え?
浮かれていた、自分の置かれた状況に。
想像がつかなかった。
馬車に揺られながらそう思った。
運が良かった、良かっただけだ。
一歩間違えば終わっていた、そんな気がする。
とりあえず、自分を指さしながら名前を伝え、おじさんの名前も教えてもらった。
ライセルさんと言うらしい。
ちなみに苗字まで名乗ったら、嫌そうな顔をされた。
あまり当たり前ではないらしい。
さて、それ以外はどうしようか?そんなことを考えていたら、前方に人影が見えてきた。
複数人、まとまって歩いている。
や!武器を持ってるんですけど?後、鎧。
なんか喋りながら歩いてる、武器構えてないから大丈夫かな…。
大丈夫ですよね?
信じてますよライセルさん!
あ!止まるんですね?
ライセルさんは武器持ちの複数人と会話をし始めた。
私はただ息を潜めた。
なるべく目を合わさぬよう、気を引かぬように…
イヤだって、武器は無理だろ。
そうだろ?誰でも、なにいってるかも分からないのに。
ただ位置的に私を挟んで会話をするのはとても困る。
ライセルさんが左、武器持ち複数人(4人)が右。
その後に二三会話したら馬車が走り出した。
多分にこやかに会話されていたので大丈夫だとは思う…………。
言葉が通じないのがヤバい、ヤバすぎる。
これをどうにかしないとどうにもならん!
こういった場合、取れる方法が分からない……
もっと英語ちゃんと勉強しておけば………
関係ないか?
いや、同じ感じで単語からいけば?むりか?
でもそれしかないよな?やれることは。
「ライセルさん!」
不思議そうにこちらをチラ見。
私、馬を指さす。
これなに?なんて言うの?
心の中で唱えながら…
「………………」
ライセルは様子を見ている!
私は力強く馬を指さした!
「ん!ん!」
なんか傘渡す男の子みたいな声出た。
ライセルは眉をひそめている。
「…………ニア?」
にあ?にあか?それが馬?馬を指す単語か?
「ライセル………にあ」
馬を指さして聞いてみる。
ライセルは頷いた!
「お〜お、ライセル!にあ!」
ライセルがニヤリとしながら頷いている!
いや、これ嬉しいな。
後、見える物は聞いてみる。
分かっのは、
馬車「リア」山「ダシャ」空「クーペ」
このくらいか…
聞けはライセルさんは答えてくれる。
呼び捨ては抵抗があるが、さん付けは…多分不思議そうにされる。
通じてなさそう。
ライセルさんは恩人である、それはまちがいない…
ただ、質問をするたびに一度様子見されるのはちょっとな。
なに?って顔やめてもらえます?
若干笑ってますよね!
まあそんなこんなで進んでいたら馬車が止まった、少し開けた場所だ。
今日はここまでっぽい、ちょっと日が落ちてきた。
何か手伝えることはないか?と思ったけど…ライセルさんの周りをうろちょろしただけだった…。
ライセルさんの用意した焚き火を囲んで座る。
こうやって外で火を囲むのは初めてだ…
なんか落ち着くな…
ライセルさんがパンと…干し肉?を分けてくれた、今夜の夕食みたいだ。
言葉は通じないから、何度も何度も頭を下げた。
伝わってくれたら嬉しいなぁ〜
ライセルさんは手をひらひらさせたあと、ニヤリとしてから、顎で食え食えと合図をしてくれた。
また頭を下げてから食べ始めた、食べてから気づいたが、お腹が空いていたみたいだ…
まったく気づかなかった…
ライセルさんが空のコップを渡してくれた…
中を確認してからライセルさんを見た!
ニヤリとしていた!
それからおもむろにコップに手を当てた。
「リルヲ」
水が出た……水がでたーーーー!
嘘だろ?え?ソッコー飲み干してもう一杯!
コップを差し出すとニヤリとしてからもう一度やってくれた!
「おーお」
ライセルさんは、魔法使いだった!
魔法ある!ココ!
すげーな!ただすげー!
いや語彙力がなくなるな、これ。
とりあえず目見開いてすげーすげーと頷いてライセルさんをみる!
ニヤリとしてから食事をし始めた…
魔法がある、それがわかったことが大きい。
魔法と言うのかは、わからないけどそれに類する力があるのが分かった事か嬉しい。
使えるか?はともかく希望は持てる…望はある…
でも今は言葉!これがないと何もできない!
うーん…とりあえずライセルさんにお願いしてみるか。
「ライセル!」
ライセルさんがこちらを見た。
ライセルさんを指さすのは失礼なので、手のひらを上に向けてクイッ!クイッ!口の前に持っていきパク!パク!
自分を指さし、その後耳を差し出す!
どう?だろうか。
どうやらまた様子を見ている。
「ら、ライセル!」
また同じジェスチャーを繰り返す、顔を真っ赤にして……
たぶん1回目でわかっていたのだろう…彼は手で丸を作りながら話し始めた、オッケーっぽい手文字あるんだな。
その時、私はそう思った。
まるでわからない言葉を聞き続けるのは、結構疲れる、そもそもいろいろあり過ぎた、疲れて当然か…しかし、自分からお願いしたことだ!最後まで聞くべきだ!
だんだん意識が……………まだまだ………
「……………!…………、………、…。…………………、…………。………って、あん?あー寝ちまったか?………しっかし何処からきたんかね?言葉つーじねーし、厄介事じゃあなけりゃあいいけどなぁ…。拾っちまったし、ある程度は面倒見るけど……まあ、寝るか?街行ってから考えよう!そのほうがいい!寝よ寝よ!おやすみ!」
え?




