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2-6

いつも通りコマンドを入力していると、

気になるコマンドが表示された。


令嬢とのお茶会コマンドで、

相手は公爵令嬢、

つまり、元私だ・・・


今、中身はヒロインのはず。


さて、どうしよう・・・


中級の伯爵家と貴族トップの公爵家とでは、

なかなか交流がない、

これはヒロインが私と話したいと、

思っていると考えて間違いない。


そうねぇ

ヒロインには感謝こそして、

悪い感情は1つもないし、

相手が話たいとおもっているのなら、

一度話してみてもいいかも・・・


私はお茶会コマンドを入力した。




屋敷について、出迎えてくれた懐かしい面々。

ケーティが他人行儀なのが少し寂しい。


通されたのは応接間。


そこには元私がいた。


「はじめまして、セレスティ・ロシェットと申します」


「はじめまして、ソフィア・マレットです」


テーブルにはお菓子が並べられ、

紅茶が淹れられる。


それを一口口に含み、懐かしい味にほっとしていた。


「皆、席を外して頂戴」


セレスティの言葉に、メイドがびっくりした顔をする、

サーブする為に、メイドが控えるのが当然だからだ。


「女性同士、問題はないわ、

 年齢が近い同士の話をしたいの」


メイド達はしずしずと退出していく。


しばらくは無言で、私はあえて口を開かなかった。


5分ぐらいしただろうか、セレスティがゆっくりと、

口を開く。


「転生者・・・なんですね」


その言葉に、驚きはなかった。


私もヒロインの記憶をもっている、

ならば、当然元私の記憶も引き継いでいるはずだからだ。


「怒っていらっしゃいませんか?」


「いいえ、むしろ感謝しているわ」


笑顔で答え、その答えが本心だと伝わったのだろう、

ほっとした、優しい表情になる。


それから、前世の事、ゲームの事など、

彼女が話したいだけ、聞いていた。


私の事をゲームのキャラクターだと思っていて、

まさか同じ転生者だとは想像もしていなかった事。


入れ替わりイベントもステータスが入れ替わるだけで、

人格まで入れ替わるとは考えていなかった事。


公爵令嬢になって戸惑ったが、

身分も高いし、王子の婚約者筆頭候補なので、

そんなに悪い未来ではないと思っていたのに・・・


優しい表情から、暗い表情へと変化していく。


「王子の婚約者候補からは外れました・・・

 それどころか、辺境伯の老人に嫁ぐ事になって・・・」


「それで、私に連絡したのね」


私は優しく答える。


「記憶では、前世だいぶゲームをプレイされている

 ようでした、何かいい考えはないか聞いてみた

 かったのです」


「そうね、お祭りイベントには失敗しているけど、

 パロメータ―自体はかなり高いわ、

 そこは誇っていいと思うの、

 そうね、今から可能ないいエンドと言えば、

 隣国の貴族エンドかしら」


すると、一気に顔を上げて、食いついて来る。


「どうすればいいですか!」


「隣国エンドは魔力や学問はあまり注力されてないの、

 礼儀、ダンス、魅力を上げれば可能なはず、

 ここに集中すれば、今からでも十分間に合うわ、

 お父さまも家のメリットがあるので、

 結婚相手の変更に難色を示さないはずよ」


顔を高揚させて。ガッツをする元ヒロイン。


幸せになって欲しいなと思いながら、屋敷を後にした。

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