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第六羽 大阪市立田川小学校

 大阪に移住してから七ヶ月後、前田里沙は近所にある小学校、大阪市立田川小学校に入学した。

 大阪市立田川小学校は通称、田川小学校。もしくは田川。登校する時は、近所の小学生と一緒に登校する。班長と副班長は六年生。なぜなら、去年の四月に学校の前で通り魔事件が発生したから。死亡者は二年生と四年生、全員。犯人は四人。そのうちひとりだけ捕まった。年齢は四十代前半。赤髪の男。あとの三人は後半。青、黒髪に赤のツートンカラー、白の三色に染めた髪の男は今、逃走中。


 クラスは2。里紗は一年二組。この学校は、週に三日、特別な日がある。曜日は水曜日、木曜日、土曜日。

 水曜日は班のみんなと一緒にイカゲーム似のデスゲームをする。他人が死ぬまで勝つ。

 木曜日は四年生からクラブ活動。文化部と陸上部以外は心を燃やして頑張れ。陸上部(ソニッククラブ)は死神に殺されるまで頑張れ。

 土曜日はベースボールクラブとアーティストクラブの活動日。

 里沙は毎週土曜日、アーティストクラブの活動を六年間するつもり。

 学校の紹介はこれくらいにして、里紗の入学式を見よう。

 入学式は卒業式と同じくらい綺麗。教室は昭和六十~六十三年にタイムリープしたかのように綺麗。

 なんだかんだで前田里紗の入学式は終わった。


 今週の土曜日、前田里紗は学校に行った。なぜなら今日はアーティストクラブの活動があるからだ。

 アーティストクラブの部屋は音楽室。旧校舎の四階。ちなみに、一年生の教室は一階にある。

 里紗は音楽室に入った。

「失礼します。前田プロダクションの前田里紗と申します。日本文学を音楽にするダンスユニットの申し込みに来ました。」

 音楽室に入ると、スタッフの男(松林武)がひとり。

「申し込みのことだけど、入る人がめちゃくちゃ少なかったから、君で五人目。あとの四人はもう揃っているから。今から自己紹介するよ。里紗ちゃん、早く席に座って。」

 スタッフは適当なことを言った。

「はーい。」

 返事をした里紗は早く左側の席に着いた。

「では、今から自己紹介をします。自分の名前と学年、誕生日を言ってもらいます。左から順番に自己紹介してもらいます。」

「前田里沙です。小学一年生です。誕生日は八月八日です。」

 前田里沙。旧名は僕の前世と同じ名前。

「藤原晴子です。小学四年生です。誕生日は十一月二十九日です。」

 藤原晴子。翼の三歳年上か。

「小笹一誓です。小学四年生です。誕生日は九月十一日です。」

「楢崎真吾です。小学一年生です。誕生日は十二月二十二日です。」

 楢崎真吾、どこかで見たことあるな。確か、一組の男の子だな。

「松浦香奈江です。小学四年生です。誕生日は一月十八日です。」

 小学一年生と小学四年生の三歳差のダンスユニットか。

「みなさん、素晴らしい自己紹介ができました。次にダンスユニットの内容の説明をするよ。」

「今年の四月に結成予定の『日本文学がコンセプトのダンスユニット』のボーカルは、オレンジ色のカワセミ、前田ウィング。作詞作曲は、君たちか藤井陰、豪華作詞作曲家。」

「松林さん、どうして、前田ウィングがボーカルなんですか。」

 手をあげた小笹が松林さんに質問した。

「それは、前田ウィングの声がAdoに似ていたから。」

「なんですか?」

「僕が三月に前田ウィングの歌ってみた動画を見て、歌っている人の声、Adoに似てんじゃねって感じで。」

 Ado。僕が推している日本の歌い手。僕がYouTubeに投稿した歌ってみたはAdoの曲が多い。Ado以外で歌っている曲は、Mrs.GREEN APPLE、米津玄師、欧米一エロい歌姫、リラガガ。通称、リラ。彼女の歌はYOASOBI似の楽曲が多い。

「ねぇウィング、グループ名は君が決めて。」

「そうだよね。」

「そうよ。」

「いいと思うよ。」

「ウィング。」

「名前ね。」

 僕はグループ名を考えた。グループ名を考えている間、僕の頭の中がYahooになった。

『日本文学』『命』『英語』『ジャパニーズリタラチャー』

「グループ名、日本文学、命、英語、ジャパニーズリタラチャー、ライフ。ジャパニーズライフ。ジャパニーズライフ、ジャパニーズライフ。グループ名、ジャパニーズライフ。」

「ジャパニーズライフ。」

「ジャパニーズライフ。」

「ジャパニーズライフ。」

「ジャパニーズライフ。」

「ジャパニーズライフ。」

「とてもいいんじゃね。」

「そうだね。一誓くん。」

 こうして、日本文学をコンセプトにしたダンスユニット、ジャパニーズライフ。通称、ジャパライが誕生した。

 名前の由来は、日本文学の英語、ジャパニーズリタラチャーと命の英語、ライフが融合した名前で日本文学の魅力を伝える。

「ジャパニーズライフ、とてもいい名前だね。ジャパニーズライフのみんな、今から、デビュー曲の説明をします。文学作品は、米前稔貴の小説『満月桜』。名前は小説のタイトル名と同じ。練習期間は三週間。配信日は五月二日。来週の土曜日から練習を開始です。」

