
突きこんで首に当てる。
「剣、短剣とかには相手の動き見てこれでいいんだよ!」
「なるほどな〜……なあ、もっとカッコいいのないか?もっと強そうなやつ。」
コイツ!何いってんだ?
突きカッコいいだろが!舐めてんのか?
突いたろかてめー!
辞めろ童貞!
「あ?じゃあもう…頭の上で振り回せ!」
「?」
「あー!もう!貸せっ!」
大剣を奪い離れる。
危ないからね。
「こうやってやんの!相手が来る方に傾けて、当たって弾いたら、回転を乗せて振り下ろす!」
ブオン!と音がして地面と平行になるところで、腰を落として両手を絞って止める。
地面に当ててはいけない。
次の動きがしにくいから!
「おー!いいなそれ!カッコいい!貰っていいかその技!いいな!」
「振り下ろすだけじゃなく横薙ぎにもつなげられるからな!」
「おー!カッコいい!やるやる!」
俺から大剣を掻っ攫って頭の上で回し始めた。
アブねっ!離れてやれ!
「………ハぁー」
なんか脳筋多くない?
魔族もこんな感じじゃなかった?ねえ。
なんだかなぁ〜いや、美人だから嬉しいよ話しかけられて。
だけどねー、なんだかなぁ〜。
とか考えてたら話しかけられた。
「フフッ楽しそう、ありがとうタイガさん」
「?誰。」
「私はリミアよ、あの子はカトラ、同じパーティーメンバーなの。」
金髪で短髪の落ち着いた美人な子が話かけてきた。
ミリアって言うらしい。
コイツも脳筋じゃあねーだろーな!
「タイガでいいよ、タイガで。」
「フフッありがとうタイガ、私もリミアでいいよ。」
「おー!リミア見てくれ、新しい技できたぞ!これで振り下ろす!」
「よかったじゃない、強そうね。」
「だろ?しかもカッコいいしな!ソイツが教えてくれたんだ!ソイツならパーティーメンバーでもいいよな?」
「だ、そうだけと、タイガはどう?私たちとパーティー組まない?2人だけなの今。」
どーも急に来ることが多い、どっからそう言う話になんだよ!
いや、2人とも可愛いけれど…ハァー
「すまんな…まだしばらくはソロだ、と言うか女誘え女!男はまずいだろ男は、美人なんだから!」
「まーな!リミアは美人だからな!」
「オメーもだよ!オメーも!」
大剣の回転が止まった、なんの訓練だよ!
「そっか〜、残念、気が変わったら言ってよ。」
「かわりません〜残念でした~じゃあな!」
カトラ、なんの構えだよそれ?
意味あんのかそれ?
まあ、一番の問題は実力差だよな。
2人ともそれなりだとは思うけどね…
後、パーティーメンバーになったら絶対に魔力の話するじゃない……どーする?
ムリでしょ絶対!
そ言う事です。
「エルミルさん!合格しました!ギルド証交換お願いします!」
「おめでとうございます。よかったですね!私も少し安心しました。」
「ただ…試験官には負けてしまって…」
「えっと…デルトさんでしたよね?、勝つつもりだったのですか?」
「ぶっ飛ばしてやろうかと…」
「……Bランク上位者に無謀ではないですか?やはり…いつも無理されてるんじゃないですか?」
マズったな、流れを間違えた!
気配察知は何をしてるんだ!
知らせろよ!
「違います!デルトだからですよ…い、いつもは安全第一でやってます!安心してください!」
「……本当ですか?………まあ今日のところは信じて差し上げましょう。合格したばっかりですからね!」
「あ、ありがとうございます!いつも大丈夫ですからね、本当に」
「………………………」
「本当ですって!信じてください!」
少しエルミルさんの説得に時間がかかったが、概ねまったくの問題なくDランクに昇格した。
問題なかったよね?
 




