プロローグ
僕が寝ている時、よく妻のことを思い出す。あの戦争以来、僕は妻に会っていない。
波の音が聞こえる。もう起きる時間か。僕が起きる時も妻のことを思い出す。学生時代、妻とのデートでライブに行った。ライブに着いてから何分後、花嫁のように美しい歌姫がステージの上に立っていた。歌姫の歌は人の痛みや苦しみをいつも癒してくれる。僕と妻は歌姫の大ファン。でも、歌姫は二十年前、東京ドームのライブ中にスナイパーに撃たれたかのように殺害された。犯人はまだ逃走中。と言ってもネットに書いてあったんだけどね。推しの歌姫には娘がいる。その娘の姿はどこかでか見たことのあるような歌姫だった。その歌姫の出会いは、僕が生まれ変わったことだ。そう僕は現代に生まれ変わった。
今日は中学校の卒業式。
「ようし、朝の支度も終わったし、そろそろ制服に着替えないとな。」
朝の支度をした僕は制服に着替える前にチョコパンを二口食べた。朝食が終わり、手を洗ったら、早く制服に着替えた。制服に着替えた僕は大阪市立歌島中学校に向かった。学校に着くと寿和希の姿が見えた。
「おっ翼やん!卒業おめでとう。」
「寿も卒業おめでとう。」
卒業の挨拶をした僕と寿。
僕はもう一度言う。
僕は現代の日本に生まれ変わった。僕はオレンジ色のカワセミ。前田ウィングに生まれ変わった。