戦略的…
棍棒を躱しては斬る、躱しては斬るを繰り返す。
囲まれない事を意識しながらも、確実に倒して行く。
迷宮第9層、出てくる魔物はボブゴブリン、棍棒装備!
数が多いのだ!
一度に10体!
鬱陶しいのだ!
ボブボブ言いながら囲んでくる。
可愛らしさがまったくないのだ!
まあ、もともと殺意むき出しで襲って来るから、どこにも可愛らしさないけどね!
後、鳴き声はボブボブではない。
すいません、デフォルメしました!
囲まれすぎない事を意識しながら立ち回れば、そうそう遅れを取ることはない。
体格差がない分、数が多くてもあまり脅威ではない。
膂力や動きの速さはゴブリンの比じゃないんだけどね。
なので今は、倒しながら階段を探してます。
迷宮10層。
ここは当然ボスがいます!1体のみ!
身長が4、5メートル!
あきらかにでけー!
今、階段から覗き込んでんだけど…
いるは、いる!なんかのっしのっし歩いてる。
改めて見るとやっぱでけー…
オーガだ、鬼だな鬼でけー鬼。
しかもメイス持ってますと…
金棒じゃん!鬼に金棒じゃん!
どうだろ…いけっかな……
油断しなければ行けそうな気がする。
ただボアやオークの時も思ったけど…
でけーのはこえーは…
とりあえず全速で接近してみる。
なんか吠えてんな、うるせー!
でけーし、こえーし、うるせー!
今んとこいいとこないよあんた!
こっち目掛けてメイスを叩きつけてきた!
タタンッと数歩下がって様子を見る。
ドォコォン!!!
エグっ!威力エグっ!
あれは食らっちゃダメだね流石に…
でも…アレ食らって骨折程度なんだな…
いや、なんかそんな気がすんのよマジで…
その後もキチンと間合いを取りながら横薙ぎ、振り下ろしを見る。
体力切れを狙うのは得策じゃあないな…
飛びかかって攻撃するのも、空いた手で掴まれそう。
ヨシ…
メイスによる振り下ろし、それを下がって躱していたが、今回は前に出る!
メイスが叩きつけられた時にはオーガの左足首を捉えていた。
そのまま振り切る!
オーガの股下を抜け、すぐさま振り返る。
オーガが膝をついていた。
ちょうどいい!
少し飛んで目の前のオーガの背中を登る。
オーガの首が見えた瞬間に一閃!
そのままかけ、肩を蹴ってすぐさま振り返りオーガから目を離さない様に距離をとる。
残心をしながら首の落ちるオーガを眺めた。
こえーよ!こえーって!
首取れたのに倒れてバタバタしてるって!
こえーよ!
いや、生命力強いって聞いてたけどこえーよ!
はよ消えてくれ!
あ、消えたわ。
オーガは消えるまで近づかん方がいいな。
手痛い反撃喰らうぞあれ!
こえーよ…
なんとか行けましたね。
オーガの魔石とオーガの皮を手に入れた!
オーガは毎回落とすらしいね、皮!
お値段なんと、銀貨1枚!
いいですね〜。
ただボスなので毎回いる訳ではない。
今回は運良くいたけど…1回倒すと、たしか3日ぐらい出てこないらしい。
だからメインで狩るとかはできん!
ちなみに魔石は銅貨50枚!
まぁまぁじゃない?今までの魔石が5枚から10枚だったから多く感じるな。
銀貨の半分だな。
銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨100枚で金貨1枚、その後は100枚ごとに白金貨、希石金貨ってあるねこの世界は。
価値はまあ銀貨1枚一万円くらいじゃない?
多分…そんな感じデス。
生活してりゃあわかるよねなんとなくで、向こうの世界でもそんなもんでしょ?お金の価値って。
お金の価値の中で生活してるんじゃなくて、生活に身近なお金で価値を測ってるみたいなさ…感じ。
あってる?
まあいっかそんな事。
さてさて、オーガ行けたな。
このまま11層行こうか!どんなもんか知っときたいし、見ときたい!
階段は目の前にあるのだ!
景色が一変していた…
見渡す限り一面緑だった。
背の高い草が壁代わりになってるな。
遠くまで見通せる感じではない。
迷宮第11層は草原だ、空に雲はあるが太陽はない青空!
まあ地下だしねここ。
地下に青空!っておかしいのは知ってるけど…実際そうなよ、異世界なのよ…
ここから出てくる魔物はボブゴブリン!
ただし更に上位種のボブゴブリンナイト、ボブゴブリンアーチャー、ボブゴブリンマジシャンの3種だ。
あんまり今までと変わんない…と言う事はないと思う。
ナイトが剣に盾、装備してるしな。
油断しないようにいかんと。
いたな、剣3、弓1、魔法1。
このマップの基本的な編成かな?
とりあえずいつも通り全速で左の端のやつから!
無闇に遠距離攻撃してこないな。
!盾で受けられた!剣の追撃をかわす。
そのタイミングで後衛が攻撃してきた!
少し大きく避けて矢と火球をかわしながら、弾くように目の前のボブゴブリンに短剣を叩きつけ、後ろに回り込むように左奥に移動する。
先に後衛を叩きたい。
!体を後衛に向けたら足元に矢と火球、直ぐに躱し、再度後衛に狙いを付ける。
しかしその隙に弾いたボブゴブリンの隣にいたボブゴブリンが後衛との間に潜り込んできた。
そのボブゴブリンに一当てしているうちに後衛はその後に移動していた。
ボブゴブリンの剣を躱し反撃しようとしたところで、横からの剣撃!
それも躱すと矢、火球!
躱しながら最後の1体のボブゴブリンの位置を確認すると…
さっきの動きで後衛狙いが気づかれた、後衛と前衛の間で盾を構えている…
別の、周りのボブゴブリンの気配も騒ぎ出した。
ちょっと近かったかマズったな…
……これはあれだな…
体の力を抜き、深く息を吐き出し呼吸を浅くする。
ボブゴブリンが驚く気配を発した瞬間走り出す!
階段に向かって!
戦略的撤退だ!