 スタッフは説明を早く終わらせ、ジャパライは早速、歌とダンスの練習を始めた。

 ジャパニーズライフのみんな、僕はAdoの「千本桜」を意識しながら歌を頑張るよ。みんなもダンス頑張って。僕はAdoか大森元貴を意識しながら応援するよ。

 僕はみんなに応援ソングを歌うよ。前田ウィングの歌ってみたソング、Mrs.GREEN APPLE「ライラック(前田ウィングVer.)」


 三週間後、自己紹介とジャパライのミュージックビデオの撮影が始まった。

 まずは、自己紹介。みんなスマホに向かって自己紹介をする。自己紹介の内容は、自分の名前、学年、メンバーカラー、好きなことを発表する。

「前田ウィングです。ジャパニーズライフのボーカル担当です。メンバーカラーはオレンジ色です。好きなことは歌うことです。」

「前田里沙です。小学一年生です。メンバーカラーは赤です。好きなことはアイドルダンスです。好きなアイドルは、SnowManです。」

 SnowManと言っても、本当は、賢治さんが推しているアメリカのアイドル、SKIPなんだけどね。

 SKIPと言っても、日本の小学生は知らない。知っているのなら、『WORLDONEFLOUR』一曲だけ。

「藤原晴子です。小学四年生です。メンバーカラーは紫です。好きなことはカラオケです。好きなアーティストは、Mrs.GREENAPPLEとYOASOBIです。」

「小笹一誓です。小学四年生です。メンバーカラーは緑です。好きなことはYouTubeを見ることです。好きなユーチューバーは、テセサクchです。」

「楢崎真吾です。小学一年生です。メンバーカラーは(ブルー)です。好きなことはゲームをすることです。好きなゲームはマイクラです。」

「松浦香奈江です。小学四年生です。メンバーカラーは黄色(イエロー)です。好きなことは漫画を読むことです。好きな漫画は鬼滅の刃とSPY×FAMILYです。」

 みんなの自己紹介が終わり、次にミュージックビデオの撮影。ミュージックビデオの衣装は1950年代の昭和ファッション。

 満月桜の日本文学、米前稔貴の小説『満月桜』は大阪の男子小学生、前田翼が満月が出ている夜に学校に侵入して屋上で桜の花を大量に咲かせる。

 僕は主人公役なので、小学五年生を意識しながら歌う。後の五人は、満月桜の木の前に立って踊る。

「今から撮影をします。」

 ミュージックビデオの撮影が始まった。

 僕は屋上に行って歌う準備をした。

 満月桜の音楽はAdoの『千本桜』に似ていて、和楽器と軽音楽器の音を混合にしている。

 ドローンに向かって満月桜を歌った。一発OKだった。Adoさんありがとうございます。

 残りの五人は約一時間かけて踊りを一生懸命頑張った。

 満月桜のミュージックビデオ撮影が終わり、ジャパライは頑張った顔をして家に帰った。

 

 五月二日、配信当日、YouTubeにミュージックビデオが公開された。再生回数は、三百万回再生。MVの再生回数は一億回。デビュー曲で一億はほんまにやばい。レコ大受賞できそうかも。最年少のダンスユニット、ジャパニーズライフは、史上最年少記録を更新。

 満月桜の作詞作曲編曲は、東京に住んでいる男子高校生シンガーソングライター、時ノ宮ゆき。この関東人も、最年少の人かな。

 五月五日の朝、こどもの日を楽しんでいる僕の家に謎の箱が届いた。自分宛ての宅配便だ。差出人はロサンゼルスに住んでいるハチ。知らない人。

 ミッキーは箱を受け取ってから机に置いた。

「何が入っているのだろう?」

 なっちゃんはワクワクしながらミッキーと一緒に箱を開けた。

 箱の中身は緑色に輝いているダイヤモンドと謎の手紙。

 ミッキーは謎の手紙を持って即読んだ。

「ジャパニーズライフへデビュー曲『満月桜』のMV再生回数一億回おめでとう。一億回おめでとうのプレゼントに緑色のバースエメラルドを差し上げる。次のMVの再生回数一億回の場合は、二つ目を差し上げる。一億回じゃなかったら、宝石プレゼントは無し。ハチより。」

「ハチ?誰やねん。」

「ハチ?はちみつを作る昆虫。」

 僕が知っているハチは、昔、里沙とよく聞いていたロサンゼルスのシンガーソングライター。代表曲は『マトリョーシカ』『ソニックホール』の二曲。

 里沙が言っていた宝石が大阪の家に届いた。

「続いてのニュースは、今、SNSで話題になっているキッズダンスユニット、ジャパニーズライフ。」

 ジャパライのニュースが流れた。最年少記録を更新したからな。

 僕はジャパライのニュースを見た。


 五月十日土曜日、ジャパライが有名になったことにスタッフの松林さんは僕たちを褒めてくれた。

「みんな、一億回おめでとうございます。」

「ありがとうございます。」

 五人全員で大きな感謝を言った。

「二曲目は、日本最古の物語、竹取物語。配信日は五月三十日。練習期間は一週間。」

 二曲目が決まった僕たちは早速練習を始めた。

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